梅雨の時期を迎え、ちょっと天気が気になる6月。
衣替えの季節であったり、21日頃には夏至を迎え、本格的な夏の始まりがスタートするといった季節でもあります。
ただ、6月は祝日もなくイメージとしては、なかなかポジティブな出来事がないかもしれません。
その6月は、またの名が
水無月
このように呼ばれます。
では、この水無月という異称はどのような読み方をするのか?
また、その意味や由来にはどのようなことが含まれているのか?
そんな「水無月」についてまとめました。
水無月とは何月でどんな読み方をするの?
6月のことを別の呼び方で、
水無月(みなづき)
このような読み方をします。
ちなみに、英語での6月の月名は
です。
「水無月(みなづき)」は旧暦のころの読み方ですが、梅雨時期で水の多い季節なのに水無月と呼ぶのは変な感じがしますね。
(その理由についてはのちほど。)
6月は水無月(みなづき)と言いますが、他の月にもそれぞれの異称があります。
各月の異称と読み方
1月:睦月(むつき)
2月:如月(きさらぎ)
3月:弥生(やよい)
4月:卯月(うづき)
5月:皐月(さつき)
6月:水無月(みなづき)
7月:文月(ふみづき)
8月:葉月(はづき)
9月:長月(ながつき)
10月:神無月(かんなづき)
11月:霜月(しもづき)
12月:師走(しわす)
それぞれ何月かについても、その意味や由来についてまとめているので、興味のある方はご覧になって下さいね。
では、この水無月というのはいったいどんな意味や由来があるのか?
そのことについてまとめると、実は水無月という言葉にはさまざまな説があることもわかってきました。
水無月の意味って何なの?
この水無月(みなづき)というのが、6月を意味していることはここまでの流れでわかりますね。
国語辞典を開くと、水無月というのは
- 陰暦六月の称
- 「な」は本来「の」の意で、「水の月(田に水を引く月)」
このように記されています。
この6月は水無月の他にも色々な呼び方があって、
- 弥涼暮月(いすずくれづき)
- 季月 (きげつ)
- 炎陽(えんよう)
- 焦月 (しょうげつ)
- 風待月(かぜまちづき)
- 極暑月 (こくしょげつ)
- 末月 (まつげつ)
- 建未月(けんびづき)
- 涸月 (こげつ)
- 水月(すいげつ)
- 朔月 (さくげつ)
- 涼暮月(すずくれづき)
- 蝉羽月(せみのはつき)
- 田無月(たなしづき)
- 旦月(たんげつ)
- 常夏月(とこなつづき)
- 鳴神月(なるかみづき)
- 晩月(ばんげつ)
- 大六月 (おおろくがつ)
- 伏月(ふくげつ)
- 松風月(まつかぜづき)
- 葵月 (あおいづき)
- 青水無月 (あおみなづき)
- 三伏之秋 (さんぷくのあき)
- 弥涼暮月 (いすずくれづき)
他にもまだあるようですね。
この6月の異称の中でも「水無月」と呼ばれることが一般的です。
そして、6月が水無月という漢字
「水」「無」「月」
という字があてられたのには様々な説があります。
その説の中で、先ほども少し触れましたが、「な」は本来「の」の意で、
という意味が込められていて、そこから
水無月
というように呼ばれるようになったという説が一番有力ですね。
つまり、この場合の
「無」は「ない、存在しない」という意味ではない。
ということですね。
この場合の「無(な)」は『名詞と名詞をつなぐ連体助詞』で、今でいうところの「~の」と同じ意味を表します。
これが広く一般的にも、水無月の由来として説明されています。
ただ、これはいくつかある意味のうちの一つです。
実は他にもいくつかの由来があるのです。
次は、その他の由来についても触れていきましょう。
水無月の由来には他にどんなことがあったの?
先ほどの水無月の由来や意味以外にも、いくつか言われている説があります。
上で見てもらった説は、
これを紹介させてもらったものなんですね。
実はこの他にも、
- 田植えのために水をはるという意味の「水張り月」説
- 大仕事の田植えを皆で協力して終えたという意味の「皆尽月」説
- 旧暦の6月は今でいう6月下旬~8月上旬(梅雨明け)にあたるので、水の無い月で合っているという意味の「文字通り水無月となった」説。
- 「出来るだけ梅雨が短くなるように。」という意味を込めて「水無月」となった説
このような説があると考えられています。
田植えで水をはる「水張り月」説
この時期には田植えをするときに田んぼに水を張るので、それが由来となって「水張り月」と言われ、これが「みなづき」と呼ばれるようになったという説ですね。
田植えを皆で終えた「皆尽月」説
田植えというのはものすごく労力がかかるため、みんなで力を合わせて行った一仕事だという事から「皆で尽くした月」
これが由来で「皆尽月(みなづき)」と言われていたという説ですね
文字通り「水無月」となった説
旧暦の6月は新暦で言うと、6月下旬~8月上旬ごろを指すと考えられています。
すでに梅雨の終わった時期で、「水の無い月」と連想させることから、そのまま「水無月」という字があてられるようになったという説です。
梅雨が短くなる願いを込めた「水無月」説
梅雨の長雨が続くと、川の増水などで水害が多かったことから、出来るだけ梅雨が短くなるように、という願いを込めて「水無月」と書くようになったという説です。
これは言霊信仰だと言われています。
このように、6月の月に「水無月」という漢字が付いたのにはいくつかの説があります。
今回紹介した説のどれかが由来とは言われていますが、一番最初に紹介した田に水を引く月という意味の「水の月」説がしっくりときますね。
あとがき
今回は夏の始まりを告げる時期でもある水無月(みなづき)の読み方や意味、由来について見てきましたがいかがでしたか。
水無月は、特に水が無いからという月ではなく、当時の農作業の様子を表したものだったのですね。
6月は梅雨の時期ですが、本州の梅雨入りはおおよそ6月上旬で、梅雨明けは7月中旬~下旬あたりになります。
約1ヶ月~1ヶ月半ぐらいはうっとおしい雨模様が続きますが、例年おおよその時期は決まっていますね。
関連ページ>>平年の梅雨入りと今年の予想の日付は?
>>平年の梅雨明けと今年の予想の日付は?
そこから
また、6月はこれからの暑い季節に向けて、
- 向夏
- 初夏のみぎり~
- 梅雨明けを迎え~
なんていう季節の言葉や時候の挨拶もあり、こういった言葉も趣があって面白いです。
他にも季節によって、さまざまな「時候の挨拶」や「季節の言葉」があったりします。
お手紙を出す際など、手紙の書き出しや結びの言葉に迷ったら、ぜひこちらのページも参考にして楽しい手紙づくりのアクセントに使ってみて下さい。
関連ページ>>時候の挨拶「6月」上旬・中旬・下旬で使える例文と手紙の形とは?