1年の終わりもいよいよ近づいてきた11月。
11月3日は文化の日があり、この日の周りには学校でも文化祭が行われたり、15日は七五三の日だったりしますね。
また、11月23日は勤労感謝の日となっていますが、10月のところでも触れた新嘗祭が行われる時期でもあります。
その11月はまたの名が
霜月
このように呼ばれます。
では、この霜月という異称はどのような読み方をするのか?
また、その意味や由来にはどのようなことが含まれているのか?
そんな「霜月」についてまとめました。
霜月とは何月でどんな読み方をするの?
11月のことを別の呼び方で、
霜月(しもづき)
このような読み方をします。
ちなみに、英語での11月の月名は
です。
「霜月」は旧暦のころの読み方ですが、今で言うところの11月下旬~1月上旬の頃を指すと言われています。
だから、外も寒い時期ですよね。
そんな様子を表して「霜が降りる月」=「霜月」
このような由来があると言われています。
11月は霜月(しもづき)と言いますが、他の月にもそれぞれの異称があります。
各月の異称と読み方
1月:睦月(むつき)
2月:如月(きさらぎ)
3月:弥生(やよい)
4月:卯月(うづき)
5月:皐月(さつき)
6月:水無月(みなづき)
7月:文月(ふみづき)
8月:葉月(はづき)
9月:長月(ながつき)
10月:神無月(かんなづき)
11月:霜月(しもづき)
12月:師走(しわす)
それぞれ何月かについても、その意味や由来についてまとめているので、興味のある方はご覧になって下さいね。
では、この霜月というのはいったいどんな意味や由来があるのか?
そのことについてまとめると、実は霜月という言葉にはさまざまな説があることもわかってきました。
霜月の意味って何なの?
この霜月(しもづき)というのが、11月を意味していることはここまでの流れでわかりますね。
国語辞典を開くと、霜月というのは
このように記されています。
この11月は霜月の他にも色々な呼び方があって、
- 神楽月(かぐらづき)
- 神来月(かみきづき)
- 広寒月(こうかんげつ)
- 葭月(かげつ)
- 霜降月(しもふりづき)
- 霜見月(しもみづき)
- 正冬(しょうとう)
- 神帰月(しんきづき)
- 氷壮(ひょうそう)
- 雪待月(ゆきまちづき)
- 雪見月(ゆきみづき)
- 天正月(てんしょうがつ)
- 大雪(たいせつ)
- 章月(しょうげつ)
- 子の月 (ねのつき)
- 半冬(はんとう)
他にもまだあるようですね。
この11月の異称の中でも「霜月」と呼ばれることが一般的です。
そして、11月が霜月という漢字
「霜」「月」
という字があてられたのには様々な説があります。
その説の中で、上でも触れましたが
という意味が込められていて、そこから
霜月
というように呼ばれるようになったという説が一番有力ですね。
これが広く一般的にも、霜月の由来として説明されています。
はじめは
このように呼ばれて、やがて省略されて
となっていったようです。
ただ、これはいくつかある意味のうちの一つです。
実は他にもいくつかの由来があるのです。
次は、その他の由来についても触れていきましょう。
霜月の由来には他にどんなことがあったの?
先ほどの霜月の由来や意味以外にも、いくつか言われている説があります。
上で見てもらった説は、
これを紹介させてもらったものなんですね。
実はこの他にも、
- 「11」は数字の最初に戻り「下の月はない」ことを意味する「下な月」説
- 秋の収穫祭が行われてきたことを意味する「食物月(おしものづき)」説
- 太陽の光が弱まり物がしぼむことを意味する「凋(しぼ)む月」が訛った説
このような説があると考えられています。
「下の月はない」ことを意味する「下な月」説
神無月の由来の時にも、この説が出ていました。
私たちが使っている数字は10進法ですよね。
この「10」で折り返して数えるようになっていますよね。
そのことから「10」から上の数字はないという考えから、10月は「上の無い月」と言われ、
というように変化していったと言われています。
これと反対に、「11」は初めの数字に戻ってきたので、
このように呼ばれ、これが変化し霜月になったと言われています。
神無月の由来について知りたい方は、こちらをご覧になってもらうといいと思います。
関連ページあなたもおそらく知っているであろう、神無月の有名な由来の「神様がいないから神無月」
実は、これって本来のものではないようなんですね。
この点についても触れてますので、読まれてみると面白いですよ。
秋の収穫祭が行われた「食物月(をしものづき)」説
11月の勤労感謝の日には新嘗祭が行われますね。
関連ページ>>勤労感謝の日の意味や由来とは?その元となった新嘗祭とは?
