横綱になるのはどんな条件が必要なのか?
大相撲の醍醐味の一つと言えば番付ですよね。
番付が一つ違うだけでその待遇も大きく変わってくるだけに、力士の取組にも熱が入ります。
そんな番付の頂点に立つのが
横綱
実は、横綱の記録がある江戸時代から2017年時の横綱稀勢の里誕生まで、その横綱の数を数えてもたった72人しかいません。
それだけなるのが難しいとされる横綱には、どんな条件が必要なのでしょうか?
また、ほかにも横綱に関して色んな疑問ってありますよね。
- その横綱の人数は何人必要なのか?
- 不在でもいいのか?
- 横綱に昇進して、負け越したら降格はあるのか?
- 過去に横綱は最大で何人いたのか?
など、大相撲の横綱という地位についてまとめてみました。
横綱になるにはどんな条件が必要なの?
江戸時代から数えて、2017年の横綱稀勢の里誕生までたった72人しかいない横綱。
そんな横綱になる条件には何が必要なのか、気になるところです。
その横綱昇進は、
ココがポイントです。
では、その具体的な横綱の条件をまとめました。
横綱昇進基準や条件
- 大関で2場所連続優勝する。
- もしくは、これに準ずる成績を残す。
- かつ品格や力量が抜群と評される。
必ずしも優勝をしないといけないことはなく、優勝決定戦に出て準優勝だったとかも
という項目に当てはまりますね。
わかりやすいのは、最近だと横綱鶴竜のケースでしょうか。
2014年1月場所に13勝1敗の成績で千秋楽に臨み、14戦全勝の白鵬との直接対決して勝利し、14勝1敗で並びました。
優勝決定戦で敗れ準優勝となりましたが、次の3月場所で14勝1敗で優勝。
これによって横綱に昇進となりました。
このような成績が収められると、本場所の千秋楽で審判部から理事長に臨時理事会の開催が要請されます。
そして、協会側から横綱審議委員会(協会外の有識者15名)に審議してもらい、賛成を得れば横綱への昇進が決定します。
以前の横綱昇進基準や条件
第63代の横綱旭富士が昇進したときまでは、横綱の条件は
このようになっていたんですね。
でも、一度も優勝せず横綱に昇進した第60代横綱双羽黒が、部屋で問題を起こして廃業(引退)したことで、厳しくなったとされています。
それによって、今のような横綱昇進の条件が生まれました。
横綱に求められる品格
横綱には「横綱推挙状」と呼ばれるものが与えられ、
このように書かれています。
横綱という地位は相撲界ではもちろん、社会に与える影響も大きいので品格も重視されることとなったのですね。
そして、私たちもよくニュースなどで目にする「伝達式」と呼ばれる儀式が行われます。
四文字熟語を盛り込んだりする口上をよく耳にしますね。
白鵬:「横綱の地位を汚さぬよう、精神一到を貫き、相撲道に精進いたします」
日馬富士:「横綱の自覚を持って、全身全霊で相撲道に精進します」
鶴竜:「これから、より一層稽古に精進し、横綱の名を汚さぬよう、一生懸命努力します」
稀勢の里:「横綱の名に恥じぬよう精進いたします」
このような言葉で伝達式での口上が述べられました。
横綱の人数は何人か制限ってあるの?
横綱になるには特に人数制限が設けられているわけではありません。
だから1つの時代に5人でも10人でも昇進できるわけですが、でも実際に先ほどの条件を考えると
「大関で2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績」
こういった条件が必要になるわけです。
横綱が何人も出現しようと思ったら、
- 横綱が次々にケガで休場
- その間に大関が優勝しまくって横綱に。
- またその横綱もケガで休場
- その間に別の大関が勝ちまくって横綱に。
こんなくり返しがないと、一つの時代に横綱が何人も昇進しません。
まあ、あり得ないですよね。
だから、これまでの1時代での横綱の人数は、4人が最高人数となっています。
でも、そんな簡単に横綱になれるわけではないので、歴史を見ても4人横綱がいるというのは多い時代になります。
近いところで言うと、
- 曙
- 貴乃花
- 若乃花
- 武蔵丸
この4横綱時代を知る人も多いでしょうし、そして2017年に約20年ぶりに誕生した日本人横綱の稀勢の里を加えた、
- 白鵬
- 日馬富士
- 鶴竜
- 稀勢の里
この4横綱時代の到来がありますね。
横綱が不在ってあるの?
