千秋楽という言葉を、相撲ではよく耳にしますよね。
だいたいの人が千秋楽と聞くと、その意味についてはわかっていると思います。
相撲における千秋楽とは、どんな意味や語源があるのか、また、その日に行われる行事にはどんなことがあるのか。
いつもの興行との違いと見比べて、千秋楽の中身について見ていきたいと思います。
千秋楽とは何のことなの?
相撲の世界で千秋楽というと、
興行最終日のこと
これはたぶんあなたも知っていたと思います。
この千秋楽という言葉は相撲に限ったことではなく、演劇の最終日や歌舞伎でも千秋楽(千穐楽)というような言い方をしますね。
また、他にも何かの興行の最終日は千秋楽と呼ばれることも多いです。
この千秋楽という言葉は、他にも「楽日」などとも呼ばれます。
相撲の本場所は全部で15日間行われるので、その15日目のことになります。
また、最終日は基本的には日曜日になり、この日に優勝者が決まるので、見どころがたくさんあるのが千秋楽です。
ですので、この千秋楽のチケットはとてつもない人気になるので、取りにくい日の一つとなっていますね。
千秋楽の意味や語源は?
この千秋楽という言葉の意味や語源はどこから来ているのか。
もともとこの千秋楽という言葉は、最終日を表す業界用語で、江戸時代に歌舞伎や相撲界で使われていた言葉でした。
これをさらに略して「楽日」や「楽」などとも呼ばれることもあります。
この千秋楽の語源には諸説ありますが、有力なところでは、
- 雅楽の最後には「千秋楽」と呼ばれる曲が必ず演奏されたため。
- 能の付け祝言において、謡曲の「高砂」の終わりに「千秋楽は民を撫で」という句が謡われることが多かったため。
このような説があります。
どちらも、「最後に」という意味の部分では共通点がありますね。
また、「千秋楽」の旧字体には「千穐楽」といった字があてられていました。
これは「千秋楽」には劇場では御法度の「火」が「秋」の文字に含まれているためです。
昔の劇場は木造の劇場が多かったため、火は避けたかったのですね。
そこで縁起の良い「亀」から「穐」という字を取入れ「千穐楽」と表記することが多かったようです。
相撲の千秋楽の行事は何をするの?
相撲の千秋楽では本場所最後の取組となるので、優勝者が決定します。
そのため普段の興行とは違い、優勝決定戦や表彰式、三役揃い踏みなど、この千秋楽でしか見れないプログラムがたくさんあります。
では、通常の興行とどのようなことが違うのか。
千秋楽は優勝力士の表彰が行われるため、取組はふだんよりも30分早く進行します。
そして、十両の取組が終了すると、十両以下の番付のそれぞれの優勝者がここで表彰されます。
その後に幕内力士の取組に入ります。
そして、結びの一番の二つ前の取組直前に「これより三役」となり、「三役揃い踏み」が行われます。
最後の結びの一番で最も成績が良かったものが優勝ですが、同点者がいる場合は優勝決定戦へと移ります。
こうやって優勝者が決まると、そこから幕内優勝者の表彰式ですね。
この表彰式で天皇賜盃と優勝旗が授与されます。
そして優勝力士のインタビューもあります。
他にも優勝賞金や副賞があったりなど、いろんな物が授与されますね。
特に、日仏友好杯の副賞での巨大なマカロンはとてもシュールな光景ですよね。
優勝者の表彰が終わると、「敢闘賞」「技能賞」「殊勲賞」の三賞の授賞式が行われます。
そして最後には、
という事が行われます。
これらの一連の様子は動画があるので、これを見てもらうとわかりやすいと思います。
千秋楽の結びの一番の最後には、このように色々と行われることがあるんですね。
あとがき
相撲の千秋楽とはどんな意味や語源があるのか。
また、この千秋楽ではいったいどんなことをするのか、普段の興行とは違う点と見比べてましたがいかがでしたか。
千秋楽は優勝者が決まる大事な締めくくりの一番があるので、相撲ファンなら一度はその場に立ち会いたいですよね。
相撲の千秋楽が終わると、力士たちは休む間もほとんどなく巡業や稽古に励む日々が続き、約2ヵ月後に次の本場所へと入ります。
だから、千秋楽が終わって本場所がすべて終わるまで、笑顔を見せずに真剣な表情でいる力士って多いですよね。
あなたも一度は現地に行って、観戦されてみてはどうでしょうか。
日本人なら一度は行っておきたいですね。