もう秋がやってきてることを実感できる10月。
食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋など、何を始めるにもやりやすい季節ですし、体育の日には秋祭りが行われたりして賑やかですよね。
また、最近ではすっかり定着したハロウィンもこの10月の終わりにあって、様々なイベントが開催されています。
その10月はまたの名が
神無月
このように呼ばれます。
では、この神無月という異称はどのような読み方をするのか?
また、その意味や由来にはどのようなことが含まれているのか?
そんな「神無月」についてまとめました。
神無月とは何月でどんな読み方をするの?
10月のことを別の呼び方で、
神無月(かんなづき)
このような読み方をします。
ちなみに、英語での10月の月名は
です。
「神無月」は旧暦のころの読み方ですが、お笑い芸人でモノマネを得意とする「神無月」さんといった方もいますよね。
10月は神無月(かんなづき)と言いますが、他の月にもそれぞれの異称があります。
各月の異称と読み方
1月:睦月(むつき)
2月:如月(きさらぎ)
3月:弥生(やよい)
4月:卯月(うづき)
5月:皐月(さつき)
6月:水無月(みなづき)
7月:文月(ふみづき)
8月:葉月(はづき)
9月:長月(ながつき)
10月:神無月(かんなづき)
11月:霜月(しもづき)
12月:師走(しわす)
それぞれ何月かについても、その意味や由来についてまとめているので、興味のある方はご覧になって下さいね。
では、この神無月というのはいったいどんな意味や由来があるのか?
そのことについてまとめると、実は神無月という言葉にはさまざまな説があることもわかってきました。
神無月の意味って何なの?
この神無月(かんなづき)というのが、10月を意味していることはここまでの流れでわかりますね。
国語辞典を開くと、神無月というのは
- 陰暦十月の称
- 俗説には、全国の神々が出雲大社に集まり諸国が「神無しになる月」という意味を表している。
このように記されています。
この10月は神無月の他にも色々な呼び方があって、
- 神在月(かみありづき)
- 神去月(かみさりづき)
- 亥の月(いのつき)
- 吉月(きつげつ)
- 雷無月(かみなかりづき)
- 建亥月(けんがいげつ)
- 小春月(こはるづき)
- 時雨月(しぐれづき)
- 元冬(がんとう)
- 上冬(じょうとう)
- 盈春(えいしゅん)
- 大月(たいげつ)
- 小六月(ころくがつ)
- 初霜月(はつしもつき)
- 開冬(かいとう)
- 凍月(とうげつ)
- 陽月(かみなづき)
- 神の月(かみのつき)
- 始冬(しとう)
- 良月(りょうげつ)
- 正陰月(せいいんづき)
- 鎮祭月(ちんさいげつ)
- 名残月(なごりづき)
他にもまだあるようですね。
この10月の異称の中でも「神無月」と呼ばれることが一般的です。
そして、10月が神無月という漢字
「神」「無」「月」
という字があてられたのには様々な説があります。
その説の中で、10月は日本中の神様が出雲の国(島根県)の出雲大社に集まって会議を開くため、
ということから、
このようにして10月は神無月になったと言うのが有力な説ですよね。
日本中の神様が出雲の国に行ってしまったので、神様はいなくなりますが、出雲の国には神様が勢揃いしているため、島根県では10月のことを
と呼んでいますね。
これが広く一般的にも、神無月の由来として説明されています。
この神様の会議は、旧暦の10月11日~17日まで出雲大社で行われ、その後、佐太神社(島根県松江市)に移動して26日まで会議の続きを行うと言われています。
ですので、この期間には出雲大社と佐太神社で「神在祭」が行われているのですね。
この時期を今になおすと、だいたい11月中旬になりますね。
ちなみに2016年では11月10日~16日の間で行われました。(神迎祭は9日かから行われていますね。)
ただ、これはいくつかある意味のうちの一つです。
実は他にもいくつかの由来があるのです。
次は、その他の由来についても触れていきましょう。
神無月の由来には他にどんなことがあったの?