横綱は何人でもいても良いことにはなっていますが、その一方で、
横綱不在の場合はあるのか?
これも疑問に思いますよね。
実は、横綱は不在でも構わないことになっています。
ただし、大関や関脇、小結は東西に1名ずつの2名はいなくてはなりません。
横綱が不在だった時期は、昭和から数えて2度あったと言われています。
- 昭和6年5月~7年10月(宮城山引退から玉錦横綱昇進まで)
- 番付表で7場所横綱不在
- 昭和8年1月に第32代横綱玉錦が誕生
- 平成4年7月~5年1月(北勝海引退から曙横綱昇進まで)
- 4場所横綱不在
- 平成5年3月に第64代横綱曙が誕生
ほとんどないことですが、実際に横綱不在の時期もあったのですね。
横綱が負け越しすると降格するの?
相撲の世界では、負け越してしまうと降格することはザラにあります。
じゃあ、横綱も負け越してしまったら大関に降格するのか?
というと、実は横綱は負け越しても降格というのはなく、ずっと横綱でい続けることができます。
ただ、横綱がしんどいところは、
これがかなり厳しいところです。
例えば、
大関までは昇ったけどその後不振が続いて、負け越しが多くなってしまった。
でも、まだ体力はあるしケガもしていない、もう一度返り咲くために頑張る。
そういうこともできるわけですが、横綱になってしまうと不振が続けばバッシングもあるし、横綱審議委員会から引退勧告が渡されるなどプレッシャーも半端ないわけなんですね。
注目される横綱という地位だけに、それだけそこにかかる重圧もすごいという事なんです。
昇進時の最高齢と最年少横綱
横綱になったら降格がなく、引退しかないような地位ですが、若くして横綱になると、勝ち続ければいいですがそうもいかないですよね。
だから、負け越しや成績不振が続くと、まだまだやれそうな年齢でも引退せざるを得ない力士もいたようです。
そんな大変な横綱になった年齢も、長い歴史の中では様々います。
ここでちょっと、そんな横綱になったときの最年少、最高齢昇進した力士たちをまとめて見ました。
昇進時が高齢だった横綱
第13代:鬼面山谷五郎(42歳)
第4代:谷風梶之助(39歳)
第8代:不知火光右衛門(39歳)
第15代:梅ケ谷藤太郎(39歳)
ほとんど昔の横綱たちだけで、現在ではほとんど20代で横綱になっています。
年6場所制になった昭和33年以降では
第53代:琴櫻(32歳)
第57代:三重ノ海(31歳)
第59代:隆の里(30歳)
第72代横綱の稀勢の里が30歳というのが、最近では高い年齢になりますね。
一方で横綱になった年齢が低い力士を見ていきます。
昇進時年齢の低い横綱
第55代:北の湖敏満(21歳2ヵ月)
第48代:大鵬幸喜(21歳3ヵ月)
第69代:白鵬(22歳2ヵ月)
第65代:貴乃花(22歳3ヵ月)
第68代:朝青龍(22歳4ヵ月)
第47代:柏戸(22歳9ヵ月)
第60代:双羽黒(22歳11ヵ月)
22歳代は結構いますね。
北の湖や大鵬は若くして横綱となり、それぞれ63場所と58場所も横綱を務めたという、長い時代を築きました。
あとがき
相撲の横綱になるにはどんな条件が必要なのか。
また、その人数は何人かなど規定はあるのか、負け越しすると降格するのかなど、過去の横綱4人時代や不在の時代などを振り返ってみましたがいかがでしたか。
横綱になれば番付の頂点だから終わりか、というとそういうわけでもなく、横綱になってからのほうが、負けられない取組や周りの重圧、横綱という独特な地位に押しつぶされる力士も少なくないようです。
私たちは、
- 横綱の取る相撲がすごい
- 給料が良くていいな
- 周りも扱いもすごいだろう
こんなふうに感じていますが、これは横綱になった人でないとわからないのかもしれませんね。
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