日本語には、結婚祝いや長寿のお祝い、はたまた、年賀状などでも、縁起が悪いと思われることから避けたほうがいいとされる
忌み言葉
というのがあります。
では、この忌み言葉は、どんな言葉に言い換えればうまく収まるのでしょうか?
また、結婚や出産のお祝いなどで避けたい忌み言葉をはじめ、一覧にしてまとめましたたので参考にしてください。
忌み言葉はどんなふうに言い換えればいいのか?
さて、あなたも忌み言葉というのを聞いたことがあると思います。
その言葉は知っていても、なんとなく知らない間に使っていたなんてことは結構ありますね。
わかりやすいところで言うと、年賀状なんかでは、
去年
という言葉は使わず、
このような言葉に言い換えます。
この「去年」の「去」が
「離別死別(=去る)」
ということを連想させるため、年賀状では使わないのが一般的なんですね。
実は、こういった言葉はたくさんあって、知らない間に、
えぇ!?これって忌み言葉だったの?
なんていうことがちょくちょく起きていたりします。
これも場合によって変わってくるんですが、例えば結婚祝いのお手紙とかで、
- 別れる
- 壊れる
- 切れる
こういった言葉は、なんとなく忌み言葉というようなイメージができると思いますが、
- 近々(くり返しを連想させる)
- 出る(別れを連想させる)
- 冷える(ネガティブな表現)
こんなふうに、ひょっとしたら使ってしまいそうな言葉もたくさんあったりしますね。
こういった忌み言葉を言い換えるには、やはりそれなりに言葉の力が必要になると思いますが、すべては無理なのでいくつか例を挙げながら見ていきたいと思います。
例えば、
「結婚祝いの際に避けたい忌み言葉の言い換え」
こちらをまとめてみました。
結婚祝いの際に避けたい忌み言葉の言い換え例
【別れを連想させる忌み言葉】
忌み言葉 | 言い換え例 |
別れる | 失礼する |
別々になる | 新たな道を進む |
離れる | 距離をおく |
スタートを切る | スタートラインにつく |
帰る | 戻る |
終わる | 結ぶ |
飽きる | 満足する |
残る | 余る |
壊れる | 役目を全うする |
捨てる | 整理する |
【くり返し(再婚)を連想させる忌み言葉】
忌み言葉 | 言い換え例 |
くり返す | 定期的に |
再び | あらためて |
重ね重ね | あわせて |
近々 | 近日中に |
くれぐれも | どうぞ |
いろいろ | たくさん |
返す返す | 何度も |
ますます | いちだんと |
また | いま一度 |
わざわざ | 特別に |
【ネガティブな表現の忌み言葉】
忌み言葉 | 言い換え例 |
悲しい(状態) | 切ない |
厳しい(性格) | 妥協しない |
冷える(季節、状態) | 暖かさの恋しい |
冷める(思い) | 気持ちが遠のく |
忙しい(日常、仕事) | ご多用な |
嫌い(物事、食べ物) | 得意ではない |
短い(文章、言葉) | 簡潔に |
頑固な(性格) | 意志の強い |
頼りない(性格) | おとなしい |
苦しい(日々、悩み) | 困難な |
いかがでしょうか。
これはシチュエーションによっても、同じ言葉でだいぶ言い換え方も違ってくると思います。
忌み言葉はこの他にもたくさんありますし、これは結婚祝いの時に避けたほうがいい忌み言葉なので、違うケースでは別にそうでない場合もあります。
出産祝いの時とかは、べつに
なんて言葉は使っても大丈夫ですしね。
では、気になる結婚や出産のお祝いの場面で避けたい忌み言葉について、次にまとめましたので見ていきましょう。
結婚や出産などの場面で避けたい忌み言葉は?
