大相撲

相撲の基本的なルールや禁じ手は?引き分けはあるの?

2017年4月6日

相撲 ルール

相撲の取組にはルールがありますよね。

わかりやすいルールは

  • 足の裏以外の体の一部が、先に土俵についた方が負けになる。
  • 土俵の外に先に出たほうが負けになる。

これは相撲をほとんど知らない人でも、知っているルールだと思います。

でも、実はこの相撲の世界にはこういった基本的なルールをはじめ、禁じ手や
意外なルール
があったりします。

そこで今回は、相撲の取組のルールや引き分けの疑問など、相撲の取組の決まりについてまとめました。

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相撲の基本的なルールって?

相撲の勝敗は、私たちにもわかりやすいようなルールですよね。

  • 足の裏以外の体の一部が、先に土俵についた方が負けになる。
  • 土俵の外に先に出たほうが負けになる。

これは相撲を見ない人でも、多くの人は知っていると思います。

ルールがわかりやすいので、知らなかったとしてもある程度は楽しめますし、勝負にややこしいことがないので見ている方も単純明快です。

 

でも実は、そんな中でもいくつかルールもあって、力士たちはそれに従って取組を行っているんです。

例えば、

立ち合いまでの時間制限

相撲中継を見ていると、

「時間がいっぱいになりました。」

ということがよくありますよね。

 

実は、立ち合いまでには制限時間があって

  • 幕内は4分
  • 十両は3分
  • 幕下以下は2分以内

このように、その階級によって決められています。

制限時間がいっぱいになってから力士が外に出たりすると、負けになってしまいます。

 

相撲界であった大珍事

時間いっぱいになってからは、もう立ち合いに入りますよね。

この後で土俵に出ると負けになりますが、実は自分から外に出ちゃって負けになった力士がいます。

その理由が、

ゴミが土俵に落ちていたから捨てようと思って外に出て負けになった。

というものなんです。

 

これは昭和43年の秋場所の初日、十両の取組で朝嵐という力士がゴミ(ホウキの切れ端)を捨てようと土俵から出てしまったんですね。

そして土俵の外に出た瞬間物言いがつき、長時間の協議の末、反則負けとなる珍事が起きました。

その朝嵐というのが、後の振分親方(高見盛ではありません。)

そんな相撲の一般的な勝敗のルールについてまとめますね。

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相撲の一般的な勝敗のルール

  • 足の裏以外の体の一部が、先に土俵についた方が負けになる。
  • 土俵の外に先に出たほうが負けになる。
  • 俵の上に乗っても土俵の外の砂についていないと負けとならない
  • 土俵外の空中を片足、両足が飛んで土俵内に入った場合は、土俵外の砂につかなければ負けとならない。
  • 頭髪が砂についた時は負けである。(相手を倒しながら早く髪がついた時は負けにならない。)
  • 前まわしが外れて落ちた場合負けとなる。

 

こういったルールの中にはきわどい勝敗のシーンもあったりしますが、

両力士とも土俵の外に出ながら勝負が決まるとき

というのがよくありますよね。

 

この場合、先に土俵外の砂についた方が負けです。

 

土俵の外に出ていても、空中ならまだセーフといった考えなんですね。

これらのルールについては、日本相撲協会寄附行為施行細則附属規定の中の【勝負規定】 に詳しく書かれています。

http://www.geocities.jp/mmts_sumo/huzoku.htm

 

他にもちょっと意外なルールがあったりしますが、ややこしいのは

  1. 「かばい手」「つき手」
  2. 「送り足」「勇み足」

 

この2つですね。

 

「かばい手」と「つき手」は、どちらも相手より先に土俵に手がつくことをいいます。

この時点でもう負けなんですが、かばい手は負けになりません。

投げの打ち合いなどで、相手が「*死に体」になった場合、相手をかばうために先につく手を「かばい手」と言いますが、これは負けにならないのです。

補足

*死に体:両足のつま先が上を向いた状態で、後ろに30度以上傾いた時は、もう自分では回復できない体勢になったということで負けなんです。

 

「つき手」は、相手が死に体ではない時に自分の手が土俵についてしまうことです。

 

バランスを崩して手をついてしまった時などがそうですね。

 

