大相撲の楽しみ方の一つに、
『番付』
というものがありますよね。
相撲はこの番付の順番1つで、力士の待遇がものすごく変わってくる世界なんです。
やっぱり横綱や大関ともなると、なんとなくでもその待遇はものすごいということはわかると思います。
大相撲の醍醐味でもある番付は、前頭や十両、幕下など階級が違うとどのように変わるのか?
そんな相撲の番付の順位の一覧や見方などについてまとめました。
相撲の番付の順番ってどうなってるの?
この相撲の番付の順番というのが、いまいちよくわからないという人も多いと思います。
一番トップの階級が横綱、その次が大関というのはわかるけど、そこから下はよくわからないという人も多いですよね。
そこでまずは、この相撲界で大切な番付を一目でわかるよう一覧にしたので、まずはこちらを見てください。
相撲番付の一覧をチェック
このように相撲の世界では、横綱を頂点にして、
- 横綱
- 大関
- 関脇
- 小結
- 前頭
ここまでを幕内(まくうち)と呼び、その定員は42名以内というように決まっているんですね。(*2017年時)
なんていうようにテレビでもよく紹介されることがありますが、これはそういう意味だったんですね。
だから相撲の取組も、この幕内である前頭の取組前後からお客さんが増えることが多いです。
それまでの序ノ口とか序二段の取組から見る、というような熱心な方は少ないと思います。
というのも、下の番付の取組って朝の8時30分くらいから始まるので、かなり早いんですよね。
そこから、最後の取組が終わるのが午後6時とかになるんで、かなり長い時間行われているんです。
相撲の取組以外でも、結構いろんなことが行われているのがわかりますよ。
相撲番付のいろんな呼び方や順位の区切り
さて、このように相撲には番付によって順位が決められているので、いわゆる「ランキング」といった方がわかりやすいかもしれません。
そんな相撲番付には、それぞれにいろんな呼び方や区切りがあって、何が何だかわからないといった人も多いと思います。
そこで、よく耳にする言葉で、ちょっとややこしいなって思う読み方や区切りについてまとめてみました。
平幕(ひらまく)ってなに?
幕内力士という呼び方の他にも
こんな呼び方を聞いた人も多いと思いますが、これは小結以上と区別をするために前頭のことを平幕(ひらまく)ということもあります。
十枚目(じゅうまいめ)ってなに?
これは十両のことです。
いまでは十両という呼び方のほうが浸透していますよね。
でも、十両のことは正式には「十枚目(じゅうまいめ)」と呼ぶのですね。
幕下の上位10枚目以内の力士に、場所毎に給与が支給されたことから十枚目と呼ぶようになったそうです。
これって元々は十枚目だったのですが、番付の順位を読むときに
- 前頭筆頭
- 前頭十二枚目
などと読むように、
- 十枚目筆頭(十両筆頭のこと)
- 十枚目十二枚目(十両十二枚目のこと)
なんて読むとややこしいですよね。
これを当時の年俸が「十両」であったことから、十両というように読むことにし、いまではこの名称で呼ばれることが一般的になったのです。
だから、場内アナウンスとか日本相撲協会の公式サイトとかでも、十両と書かれているのでこれで覚えておけばいいと思います。
三役(さんやく)ってなに?
よく聞くひともいると思います、横綱の次に並ぶ地位の
- 大関
- 関脇
- 小結
この番付にいる力士を三役と呼んでいます。
ただ、大関を外した関脇と小結のことを三役と呼ぶ場合もあります。
関取(せきとり)ってなに?
さて、この関取(せきとり)という言葉もよく聞きますよね。
- お相撲さんって全員関取じゃないの?
- 力士のことを関取っていうんじゃないの?
このように思っている人は多いのではないでしょうか。
でも実は、関取というのは
- 横綱
- 大関
- 関脇
- 小結
- 前頭
- 十両
ここまでの番付の力士を「関取」と言います。
よく、ニュースとかインタビューでも、
なんていう呼び方をよく耳にしますが、これって十両より下の「幕下」から下の番付は関取じゃないんです。
いわゆる『力士養成員』といったような扱いで、関取ではないんです。
このへんにちょっと違和感を感じてしまう人もいるかもしれませんね。
相撲の番付の仕組みって?
