大相撲

行司の衣装が変わるのはなぜ?軍配や差し違えの意味は?

2017年4月1日

行司 衣装

 

相撲と言えば主役は力士ですが、相撲の魅力は他にもたくさんありますよね。

そんな相撲の魅力の一つと言えば、行司の存在ではないでしょうか。

 

土俵上で取組をさばく仕事がメインですが、力士以上に目立つ衣装も目に移りますよね。

また、行司が持つ軍配はとても印象的で、「軍配が上がる」「差し違える」といったような言葉は、日常でも使われるほど浸透しています。

そんな相撲の裏方である行司について、あの豪華絢爛な衣装も人によって違うのはどうしてなのか?

行司にまつわる言葉の意味など、主役の力士から視点を変えた行司のお仕事についてまとめました

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行司によって衣装が変わるのはどうして?

テレビ中継を見ていると、立ち合いの時間がいっぱいになるまでは行司は真ん中にいるのでとても目立ちますよね。

そんな行事を見ていると、取組が行われるたびに頻繁に変わることが目につきます。

交代したときに衣装も大きく変わった行司が出てきて、とても色鮮やかで豪華絢爛な衣装をまとっていますよね。

実は、この行司の衣装はそれぞれ人によって違います。

 

それは、力士の番付のように、行司の世界にもランクがあるからなんです。

 

行司のランク付け

行司にも番付のようにランク分けがされているのですが、それは次のようになっています。

  • 立行司
  • 三役行司
  • 幕内行司
  • 十枚目行司
  • 幕下行司
  • 三段目行司
  • 序二段行司
  • 序ノ口行司

 

相撲の番付のランクとほぼ同じですが、これは呼出でも同じようにランク付けがされています

関連ページ

>>相撲の呼出の仕事って?なるにはどうする?

 

実はこの行司には、木村や式守といった「行司名」が付きます。

その中でも一番有名なのが、一番頂点の立行司の

  • 木村庄之助
  • 式守伊之助

同じ立行司の中でも木村庄之助のほうがランクが上になっています。

呼出にはこういった名前はありませんね。

 

行司のランクに関係なく同じなのは、衣装のスタイルで

直垂(ひれたれ)と烏帽子(えぼし)

直垂は、あの着物のことですね。
烏帽子は、頭の上の帽子のようなものです。

違いはその色や装飾などによって格付けされています。

 

そして、その直垂の首のところについている紐を房にした丸い飾りを「菊綴(きくとじ)」と言います。

この色でランクが変わります。

  • 立行司、木村庄之助は総紫
  • 立行司、式守伊之助はに白

というように、他の行事もランク分けされていて、

  • 三役行司:朱色
  • 幕内行司:紅色
  • 十枚目行司:青白
  • 幕下行司以下は青か黒

このように色によって違いがあるのですね。

 

紫色というのは格式が高く、聖徳太子の定めた「冠位十二階」では、最高の位である「大徳・小徳」の冠も紫だったと言われています。(諸説あります。)

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行司の持ち物

相撲22-01

行司の衣装の色はこのようにランク付けで変わるものですが、持ち物でも違いがわかれます。

 

最高位の立行司は腰に短刀をさし、印籠を持っています。

三役行司は印籠だけで、それ以下になると短刀も印籠も持ちません。

また、立行司と三役行司には白足袋に草履

幕内、十両行司には白足袋

それ以下は裸足です。

 

同じ行事でも、そのランクによってこれだけ衣装が変わってくるのですね。

 

直垂(着物)の色は自由となっているようですが、所属部屋の後援会やタニマチ、横綱や大関昇進時に親方から寄贈されるといったことも多いようです。

 

まあ、行司が自分で用意しようとなったら、いくらかかるかわからないですものね。

 

行司が持つ軍配や差し違えの意味は?

行司と言えば代名詞なのが軍配

軍配がないと行司の仕事は務まりませんよね。

 

そんな軍配という言葉を使って、

  • 軍配を上げる
  • 軍配を返す
  • 軍配をひく

 

などなど、私たちの日常の中でも使われる言葉もあるくらいです。

そんな行事が持つ軍配にまつわる言葉は、相撲中継の中でもアナウンサーの言葉にもよく出てくるのでちょっと触れておきましょう。

 

軍配を上げる

勝った力士に軍配を向ける

軍配を返す

時間いっぱいで仕切りに入る際、手首を立てて握っていた軍配を自分の体のほうに寄せるように構えることです。

軍配の裏側が見えるのでこのように言われるわけですね。

軍配をひく

両方の力士の立ち合いが始まった瞬間に、軍配を手前に引き寄せることを言います。

 

このように、土俵上で取組の進行を行う上で軍配が必要になるわけですね。

 

行司の差し違えって何?

行司の差し違えというのは、軍配を差し違える、つまり勝敗を間違って判定してしまうことを言います。

 

行司の最高位である立行司は、腰に短刀をさしていますが、これは、

差し違えをしたら切腹するくらいの覚悟があります。

という、昔からのしきたりによるものです。

 

この差し違えは行司がやってはいけないことの一つとなっているので、この失敗が多かったりすると、降格処分が下されたりする場合もあるようです。

 

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行司ってどんな仕事をしてるの?

行司は取組の勝敗を裁くことが大きな役目ですが、実はそれ以外にもたくさんの仕事を請け負っています。

 

例えば、場内アナウンスですが、実はあれって行司が行っているんです。

勝負結果の決まり手の発表で、

「ただいまの決まり手は、上手投げ、上手投げで○○の勝ち」

こういったアナウンスをはじめ、懸賞金の企業の紹介などがあります。

着物を着ておらず洋服でコールしているので、なかなか気づきにくいですよね。

 

他にも相撲字による番付書きや、番付編成会議の書記なども務めます。

そして、千秋楽の神送りの儀式の神様役や、土俵祭りの祭主、巡業での移動手段の手配や雑務など色んな仕事をこなしているようですね。

 

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あとがき

行司の衣装が変わるのはどうしてなのか。

また、軍配や差し違えなどはいったいどういう意味なのか、まとめましたがいかがでしたでしょうか。

行司といっても、ただ軍配を持って取組の勝負をさばいているだけでなく、他の見えないところでもいろんなことをされていたんですね。

行司の人も取組の際には集中しておかないと、どっちが勝ったかキチンと判断しないといけません。

 

また、力士に巻き込まれて土俵の外に吹っ飛ばされるなんてこともよくあり、負傷される行司の方も結構多いですよね。

 

でも、行司の人ってすごい軽やかなフットワークですよね。

年配の行司もササッと足をさばいて、取組がスムーズに行えるように動いています。

 

普段からこういった練習や、この取組の流れだとこっちに来そうだとか、色々感じながらされているんでしょうね。

他にも、相撲にはたくさんの魅力が詰まっています!

そんな大相撲の伝統作法や取組の見どころ、観戦の仕方などをこちらでまとめています。

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