そしてもう一つの

「送り足」と「勇み足」

このどちらも土俵の外に、先に足が出たことを言いますが、送り足は負けになりません。

「送り足」とは、相手を吊り上げて土俵の外に出すときに、先に土俵外に自分の足が出てしまっても負けにはなりません。

 

一方の「勇み足」は、例えば土俵際で相手を押し出そうとしている時に、先に自分の足が土俵の外に出てしまった時のことを言います。

いわゆる、かばい手も送り足も、どっちも相手を挽回不可能な体勢にしていたら、一瞬先に土俵に手がついていたり、足が出ていたとしても負けにはならないということです。

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相撲の禁じ手は?

相撲27-01

そんな相撲の取組にもこういったルールの中で行われています。

その中には、やはり禁じ手というのもあります。

何でもかんでもやっていいというわけではなく、大相撲には8つの禁じ手があり、それをすると反則負けになってしまいます。

 

その8つの禁じ手が次の項目です。

  1. 握り拳で殴ること。
  2. 喉をつかむこと。
  3. 目またはみぞおちなどの急所を突くこと。
  4. 頭髪をつかむこと。
  5. 両耳を同時に両手で張ること。
  6. 前立揮をつかみ、また横から指を入れて引くこと。
  7. 胸や腹を蹴ること。
  8. 1指または2指を折り返すこと。

 

禁じ手と言われているだけあって、どれを見てもフェアじゃないことが多いですよね。

 

また、この中の

頭髪をつかむこと。

という項目がありますが、以前は

「頭髪を(故意に)つかむこと。」

となっていました。

補足

ただ、これによって勝ちをもぎ取る姿が2000年以降になって増えてきたため、2014年にこの「故意に」の部分の削除が承認されました。

 

相撲に引き分けはあるの?

相撲の勝負では、必ずどちらか勝敗の判定をしないといけないので、引き分けというのはありません。

この引き分け裁定がないことによって、たまにあるのが、

085145   同体取り直し

 

同体取り直しというのは両方の力士が、

  • 本当に同時に土俵の外に出た、地面についたりした
  • 判断ができなかった場合

このときにもう一度取り直しが行われることを言います。

 

行司は必ずどちらかに軍配は上げないといけないので、まずはどちらかが勝ち名乗りを受けますが、それに物言いがついて同体と判断されると、この同体取り直しでもう一番、同じ対戦がすぐに行われることになります。

補足

厳密に言うと、同体取り直しの際に双方が大きな負傷をしてしまい、取り直しができないような時に「痛み分け」という形になることもあります。(1964年からは無い。)

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水入りの時のやり直し

また、勝負がすごく長引く時もありますよね。

どちらも廻しの取り合いになって、膠着状態になっている時があります。

この場合、およそ3分くらいを目安に行司が「水入り」という形でいったん取り組みを止めます。

少しここで間を入れてから、勝負を再開します。

 

このときに行事や審判委員が、水入り前の体勢になるよう、キッチリと同じ体勢を覚えておいてその状態から取組が再開されることになります。

 

この水入りは十両の取組からになるので、幕下以下はちょっと休憩を入れて、二番後に完全に取り直しとなります。

 

補足

また、水入りが入って、その後の取組でも水入りが入ってとなると「引き分け」という裁定が下ることもあるようですが、1974年から出ていないこともあり、もう引き分けは現実的にはないという見方が強いです。

 

だから、引き分けというのは、現在ではほとんど考えられないんですね。

 

あとがき

相撲の基本的なルールや禁じ手、また、相撲の世界で引き分けはあるのかなど、相撲の取組の決まりについてまとめましたがいかがでしたか。

相撲の取組はわかりやすいルールで、見ている側もややこしくなくていいですよね。

 

でも、細かい部分ではキッチリとルールが決められていて、その中で力士は勝ち負けを競い合っていたんです。

これから相撲が発展するにつれて、こういったルールも微妙に変化がしてくると思いますが、やっぱり正々堂々と正面からぶつかって勝負する相撲をずっと見続けていきたいですね。

他にも、相撲にはたくさんの魅力が詰まっています!

そんな大相撲の伝統作法や取組の見どころ、観戦の仕方などをこちらでまとめています。

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