この番付による順位ですが、前頭や十両などには
といったように、ここでも順位が細かく分けられています。
例えば、
- 東前頭3枚目
- 西十両筆頭
このような番付が、相撲中継を見ていても目につくと思います。
まず、知っておきたいのは
ではないでしょうか。
東と西で分かれているのですが、これって以前は「東西対抗の団体戦」がされていた名残として残っているものだとされています。
東西制をとっていたときには、優勝したほうに強い力士が多くなってバランスが悪くなったり、多くの力士が抜けてしまって対抗戦ができなくなったりしたのですね。
そんなこんなでうまく機能しなかったため、今のように部屋別での総当たり制になって、この東西制は廃止されました。
だから今の東や西といった表記に、当時ほどの意味はないとされています。
2017年の3月場所(大阪場所)の取組を見てみると、横綱の稀勢の里は茨城県出身で田子ノ浦部屋(東京都江戸川区)なのに、番付は「西」になっています。
出身地とかの分け方じゃないんですね。
また、同部屋でも西と東に分かれることもあるので、これはそこまで気にしなくてもいいと思います。
ただ、両力士とも同じ番付であれば、東方のほうが半枚上とされています。
相撲番付の「~枚目」って何?
これもよく目にしますが、
- 前頭3枚目
- 十両5枚目
- 幕下10枚目
などなど、「~枚目」という呼び方でアナウンスされたり表示されたりしていますよね。
これっていうのは、いわゆる番付の順位付けです。
同じ前頭の中でも、1位や2位、3位といったようにランクがあるんですね。
横綱や大関、関脇や小結にもあると言えばありますが、省略されていることが多いですね。
例えば、2017年1月場所を終えて横綱になった稀勢の里は、3月場所では「西2枚目横綱」となっています。
その順番は前頭を例にとると、
- 前頭筆頭(一枚目)
- 前頭二枚目
- 前頭三枚目
といったように順番に続いていきます。
同じ前頭でも筆頭と十枚目ではやはり格が違いますので、この順位を少しでも上げていかないといけないわけです。
それで先ほどちょっと触れたのですが、
このようになっています。
*平成16年に幕内の定員を40名から42名以内、十両を26名から28名以内に改正
幕内力士というのが「横綱、大関、関脇、小結、前頭」なのですが、その年によっては横綱が1人だったり、3人だったりと、ちょっと変わってきますよね。
だから横綱がいない時代だってあるわけなんです。
そうなると、その定員の割合もちょっと変わってきたりするのですが、42名以内というのは決まっているので、前頭の人数で調整されることになります。
ですので、前頭はだいたい十三~十七枚目くらいの間でしょうか。
- 大関:2名
- 関脇:2名
- 小結:2名
これは東西一人ずつ最低限いなくてはいけません。(*横綱は不在でも構わない)
だから最大でも36名まで前頭がいることになります。この時は十八枚目までありますね。
*大関が1人またはゼロになってしまうこともあり得ますが、その場合は「横綱大関」といって、横綱が大関の地位を兼任することになります。
それでも足りない場合は、関脇から昇進する可能性も高くなります。
相撲番付の十両や幕下は?
一方で十両や幕下はかなりの人数がいます。
- 十両は28人いるので、東西で分けて十四枚目まで。
- 幕下は120人いるので、東西で分けて六十枚目まで。
- 三段目は何と200人いるので、東西で分けて百枚目まであります。
序二段や序ノ口には人数制限がないので、これも結構な人数がいます。
前相撲(まえずもう)って何?
あまり聞かないかもしれませんが、
といって、新弟子検査に合格した者や病気やケガで番付から外れてしまった力士が本場所で取る相撲のことを言います。
前相撲は番付には記載されていないので、「前相撲(まえずもう)」というように呼ばれているのですね。
相撲の番付で階級が違うと何が変わる?
