弓取式にはどんな意味があるのか。
相撲の取組が終わり最後に行われるのが「弓取式」ですよね。
また、巡業の終わりにもこの弓取式が行われます。
興行の締めくくりとして、弓取式が終わったら相撲観戦したなって感じになりますが、そもそもこの弓取式はどんな意味があるのでしょうか?
また、選ばれる力士は誰なのか?
もし弓を落としたり失敗したらどうなるのかなど、ちょっと気になるところもありますよね。
今回は、相撲の締めくくりでもある弓取式についてまとめました。
弓取り式にはどんな意味があるの?
弓取式とはどんな意味があるのか、考えたことはありませんか。
本場所や巡業で、結びの一番が終わるとその興行は終了になりますが、その最後を締めくくるのが弓取式ですよね。
弓取式では、力士が弦の張っていない弓を大きく振り、勇ましい姿を披露してくれ、最後には会場の「ヨイショ~!」の掛け声とともに四股を踏んで締めくくります。
弓取式の様子
この弓取式も興行で見たい演目の一つですよね。
この弓取式の意味は「勝者の舞」のことです。
もともとは平安時代の相撲節会(すまいのせちえ)で勝った力士に贈られる弓矢と弦を、行司が舞って演じたことから始まったとされています。
今のような形になったのは、江戸時代の横綱である谷風梶之助が上覧相撲の際に、弓を四方に振り回したことが原型だと言われています。
かつては千秋楽にだけ行われていましたが、昭和27年(1952年)の1月場所から毎日行われるようになりました。
だから、この弓取式自体には特別大きな意味は無いと考えられています。
でも、私たちからするとこの弓取式を見ることで、良い締めくくりになって相撲を見たなって感じになりますよね。
弓取り式をつとめる力士って誰?
さて、この弓取式ですが、これを務める力士はいったいどのようにして選ばれるのでしょうか。
これは基本的には、横綱(いない場合は大関)と同部屋の幕下以下の力士が務めることとなっています。
だから、本来は十両以上にしか許されていない大銀杏は結えないし、化粧まわしもつけれないのですが、この弓取式のときは着けることが許されます、
先ほどは、
というお話もしましたが、このように格下の力士が務めるようになったのは、千秋楽にはもともと幕内力士は出場していなかったことがキッカケとなっています。
その流れが今も受け継がれているようなんですね。
また、相撲界のジンクスで、
弓取式を行った力士は関取(十両以上)になれない。
このようなことが言われていました。
しかし、1990年5月場所まで弓取を務めていた巴富士が、十両そして小結まで昇進したことで、このジンクスを破りました。
弓取り式で失敗したらどうするの?
この弓取式ですが、その動きがとてもダイナミックですよね。
ちょっと心配になるのは、
弓を落としたりしないんだろうか?
そんなふうに思っちゃうほど激しいです。
まあ、弓取式を務めるくらいなので普段からうまく練習しているんだろうとは思いますが、それでもやっぱり失敗しちゃうときがあります。
そんな時、落とした弓はどうするのか?
実は、弓を土俵に落としてしまったら手では拾わずに足でうまく拾い上げます。
どうして手を使わないかというと、「土俵に手をつく」という行為は相撲にとって負けを意味しますよね。
本来、この弓取式は勝ち力士が行うもので、それを代理でやっているわけなのだから、土俵に手をつくような真似はできないという事なんです。
もし、土俵の外まで飛んで行ったら、行司が拾って土俵に戻し、同じように足で拾い上げます。
弓取式の失敗で手を使ったことがあった!
そんな弓取式の失敗ですが、実は過去に弓を落として手で拾ってしまったことがあります。
それは2010年3月場所の「男女ノ里」という力士が弓取式を務めていたときです。
弓を落としたら手で拾い上げるのが作法ですが、2回挑戦したが足で拾い上げることができず、手を使ってしましまったと、本人がコメントをしています。
あとがき
弓取り式にはどんな意味があるのか。
またそれを務める力士や、弓を落としたり失敗したらどうするのかなど、取組の締めくくりである弓取り式についてまとめましたがいかがでしたか。
相撲の醍醐味にも色々ありますが、このダイナミックな弓取り式も見ごたえがありますよね。
これを見たら、終わったなーって感じがします。
相撲中継では結びの一番の解説とか、その日の総括とか色々あってこの弓取式ってキチンと映してくれないことも多いですが、これも結構楽しみにされて現地に行かれている方も多いと思います。
あなたも相撲観戦に行ったときは、最後までしっかり見て楽しんでくださいね。
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