相撲の三役(さんやく)とはいったい何なのか?
相撲の中継やそういった番組などを見ていると、たびたび聞かれる「三役」という言葉があります。
その意味について知りたい方も多いのではないでしょうか。
また、「三役そろい踏み」「これより三役」などという言葉も相撲中継などでよく耳にしますが、これはどういう意味なのか?
また、三役になるにはどうすればいいのか?
今回はこの「相撲の三役」についてまとめました。
相撲の三役とはいったい何なの?
相撲の中継や力士の紹介などでも、
三役、元三役
このように呼ばれることも多いです。
この相撲における三役とは
横綱以外の上位3つの番付を含めて三役と呼びます。
ただ、実際には大関を入れずに、「関脇」と「小結」を三役と呼ぶ場合が多くなっています。
今の相撲界では、大関は特別な存在ともなっているので、三役に含めずに呼ぶことも多くなっているのです。
一覧にもしているので、すぐにわかりますよ。
三役の「関脇・小結」と「大関」との違い
相撲の三役では給料面でも
- 大関
- 関脇と小結
ここで大きく差が生まれています。
例えば、大関の月給は235万円ですが、関脇と小結は169万円で同じなんです。
もう一つの大きな収入源である「力士報奨金」
これも
- 横綱:150円
- 大関:100円
- 幕内(関脇、小結、前頭):60円
- 十両:40円
- 幕下以下:3円
*2018年時
「大関」と「関脇・小結」の括りでちょっと待遇に差がありますが、関脇と小結は同じです。
力士の給料面についても、詳しく見てみると非常に面白いです。
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こんなに違うの!?
って思うくらい変わる番付もあるので、ぜひご覧になって下さい。
三役になるには?
三役は大関、関脇、小結とありますが、三役になるにはいくつか条件があります。
まず、関脇から大関になるには「直近の3場所で33勝する。」という目安があります。
つまり、1場所で「11勝4敗」くらいを続けていけばいいわけですね。
といっても、1度ならあるかもしれませんが、これを連続ともなるとまあこれは簡単なことではないのです。
ただ、関脇や小結になるには大関ほどは厳しくなく、勝ち越せば昇進し、負け越せば陥落となることが多いですね。
そして、最近は小結や関脇が多くなりすぎるのを避ける傾向も感じられます。
だから、タイミングが悪いとなかなか昇進できないこともあるかもしれません。
また、本場所終了時に前頭が大きく勝ちこしを納めたりすると、小結を通り越していきなり関脇に昇進することもあります。
なんて言葉もできるぐらい、小結を経験せずに関脇、そして大関へと昇進していく力士も意外と多いんです。
こういった面もあるので、大関を含めない「関脇・小結」を三役と呼ぶケースも多くなっています。
その一方で、大関の陥落はちょっと違います。
大関が陥落するのは、
休場で負け越してもダメです。そうなると関脇に陥落です。
大関で本場所で負け越しをし、その翌場所は「角番」と言われるようになります。
その角番の場所で勝ち越しすれば、「角番を脱出する」と言われます。
その場所に角番の大関がいると、アナウンサーがよくこれについて説明してくれますね。
また、角番を脱出できず関脇に降格してしまった次の場所に限り、「10勝以上すれば大関に返り咲ける。」という特例もあります。
これもよくアナウンサーが説明してくれるので、相撲中継を見ているとわかりやすいです。
相撲の三役の意味は?
この相撲の三役の意味ですが「大関、関脇、小結」のことを言い、今では大関を入れずに、「関脇」と「小結」を三役と呼ぶ場合が多くなっています。
この辺がちょっとややこしいですよね。
相撲の三役というのは、明治時代に横綱の地位が明文化されるまでの名残でもあります。
もともと横綱というのは、大関の名誉称号でした。
ということだったのですね。
これが横綱としての地位を得るようになったため、今のように横綱、大関、関脇、小結と番付があるわけです。
ですので、以前は最上位は「大関」だったのですね。
相撲の三役揃い踏みって何なの?
相撲の三役揃い踏みとは、千秋楽でしか見られません。
三役揃い踏みというのは、東西の並び方が変わります。
千秋楽・結びの一番の2つ前(つまり千秋楽の最後の3勝負)の取組直前に、
「これより三役」
というアナウンスが流れます。
これから取組を行う東西各3人の力士が土俵に上がり、揃って四股を踏む「揃い踏み」を行います。
この儀式が「三役揃い踏み」です。
「これより三役」とは、大相撲の千秋楽における結びの3番の取組のことを指しています。
実際の映像を見たほうがわかりやすいですね。
相撲の「番付の三役」と「これより三役」
この三役揃い踏みは、千秋楽結びの3番にでる最上位の力士で、当然横綱は残ることが多いですし、その場所がかなり好成績で優勝に絡みそうな前頭が加わることもあります。
だから「三役揃い踏み」「これより三役」と言っているのに、
- 東:横綱、横綱、前頭
- 西:横綱、大関、大関
こんなふうに
といったようなシーンもよくあったりします。
そして、勝ち力士には
- 弓(結びの取組)
- 弦(結びの取組の1つ前)
- 矢(結びの取組の2番前)
これらが与えられますが、これは平安時代の相撲節会(すまいのせちえ)が起源と言われています。
また、通常は土俵の外に自分の取組の二番前の取組をとる「控え力士」が、東西に2人ずつ控えています。
でも、千秋楽の最後の三番は「これより三役」となるため、東西に3人ずつ控えています。
ここも通常の取組の流れとは変わる部分ですね。
あとがき
相撲の三役とはいったい何なのか。
その意味や「三役そろい踏み」「これより三役」といった言葉など、相撲の三役に関してまとめましたがいかがでしたか。
相撲の三役とは昔からの名残でもありますが、この三役になると様々な面でも優遇されたりします。
また、三役以上の力士の取組では、呼出から四股名を2回繰り返して呼び上げられます。
この呼出にも実は階級があって、三役は勤続40年以上勤めあげた三役呼出でないとできないのです。
呼出の中の最高位である「立呼出」は、最後の一番しか呼び上げないというようにもなっているのです。
相撲の取組では、この三役を維持するのは大変なことだと言われています。
相撲界でもトップクラスの三役に注目して、これからの取組を楽しんでくださいね。
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