横綱土俵入りには『雲龍型』や『不知火型』といったスタイルをよく耳にしますよね。
土俵に上がって、横綱はそれぞれのスタイルの型で土俵入りをしますが、この雲龍型や不知火型とはいったいどのようなものなのでしょうか?
また、付き添いの太刀持ちや露払いとはいったいどんな役割があるのか?
この横綱土俵入りの意味や歴史などといっしょにまとめました。
横綱土俵入りの雲竜型って何なの?
この写真は両国国技館に行ったときの、横綱稀勢の里の土俵入りの様子です。
横綱土俵入りって、よくその形について言われることが多いですが、
雲龍型なのか不知火型なのか?
これってよく耳にしますよね。
何が雲龍型で、何が不知火型なのかよくわからない人も多いと思います。
まずは動画があるので、それを先に見てもらった方がイメージがつかめると思います。
横綱稀勢の里の雲龍型による土俵入り
これが雲龍型ですね。
土俵に上がってから、柏手を打って塵を切った後中央に進んでいます。
そこで正面を向いて柏手を打ち、四股を踏んだ後の形のことを指しています。
雲龍型は左腕を曲げて脇腹に当てています。
右腕は前のほうに広げてせり上がっていますね。
このとき
- 守りの左腕
- 攻めの右腕
とも呼ばれていて、この横綱稀勢の里の他、鶴竜や貴乃花といった横綱が同型になります。
また、背中の「綱の輪が1つ」になっているのが特徴です。
現在まではこの雲龍型が多く選ばれていますが、出羽海、高砂、時津風一門になると雲龍型が多くなっています。
横綱土俵入りの不知火型って何なの?
さて、一方の不知火型はどうなのか。
こちらも横綱土俵入りの動画があるので、まずはそれを見てもらうとイメージしやすいと思います。
横綱日馬富士の不知火型による土俵入り
これが不知火型ですね。
正面を向いて柏手を打ち、四股を踏むまでは雲龍型と同じですが、四股を踏んでから両腕を外側に大きく広げてせり上がるのが不知火型です。
不知火型は「攻撃本位の型」といわれており、横綱白鵬や日馬富士がこの形となっています。
また、背中の「綱の輪が2つ」になっているのが特徴です。
この雲龍型と不知火型は、
- 第10代横綱:雲龍久吉
- 第11代横綱:不知火光右衛門
この2人の横綱の土俵入りが美しかったことから、このように呼ばれているという説があります。
そして、それぞれを第20代横綱:梅ケ谷と、第22代横綱:太刀山によって型が確立されたと言われています。
横綱土俵入りで付き添いしてる人は何なの?
土俵入りには付き添いに二人の力士がいますよね。
入場や退場するときに先頭にいるのが「露払い」と呼ばれる力士です。
そして、太刀を持って横綱の後ろに控えているのが「太刀持ち」になります。
この露払いと太刀持ちですが、重要な役割を担っています。
露払いは入退場の時に先導役としているのですが、「横綱の道を開く」という意味で土俵上では横綱の左側で控えています。
太刀持ちの力士よりも、格下の力士が選ばれることが通常です。
一方の太刀持ちは、露払いよりも格上の力士が選ばれることが通常です。
横綱の右手に控え、右手で太刀を持っています。
入退場するときは横綱の後ろからになりますが、「横綱を外敵から守る役目」ということで控えているのですね。
露払いと太刀持ちは基本は横綱と同部屋の、より番付の高い力士が務めます。
ただし大関以外の幕内力士に限ります。
もし、同部屋な幕内力士がいない場合には、同じ一門から選ばれることになります。
あとがき
横綱土俵入りの雲竜型や不知火型って何なのか。
また、付き添いの露払いや太刀持ちにはいったいどんな理由があるのか、その意味や歴史、役割などをまとめましたがいかがでしたか。
横綱土俵入りも相撲観戦の醍醐味の一つ。
この土俵入りを見ると、会場内が一つになるのがすごくわかりますよね。
本場所以外でも、巡業や奉納などのときにはこの横綱土俵入りが行われます。
横綱が2人の場合は奇数日に東方、偶数日は西方からの横綱土俵入りとなっています。
三人以上の場合はローテーションで日替わりとなっています。
横綱が一人もいない時代だと、この横綱土俵入りがないので寂しい限りですが、2017年のように4人も横綱がいると、それぞれの横綱土俵入りが見れるので、とても贅沢ですよね。
相撲観戦の時は、ぜひこの横綱土俵入りにも注目して楽しんでくださいね。
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