相撲と言ったら取組も大事ですが、それは自分の番付を一つでも上げるために勝負をされています。
相撲の番付というのは、いわゆる「ランキング」といった方がわかりやすいかもしれません。
相撲番付の頂点は、当然「横綱」ですよね。
それに続いて大関、関脇となっていくわけですが、1つの場所でどのくらい勝利できるかで、次の場所の番付も変わってきます。
当然、勝ちが多くなると番付も上がっていき待遇も変わってきますが、逆に負けが多くなると番付も落ちていきます。
横綱になる条件や優勝回数の多い力士、また横綱の気になる月収、年収など別の記事で詳しくまとめているので、興味のある方はぜひご覧になって下さい!
関連ページ
この相撲の世界では
「番付社会」
このように呼ばれるほど番付は重要で、衣食住も給料もあらゆるところで変わってきます。
上でも見てもらったように、十両よりも下の番付になると、力士養成員といったような扱いで関取ではないというお話もしました。
だから、最も大きく違うのは、この
これが一番でかいと思います。
何が違うのかというと、
実は、十両になると給料が支給されるようになり、その月給は100万円以上にもなるとされています。
でも、幕下は給料が支給されないんで、場所手当(15万円)や奨励金とかだけなんです。
また、部屋でも個室が与えられたり、
などなど、急にここから待遇が変わってくるのです。
また、十両の土俵入りは午後2:15ごろですが、序ノ口や序二段など下位の番付力士は朝早くから取組が行われます。
関連ページ
まあ、他にも色々なところで待遇が変わってくるので、力士も一つでも番付を上げようと必死なわけです。
とくに、この給料の差はとてつもなくでかいです!
驚くほど違うので、一度ご覧になってその差を実感してください。
力士の階級
十両と幕下では天国と地獄と呼ばれるくらいの差がありますが、他のところでもやっぱりいろいろと差は出てきます。
ここまでいろいろとお話してきましたが、それらを一回表にしてまとめたいと思います。
区分 | 番付 | 定員 | |||
関 取 |
幕 内 |
横綱 | 不在可 | 42名 | |
三役 | 大関 | 最少2名 | |||
関脇 | 最少2名 | ||||
小結 | 最少2名 | ||||
前頭 (平幕) |
最大36名 | ||||
十両(十枚目) | 28名 | ||||
力 士 養 成 員 |
幕下 | 120名 | |||
三段目 | 200名 | ||||
序二段 | なし | ||||
序ノ口 | |||||
前相撲 |
*2017年時の定員
*平成16年に幕内の定員を40名から42名以内、十両を26名から28名以内に改正
だいたいこのような感じでしょうか。
また、大関や関脇、小結といった三役になると引退したときも、
「元三役」なのか「元平幕」なのか。
これもまた変わってくるようです。
やっぱり上位の番付になるには厳しい世界なんですね。
あとがき
相撲の番付の順番とはいったいどんな仕組みになっているのうか。
また、その前頭や十両など階級が違うとどう変わるのか、そんな相撲の番付表の順位の一覧や見方などについてまとめましたがいかがでしたか。
なんとなくは番付について知っていたけど、ここまでしっかり見るといろんなところで差があるんだなって痛感しますよね。
この相撲の世界では、
番付が一枚違えば家来同然、一段違えば虫けら同然。
こんな言葉が古くからあるくらいです。
また、こういった相撲の番付の呼び方には、いろんな呼び方があってややこしいと感じた方も多いと思います。
でも一つ一つ見ていくと、結構わかるものだと思いますし意味が分かると面白いですよね。
相撲観戦の魅力の一つでもある番付の順位や仕組みがわかると、また一つ違った楽しみ方ができるので、これで次の場所の番付予想やひいき力士の応援にも熱が入るのではないでしょうか。
番付が上がったり下がったりすることも確認しながら、相撲を楽しんでくださいね。
他にも、相撲にはたくさんの魅力が詰まっています!
そんな大相撲の伝統作法や取組の見どころ、観戦の仕方などをこちらでまとめています。
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