昔ながらの渦巻き状の蚊取り線香は、夏には風情のある物の一つですよね。
その蚊取り線香は火をつけると煙が出て、周りの蚊を撃退する頼もしいアイテムです。
ただ、その蚊取り線香っていったいどんな原料や成分を使って、蚊を退治してるんだろうか気になりますよね。
やっぱり殺虫成分があるので、人体にも問題がないのか気になる部分もあると思います。
そこで今回は、
蚊取り線香の原料や成分は何でできているのか。
また蚊が死ぬ仕組みや人体への問題はどうなのかまとめました。
蚊取り線香の安全性や使用上の注意などを知る上でも、
蚊取り線香とはどういったものなのか。
この機会に「蚊取り線香の中身」を知っておきましょう。
蚊取り線香の原料や成分って何なの?
蚊取り線香というと、クルクルと輪が渦巻き状になったものですよね。
昔ながらの蚊取り線香で、今でも愛されている夏の風物詩です。
そんな蚊取り線香っていったいどうやってできているのか?
その原料や成分はいったい何なのか気になりますよね。
蚊取り線香の主な成分は
と呼ばれる成分です。
この原料は、除虫菊(シロバナムシヨケギク)から抽出される有効成分の「ピレトリン」などのピレスロイド系成分なんですね。
ピレトリンという成分は殺虫効果を持っていて、このピレトリンを科学的に合成したものがピレスロイドと言われています。
これらの成分が除虫菊を原料として、あの蚊取り線香の中に入っています。
このピレスロイドは太陽の光で分解されやすいため、日光の当たらないところで保管するのが良いそうです。
蚊取り線香の本体の原料や成分は?
蚊取り線香のイメージと言えば
緑色の長く渦巻き状になった線香
この線香の部分に除虫菊のピレトリンから研究が重ねられ、化学合成されたの成分が練りこまれています。
その蚊取り線香本体の原料や成分には、
- 木粉などの植物性粉末
- 粘結剤としてタブ粉(タブ科の植物の粉末)
- とうもろこしでんぷん
会社や商品によって違いはあると思いますが、主にこういった原料で蚊取り線香の本体が作られているようです。
また、蚊取り線香自体は「緑色」といったイメージがありますよね。
でも、元は茶色系の色になるようで、それを緑色にする理由は、
- 茶色系統の粉に対してムラなくきれいに染まる色
- 夏のイメージ
ということで緑色の蚊取り線香が多いようです。
蚊取り線香で蚊が死ぬ仕組みは?
蚊取り線香に火をつけ燃焼させることで煙が出て、そして周辺の蚊が落ちて死んでいくといった光景が目に浮かびますよね。
そんな蚊取り線香で蚊が死ぬ仕組みは、どのようになっているのか?
どうして蚊を寄せ付けなくなるのか気になりますよね。
それは先ほどの蚊取り線香の成分でも出てきた「ピレスロイド」が、蚊取り線香の燃焼とともに周辺に広がります。
そのピレスロイドの成分は蚊の神経系に働きかけ、機能をマヒさせる効果があるのですね。
だからピレスロイドの成分を受けた蚊は、次々と動けなくなってしまうわけなのです。
そうして動けなくなった蚊は地面に落ちてヒクヒクしていますよね。
あれが気絶している状態で、これが長く続くと死ぬようです。
その蚊取り線香の成分で死ぬのは、蚊だけなのか?
これもちょっと気になりますよね。
もしかしたら、ダニとかゴキブリとかに効いてくれるとありがたい。
そんなふうにも思ってしまいます。
では、蚊取り線香の効果はどの程度期待できるのか、他の虫への影響について別の記事にまとめました。
関連ページ>>蚊取り線香はダニやノミには効かないの?ゴキブリやカメムシは?
こちらも面白いので、ぜひ読んでみてください。
蚊取り線香の煙と燃焼
蚊取り線香は火をつけて燃やして使うものですが、あの燃焼によって蚊取り線香に含まれるピレスロイドの効果が発揮すると言います。
蚊取り線香は煙が出ますよね。
あの煙で蚊が死ぬ仕組みなのか?
実はそうではなく、燃焼部分から殺虫成分は発生しているようです。
あの煙は不完全燃焼を起こしている煙で、あの煙に殺虫作用はないようなんですね。
煙には二酸化炭素や水などが含まれているとのことです。
有効成分は火のついてる少し手前から揮散し、煙にのって拡がっていく部分も多少はあるようです。
蚊取り線香の人体への問題は?
蚊の神経に作用してマヒさせると聞くと、
人体には問題ないの?