先ほども触れたように、そのシチュエーションによって避けたい忌み言葉というのは変わってきます。
結婚の場合で言えば、
- 別れを連想させる言葉
- くり返し(再婚)を連想させる言葉
- ネガティブな表現
というのは、あまり好ましくないですね。
出産の場合で言えば、
というのがあまり好ましくない、忌み言葉になります。
では、それぞれでどういった忌み言葉があるのか、一覧にしてまとめてみました。
結婚祝いの際に避けたい忌み言葉
【別れを連想させる忌み言葉の一覧】
別れる、別々になる、離れる、切る、帰る、終わる、飽きる、残る、壊れる、捨てる、切れる、終わる、返る、返す、失う、出る、出す、去る、放す、裂ける、割れる、ほころびる、ほどける、消える、とだえる、断る、離婚、離縁、割れる、逃げる、破れる、枯れる
【くり返し(再婚)を連想させる忌み言葉の一覧】
繰り返す、再び、重ね重ね、近々、くれぐれも、色々、返す返す、ますます、また、わざわざ、再三、またまた、たびたび、なお、さらに、再度、皆々様、度々、再婚、二度、二回、いよいよ、引き続き、しばしば
【ネガティブな表現の一覧】
悲しい、厳しい、冷える、冷める、忙しい、嫌い、短い、頑固な、頼りない、苦しい、浅い、憂い、負ける、病む、九、四、 衰える、泣く、焦る、無し、無くす
このような感じでしょうか。
では、出産祝いの時の忌み言葉を続けて見ていきましょう。
出産祝いの際に避けたい忌み言葉
【死を連想させる忌み言葉の一覧】
流れる、落ちる、病む、敗れる、終わる、消える、逝く、死ぬ、裂ける、苦しむ、枯れる、消える、朽ちる、失う、絶える、崩れる、衰える、滅びる、ダメになる、散る、弱い、途切れる
こうやって全体を見ると、なんとなく理解できる部分もあると思います。
ことばを見るだけで、なんか不幸な感じがするなって思いますよね。
それを感じとれてもらえれば、手紙を書く際などにも注意が向くのではないかと思います。
忌み言葉の一覧まとめ
さて、例として結婚や出産の祝いの忌み言葉についてまとめ、それらを見てもらいましたが、他のシチュエーションでも忌み言葉はありますよね。
例えば、
- 長寿祝い
- 入学祝い
- お見舞いの手紙
- 弔辞の手紙
- 年賀状
などが考えつくところではないでしょうか。
こういったシチュエーションでどういう忌み言葉があるのか、それぞれについてザッと一覧にしてまとめてみました。
長寿祝い
【死や病気を連想させる忌み言葉の一覧】
死、病む、病気、終わる、消える、逝く、苦しむ、消える、朽ちる、絶える、崩れる、衰える、弱い、寝る、折れる、途切れる、倒れる、四、九
長寿祝いは、長生きや今後の健康を願う意味が込められているので、そのお祝いの言葉に「死」や「病気」を連想させる言葉は避けたいですよね。
入学祝い
【先行き不安を連想させる忌み言葉の一覧】
落ちる、終わる、流れる、辞める、倒れる、崩れる、壊れる、退く、失う、取り消し、無効、変更、敗れる、拒否、いじめ、不登校、落第、赤点
これから新しい学校で学んでいこうとしているのに、先行きが不安になるような言葉は使わないほうがいいですね。
お見舞いの手紙
【死や病気を連想させる忌み言葉の一覧】
死、病む、病気、終わる、消える、逝く、苦しむ、消える、朽ちる、絶える、崩れる、衰える、弱い、寝る、折れる、途切れる、倒れる、四、九、尽きる
【入院の長期化やくり返しを連想させる忌み言葉の一覧】
長引く、長い、根付く、続く、また、くり返す、寝込む、効かない、再び、たびたび、近々、治らない、しつこい
入院などでお見舞いの手紙を送ることは、相手に回復を願う気持ち、元気になって欲しいといったことを込めて送るものですよね。
だから、
といったようなことを、連想させないような言葉を選ぶようにしましょう。
弔辞の手紙
【くり返し(不幸)を連想させる忌み言葉の一覧】
繰り返す、再び、重ね重ね、近々、くれぐれも、色々、返す返す、ますます、また、わざわざ、再三、またまた、たびたび、なお、さらに、再度、皆々様、度々、二度、二回、いよいよ、引き続き、しばしば
【「死」を直接的に表す言葉の一覧】
死、死亡、死去、生存、存命、苦、四、九
相手は不幸にあっているわけですから、それが繰り返して起こるようなことを連想させる言葉は避けたいですね。
結婚祝いのときとは意味が違いますが、こちらもくり返しを連想させる言葉は避けたほうがいいとされています。
そして「死」を直接的に表す言葉も場に合いません。
また、忌み言葉ではないですが、その場にふさわしくない言葉も使わないほうがいいです。
例えば、
などのような言葉は避けたほうが無難ですね。
年賀状
【お祝いに水を差す忌み言葉の一覧】
去年、死ぬ、終わる、消える、亡くなる、病気、苦しい、悪い、壊れる、破れる、敗れる、倒れる、失う、崩れる、潰れる、衰える、枯れる、朽ちる、尽きる、悲しい、憂い、離れる、別れる
年賀状は年始のお祝いで、これから1年良い年でありますようにという意味が込められています。
それに、水を差すような言葉はあまり好ましくないですね。
あとがき
忌み言葉ってどんなふうに言い換えればいいのか。
また、結婚や出産祝いなどの時に避けたい忌み言葉など、一覧にしてまとめましたがいかがでしたか。
こうやって改めてみてみると、本当にたくさんの言葉があって難しいですね。
だから、若い人はあまり気にならないという人も多くなっています。
ただ、結婚祝いやスピーチ、長寿祝いなどは年配の人に気を配って、忌み言葉はやっぱり避けるようにしたいですね。
若い人にとっても、すぐに気づいてしまうような忌み言葉はやっぱり避けるべきだと思います。
結婚のお祝いの手紙の中に、
なんていう文章があったら、なんとなく気づいてしまうものです。
他にも忌み言葉とはちょっと違ってくるのですが、
これも「区切りをつける」という意味が持たれ、縁起が悪いとされています。
ですので、結婚式や祝い事などでは避けるほうがいいでしょうね。
また、拝啓や敬具、前略などの意味についても見ておきたい人は、こちらも参考にどうぞ!