先ほどの神無月の由来や意味以外にも、いくつか言われている説があります。
上で見てもらった説は、
これを紹介させてもらったものなんですね。
実はこの他にも、
- 「な」は本来「の」の意味で「神の月(神を祭る月)」説
- 新穀で新酒を醸(かも)す月という意味の「醸成月(かみなしづき)」説
- 雷の鳴らない月という意味の「雷無月(かみなしづき)」説
- 数字は1~10でなっているので「10から上の数字はない」つまり上が無い月という意味の「上無月」説
- 新嘗(にいなめ)の準備をする月という意味の「神嘗月(かんなめづき)」説
このような説があると考えられています。
神様を祭る月の「神の月」説
神無月の「な(無)」は本来「の」の意味で、連体助詞の役目を担っています。
つまり神無月は「神の月」と呼ばれるのですね。
これは6月の水無月の時にも紹介したことと一緒です。
水無月も、
このように変化したというのが有力です。
関連ページ>>水無月とは何月でどんな読み方なの?その意味や由来は?時候の挨拶
そして、実は最初にお話しした、
こちらについて説明しましたが、
本来はこの「神の月」が由来だという方が有力視されています。
でも、「神様がいない月」説があまりにも広がりすぎてしまったため、そちらの方が有名になってしまったんですね。
新酒を醸(かも)す月の「醸成月(かもなしつき)」説
新米が出来上がると、それを原料に新酒を醸す時期だったとされており、これが由来となって、
と呼ばれ、これが変化して「神無月」となったのではないか、と言われている説ですね。
今では10月1日は「日本酒の日」となっているようです。
「酒」の字の元には、十二支の「酉」が元になっていると言われています。
そして、十二支の「酉」は10番目にあたることから、昭和53年に日本酒業界で決められたそうですね。
雷の鳴らない月の「雷無月(かみなしづき)」説
雷の発生ピークは7~9月ごろだと言われています。
10月あたりになるとぱったりと雷が鳴らなくなるようですね。
そのことからこの時期は「雷無月(かみなしづき)」と呼ばれ、それが変化したというように言われていますね。
*ただし、北陸、金沢気象台では、夏より冬場の方が多く雷が発生しているようです・・・。
10から上の数字はない月の「上無月」説
私たちが使っている数字は10進法ですよね。
この「10」で折り返して数えるようになっていますよね。
そのことから「10」から上の数字はないという考えから、10月は「上の無い月」と言われ、
というように変化していったと言われています。
これは、11月の「霜月」の際にも似たような説があって、これと反対に、「11」は初めの数字に戻ってきたので、
このように呼ばれ、これが変化し霜月になったと言われています。
関連ページ新嘗の準備の月の「神嘗月(かんなめづき)」説
今でも11月23日の勤労感謝の日には、「新嘗祭」という五穀の収穫を祝う大切な行事があります。
今も毎年天皇がその年の新穀を神殿に供え、その恵みに感謝し自らも食す儀式で、宮中行事の中でも重要な儀式だとされていますね。
関連ページ>>勤労感謝の日の意味や由来とは?その元となった新嘗祭とは?
旧暦の10月は、今でいうところの10月下旬~12月上旬あたりのことを指しているので、ちょうどこの時期にあたります。
- 「新」:新穀
- 「嘗」:ご馳走
こういった意味があり、10月はこの新嘗の準備をする時期でもあったことから、「神嘗月(かんなめづき)」と呼ばれていたようです。
これが訛って「神無月」へと変化したと言われています。
このように、10月の月に「神無月」という漢字が付いたのにはたくさんの説があります。
じつは、他にもまだ説はありますし、実際に今回紹介したことのどれが本来の由来なのかもわかっていませんが、一番最初に紹介した「神様がいない月」というのが面白いですよね。
あとがき
今回はたくさんの説があった10月の神無月(かんなづき)の読み方や意味、由来について見てきましたがいかがでしたか。
10月を「神様がいない月」という説が広まったのは、中世以降に出雲大社の御師が全国に広めた事がキッカケだと言われています。
この頃には初めの有力な説の
として、神無月と呼ばれていたのですが、この漢字の表記を見て、
「神無月」って書いてるから、これは神様がいなくなる月のことなんだ・・・。
日本中の神様が出雲大社に集まるからいなくなるワケなんだ。
こんなふうに考えちゃったわけで、これが広がったためこの説がかなり有名になったという流れがあるようですね。
他にもいろんなところで諸説あるので、実際のところよくわかっていないことも多いようです。
そんな、10月は秋の便りを感じるころでもあり、過ごしやすい季節ですよね。
- 仲秋の折
- 紅葉の便りが~
- 寒露
なんていう季節の言葉や時候の挨拶もあり、こういった言葉も趣があって面白いです。
他にも季節によって、さまざまな「時候の挨拶」や「季節の言葉」があったりします。
お手紙を出す際など、手紙の書き出しや結びの言葉に迷ったら、ぜひこちらのページも参考にして楽しい手紙づくりのアクセントに使ってみて下さい。
関連ページ>>時候の挨拶「10月」上旬・中旬・下旬で使える例文と手紙の形とは?