相撲の世界では、トップの力士たちに「付き人(付け人)」という人たちがお供につきます。
十両以上の力士になると付き人が付きますが、
- 十両で2~3人
- 幕内で3~4人
- 横綱で8~10人
このような大勢の人が一人の力士について回ります。
この付き人たちは、いったいどんな仕事をされているのでしょうか?
また、部屋の師匠である親方やおかみさんなどは、どんな役目を担っているのでしょうか?
今回は、普段はあまり見えない、裏で活躍されている人たちに注目しました。
相撲での付き人はどんな仕事をしているの?
相撲の世界では、トップ力士の身の回りをする付き人が存在します。
この付き人は、十両以上の力士になると付きますが、
- 十両で2~3人
- 幕内で3~4人
- 横綱で8~10人
このような大勢の人が一人の力士について回ります。
トップ力士たちは、この付き人がいるからこそ取組に集中ができるし、また、付き人は、トップの力士の下につくことで相撲界のしきたりや礼儀、そして相撲の取組について学ぶことができます。
うまいことなっていますよね。
この付き人の仕事は、主に関取の雑用のような仕事も多くあります。
明け荷と呼ばれる締込や座布団などが入った荷物を運んだり、廻しのつけ外しやテーピング、体のマッサージなどを行います。
他にも、
- お風呂で関取の体を洗う
- 部屋の掃除
- 廻しなど衣服の洗濯
- ちゃんこ番(料理)
取組の始まりや終わりのときには、関取の誘導する姿や座布団を持っている姿もよく目にしますね。
こうやって大変な仕事をこなしながら、関取の取組を見て勉強したりするわけなんですね。
また、横綱の付き人ともなると8~10人ほどもつくことになるので、土俵入りの際の綱締めがあったりします。
こうなると人が足りない部屋も出てくるので、同じ一門の他の部屋から人を借りることもあるのだとか。
付き人の一日
付き人は主に「番付の下の力士」が務めます。
幕下力士くらいまでが関取の付き人になることがほとんどで、この付き人も関取のお世話をしながらも、自分の稽古をしなくてはいけません。
ただ、序ノ口~幕下までの力士は午前5時ごろに起きて、午前6時ごろから稽古に入ります。
そして稽古が終わるのが午前10~11時ごろになり、そこから「ちゃんこ(昼ごはん)」となりますが、朝ご飯は食べずに1日2食となることが多いようです。
このちゃんこも、付き人は関取が食べ終わってからになります。
また、付き人の中にも序列があって、幕下と序ノ口では違いますよね。
当然幕下から食事をはじめ、下の番付になると食事になるのは午後2時とかになることもあるようです。
関取は食事が終わると体を大きくするためもあり、昼寝の時間に入ります。
一方の付き人ですが、関取のマッサージや部屋の片づけ、掃除などをしていると昼寝もできない人も多いようです。
このマッサージもうまくないと怒られることも多く、付き人たちは日々練習しているのでプロ並みの腕前になる人もいるのだとか。
この付き人の中でも番付は大きく関係してくるので、こうやって下積みを重ねながら早く昇進するために頑張らないといけないのですね。
相撲での親方はどんな仕事をしているの?
相撲の世界では、親方の存在はとても大きなものがあります。
将来の横綱を目指す力士を育て上げるためにも、親方の指導は必要ですよね。
そんな親方は、現役を引退し相撲部屋で指導していることの人を指すのですが、厳密に言うとちょっと違います。
現役を引退した力士で、日本国籍を持ち、三役以上を1場所以上務めるか、幕内通算20場所以上、または幕内・十両を通算28場所以上務めたものが
「年寄名跡(としよりみょうせき)」
という資格のようなものを得て「年寄」となります。(*2017年時)
相撲部屋継承予定者の場合は、幕内通算12場所以上か、幕内・十両通算20場所以上。
この年寄りのことを通常は「親方」と呼びます。
親方の中でも、部屋を持って指導している人は「師匠」とも呼ばれますね。
基本的には弟子の稽古や指導など育成がメインですが、生活面での規律なども指導します。
親方の中にも「部屋持ち」と「部屋付き」がいます。
師匠として弟子を育て、部屋を経営しているのが「部屋持ち親方」です。
一方で自らの部屋を持たずに、所属する部屋で師匠のサポートをする役目が「部屋付き親方」です。
親方の仕事
また、親方の仕事は他にもいろんなことを行っています。
部屋を持っていると言っても、やはりそこは経営をしているという感覚です。
力士の育成には食費や光熱費などもかかりますし、いろんな面で出費はかさみます。
部屋によっては、ファンクラブを作っているところなんかもありますよね。
そういった経営面でもしっかりと支えていかないといけません。
また、新人のスカウトのためにアマチュア大会に出向いたり、協会の仕事を行ったりなどやることは多岐にわたるようですね。
相撲でのおかみさんはどんな仕事をしているの?
相撲の世界で新弟子たちにとってはお母さんともいえる、「おかみさん」の存在があります。
基本的には師匠の夫人がおかみさんと呼ばれますが、おかみさんは力士たちの衣食住や怪我の面倒を見たりすることが多くなっているようです。
また、生活面での悩み相談や心のケアも、おかみさんの役割としては大きいのではないでしょうか。
そして、部屋での仕事以外にも、後援者への挨拶があったり、その他連絡事項や祝賀会の打ち合わせや準備など、陰でいろいろな準備やケアをしてくれる存在です。
おかみさんのいろんな話を見ていると、部屋付き親方のおかみさんというのはとてつもなく忙しいようですね。
でも、その分力士たちがどんどん昇進していく姿を見ると、わが子のように嬉しく思うということもあり、家族同然のような人との繋がりができる事は素晴らしいですね。
あとがき
相撲での付き人はどんな仕事をされているのか。
また、親方やおかみさんの役目はどのようになっているのか。
普段はあまり見えない、裏で活躍されてる人たちに注目しましたがいかがでしたか。
相撲の世界では付き人や親方、おかみさんなど、表では活躍が見えない人たちのおかげで、私たちに面白い取組を見せてくれる力士がいるのですね。
また、他にも呼出や行事など、こちらもいなくてはならない存在として活躍されています。
そんな裏方のお仕事については、こちらの記事で詳しくまとめているので、興味のある方はぜひご覧になって下さい。
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