新嘗祭は、
「五穀の収穫を祝う大切な行事」
として、毎年天皇がその年の新穀を神殿に供え、その恵みに感謝し自らも食す儀式で、宮中行事の中でも重要な儀式だとされています。
政治評論家の竹田恒泰さんは、『この新嘗祭が終わるまでは新米を口にしない!』と公言されていたりしますね。
こういった収穫を祝う行事がたくさんあったと言われています。
そして、それらを食べる月として
このように呼ばれていたことが由来にあるといった説ですね。
今は普通に使われている「食物(たべもの)」という言葉は、本来
このように言われ、米などの収穫物のことを指していたと考えられています。
一方で、魚や鳥などの食べ物は
と言われていたため、米などの収穫物とは分けられた呼び方をされていたようです。
太陽光が弱まり物がしぼむ「凋(しぼ)む月」が訛った説
この時期になると太陽の光もだんだんと弱まってきます。
旧暦の11月は、今でいうところの「11月下旬~1月上旬の頃」を指すと言われています。
だから12月22日頃の「冬至」を迎えている時期になります。
冬至の日は、1年の内で
だから、食べ物も凋んでしまうような様子を表していたのではないでしょうか。
冬至にはカボチャを食べる習慣がありますが、この時期には秋野菜の収穫も終わっており、冬に採れる食べ物は少なかったため、長期保存のできるかぼちゃなどが重宝されていたようです。
そこで、かぼちゃのような夏に採れる野菜は、夏(陽)の太陽のエネルギーをたっぷりと蓄えた野菜として、陽の気を補うという意味で好まれていたという由来もあります。
このように、11月の月に「霜月」という漢字が付いたのにはいくつかの説があります。
他にもまだ紹介できていない説はありますが、一番最初の「霜降り月」からきた説が一番有力です。
これは、平安時代末期の藤原清輔(ふじわらのきよすけ)という歌人が『奥儀抄(おうぎしょう)』という歌学書で、
「十一月(しもつき)、霜しきりに降るゆえに霜降月(しもふりつき)といふを誤(あやま)れり」
このように記しています。
つまり、
こんなふうに霜月の由来について残しているのですね。
あとがき
今回は11月の霜月(しもづき)の読み方や意味、由来について見てきましたがいかがでしたか。
今でこそ11月は霜月と呼ばれていますが、旧暦の11月は新暦の「11月下旬~1月上旬の頃」を指すと言われています。
つまり、今でいう1月1日のお正月は越えちゃってるんですよね。
旧暦のころのお正月って、今ではいつごろなのかというと、
旧正月は毎年日付が変わります。
なんかちょっと変な感じですね。
だから11月の季節の言葉には、ちょっと寒さを感じさせる言い回しが多いですね。
- 晩秋の折
- 向寒のみぎり
- 初霜
なんていう季節の言葉や時候の挨拶もあり、こういった言葉も趣があって面白いです。
他にも季節によって、さまざまな「時候の挨拶」や「季節の言葉」があったりします。
お手紙を出す際など、手紙の書き出しや結びの言葉に迷ったら、ぜひこちらのページも参考にして楽しい手紙づくりのアクセントに使ってみて下さい。
関連ページ>>時候の挨拶「11月」上旬・中旬・下旬で使える例文と手紙の形とは?