相撲の廻しの色が違うのはどうしてなのか?
大相撲の中継を見ていると気になった人もいると思います。
相撲の廻しは力士にとって欠かせない道具の一つですが、この廻しは力士によって色の違いがありカラフルですよね。
オーソドックスの黒の廻しから、水色、みどりや黄色など様々あります。
また実は、稽古用の廻しなどもあったりするんですね。
そんな廻しの締め方や、もし取組中に取れると勝負はどうなるのかなど、相撲には欠かせない「廻し」についてまとめました。
相撲の廻しの色が違うのはどうして?
相撲中継など見ていると、
力士によって廻しの色が違うなぁ・・・。
こんなふうに感じたことはないでしょうか。
この相撲で使われている廻しの色は、実は基本は紺、紫色系統の色が原則だと言われています。
こういった決まりはあるものの黙認されているようで、最近になって緑や水色、黄色など、力士によってその色も様々になってきました。
実際に見てる側からしても、イメージカラーのようになっている部分もありますよね。
この廻しの色によって番付が違うとか、部屋の決まりだとかそういうものではなく、力士個人の個性の一つとして、今は様々な色の廻しを付けるようになったと考えていいと思います。
稽古で使う廻しや化粧廻しとの違い
この相撲の取組で使われる廻しは、「締込(しめこみ)」といいます。
廻しといっても実は3種類あって、
- 「締込」:取組で使う
- 「稽古廻し」:稽古で使う
- 「化粧廻し」:土俵入りの際につける前掛け
化粧まわしは、関取が土俵入りする際に、前にエプロンのようにかけている前掛けで、すごい豪華な装飾がされているものが多いですよね。
この化粧まわしは関取(十両以上の力士)だけに許された廻しです。
スポンサーや後援会から贈呈されるのが一般的ですが、その値段は一枚100万円以上とも言われています。
みなさん豪華な化粧まわしをされていますね。
取組の締込と稽古廻し
取組で使う廻しを「締込」といいますが、稽古の時に使うのが「稽古廻し」です。
この稽古廻しは稽古の時に使われる木綿の廻しですが、幕下以下の稽古廻しは黒色と決まっています。
また、幕下は稽古廻しと取組の廻しを兼用しています。
一方で十両以上になると、稽古廻しは白色に変わります。
十両と幕下ではここでも差が出るんですね。
相撲の廻しの締め方は?
相撲の取組には廻しは不可欠ですが、この廻しってどうやって締めているのか気になりますよね。
実際に動画が公開されていたので、これを見てもらった方が早いと思います。
こんなふうに廻しは締められていたのですね。
基本的には、廻しを締めるには手伝いの人が必要になっていますが、学生相撲とかだと一人でも締める人もいるようです。*火の丸相撲第九巻に載ってました(笑)
相撲の廻しとセットの「下がり」
廻しは単純に腰に回すものだから「廻し」といわれているようです。
廻しをまく時には水で濡らしながらまくことで、相手に廻しをとられにくいように固くしておくのだそう。
ちなみに、締め込みの前に垂れ下がっている細い縄暖簾のようなものは「下がり」といいます。
取組が終わると外していますね。
懸賞金を受け取ったら、下がりに挟んで持ち帰る姿もよく目にします。
締込を注文すると、この下がりも2セットついてくるのだそうです。
相撲の取組で廻しが取れると勝負はどうなる?
相撲の取組を見ていると、もう廻しが外れそうっていうような瞬間もありますよね。
相撲って廻しが外れたらどうなるの?
そんなふうに思ってしまうこともよくあります。
実は、この廻しが取組中に取れてしまうと「反則負け」になります。
相撲協会の勝負規定にもあって。
とあります。
いわゆる「不浄負け(ふじょうまけ)」とも言われています。
取組で廻しが外れた力士っていたの?
では、実際に廻しが外れた力士っているんでしょうか?
実は平成12年(2000年)になってから、三段目の「朝ノ霧-千代白鵬戦」で朝ノ霧の前袋が外れたという取組がありました。
朝ノ霧は前褌を抑えながら相撲を取っていたようですが、これがテレビで中継されていたために知れ渡ることとなったようです。
ただ局所は映っていなかった模様です。
もっと前で言うと大正6年に十両男嶌と、幕下の友ノ山との対戦時にあったようです。
相撲の取組で廻しが外れそうになった時は、行事がそれに気づくと
といって対戦を一時中断することがあります。
そして行事が廻しを締め直し、再開するといった事が行われるのですね。
あとがき
相撲の廻しの色が違うのはどうしてなのか。
その廻しの締め方や取れたりすると勝負はどうなるのかなど、相撲には欠かせない廻しについてまとめましたがいかがでしたか。
相撲の世界には欠かせない廻しですが、その廻しにもいろんな歴史があるのですね。
そんな相撲の廻しですが、実は基本的に洗濯はしないようです。
それにはゲン担ぎや機能性を保つための理由があると言いますが、一切洗濯しないというのは不衛生のような気もしますね。
でも、天日干しやアルコール消毒などはされているようですし、稽古用の廻しは相撲部屋によってデッキブラシを使ったりして洗うそうです。
そんな取組で使う廻しは、基本は自分専用なのですが、栃ノ心(ジョージア出身)は親方(元栃乃和歌)の廻しを使っていたそうですね。2018年に優勝しましたね。
他人の廻しを使っての取組なんてちょっとキツイですが、それで何か力を得られると信じるのなら構わないといった考えなんでしょうか。
相撲の世界もいろんな伝統があって面白いですね。
他にも、相撲にはたくさんの魅力が詰まっています!
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