やっぱり心配になってきますよね。
ただピレスロイドというのは人体に入っても、成分を分解できる酵素を持っているので、無毒化されて体外に排出されるんですね。
だから蚊取り線香で蚊の神経をマヒさせますが、人に対しては問題ないレベルの安全な成分として活用されています。
また、ピレスロイドは太陽光など空気や熱といった、自然の部分でも分解がされやすいようです。
蚊取り線香は火をつけて燃焼させて殺虫成分を発生させていますが、その必要な瞬間に効果が発揮されて、あとは時間がたてば自然と分解されていくという性質もあるようですね。
そういう性質面でも人体に問題の少ない比較的やさしい殺虫剤として、蚊取り線香は広く普及していると言われています。
蚊取り線香と妊婦や赤ちゃんへの問題
そんな蚊取り線香の妊婦への影響はどうなのか?
ここも気になりますよね。
これについてもメーカーなどの回答では、
ということがどのメーカーも共通して言われています。
ただし妊婦さんは日によってつわりがあったりなど、気分がすぐれないときがあると思います。
そういう時に蚊取り線香の臭いが影響し、つわりが悪化したり気分が悪くなる可能性もあるようです。
なので、あまり体調がすぐれない妊婦さんの場合は、蚊取り線香は控えた方がいいのかもしれません。
という回答で各メーカーが共通した意見を持っています。
これも、例え赤ちゃんであってもピレスロイドを分解する酵素を持っているので、体内に入ってもすぐに分解し体外に排出することができるようです。
なので、赤ちゃんがいても蚊取り線香の使用は問題ないと言われています。
もし、蚊取り線香やリキッドタイプの蚊取り器などは寝てる時にあまり使いたくないと思う人は、蚊帳(かや)を使ってみてはどうでしょう?
いろんな種類があるので、ぜひ一度ご覧になってください。
ただ、やはりこちらもこまめな換気は必要です。
というのも、
これに対しては注意しないといけないからです。
蚊取り線香使用中の問題
人体に害はないと言われていますが、それでもやはり心配な問題が全くないとも言えません。
実際のところ体にどのような影響があるかもわからないので、蚊取り線香を室内で使っているときは換気もした方が良いと思います。
また、あの煙は不完全燃焼を起こしているものなので、やはり多少は部屋に充満したり臭いもあります。
そういったことからも、メーカーでも閉め切った部屋や狭い部屋での使用では換気を推奨されていますね。
その蚊取り線香の煙でのどが痛い、目が痛いといったような症状が出ている人もいるようですね。
メーカーのホームページ上でも、
- 必ず窓を開け、風通しの良い状態にして風上に置いて使う。
- 部屋を閉め切ると、煙がこもって目やのどに刺激を感じることがある。
- アレルギー体質の人は使用に注意する。
こういった注意喚起もされています。
蚊取り線香使用中はこまめな換気を
さて、この蚊取り線香の煙の有害性ですが、その煙の中に含まれる
発がん性物質のベンゼンはどのくらいの量なのか?
これを調べた研究を
線香、お香及び蚊取り線香の煙中ベンゼン濃度
という形で、東京都健康安全研究センターの薬事環境科学部環境衛生研究科が行っています。
結果としては、蚊取り線香に含まれるベンゼンの量は
平均で10.9μg/m3
というような数値が出たようです。
そして大気環境基準は「3μg/m3」なので、基準値を超えていますね。
引用先
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000047002.pdf
こういうことからもこまめな換気は必要だと言えるでしょう。
天然成分由来で人体への影響はないとしながらも、メーカーは換気や使用の注意を呼び掛けているので、絶対に安全ということは言えないと思います。
使い方としては、先ほどのメーカーの使用上の注意にもあったように、部屋の状態や体調などをしっかり確認して使うようにしたいですね。
その蚊取り線香には煙が少ないタイプのものもあります。
関連ページ>>蚊取り線香の臭いや煙が少ない物はないの?香りがアロマの商品とは?
今はいろんな種類の蚊取り線香が販売されているので、自分にはどれがいいのか考えてみてください。
あとがき
蚊取り線香の原料や成分は何でできているのか。
また蚊が死ぬ仕組みや人体への問題はどうなのかまとめましたがいかがでしたか。
蚊取り線香は非常に便利で、夏には必要なアイテムですが、体にのどの痛みなどの問題が出るようなら、ちょっと使い方も考えた方が良さそうです。
また、煙がしんどいなどの場合は、リキッドタイプの蚊取り線香もあったりするので、そちらの方が向いているかもしれませんね。
その蚊取り線香を使いたいけれど、妊婦や赤ちゃんへの影響はどうなのか?
犬や猫などペットを飼っているけど、使っても大丈夫なのか?
こちらについては別の記事でまとめました。
関連ページ>>蚊取り線香は妊婦や赤ちゃんに害はない?ペットの猫や犬は?
蚊取り線香がどんな影響をもたらすのか、広く見ておきたい人はこちらも読んでみてください。