正月

鏡開きとは意味や由来は?結婚式の酒樽の違いは?やり方と包丁の扱い

2017年12月25日

鏡開きとは

鏡開きは毎年1月11日に行われるお正月の行事ですが、どうしてこの日にちに行われるのか疑問に思ったことはないですか?

「1がゾロ目で縁起がいいから」みたいにも感じ取れますが、鏡開きとは深い意味が込められています。

また、なぜ「鏡開き」と言うのか、その名前がついたことにも大きな理由があるのですね。

そして、結婚式やお祝い事でお酒の樽を木づちで割って振舞われる儀式も鏡開きと言いますが、この関係はいったいどうなっているのか。

 

そこで今回は、

鏡開きとはその意味や由来は。

また、結婚式で行われる酒樽を割る鏡開きとはどう違うのか。

そして鏡開きのやり方や包丁の扱い、お餅とお年玉との関係についてまとめました。

鏡開きにはお正月のいろんな行事や風習ともつながりがあって面白いので、ぜひ最後までご覧ください。

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鏡開きとは意味や由来は?

お正月には鏡餅をお供えしますが、あの鏡餅って最終的には割って餅を食べますよね。

あれはもちろん「そのままにしておくともったいないから」ということもありますが、実はしっかりとした鏡開きという風習なんですね。

そもそも鏡餅の意味というのは、

歳神様へのお供え物

とされています。

 

歳神様というのは元旦に各家に訪問して、1年間家族の災いや不幸から守ってくれるとされる神様の事なんです。

鏡餅の由来とは、昔から「鏡には神様が宿る」とされていて、丸い餅の形が銅鏡の形に似ていることなどから、鏡餅と呼ばれるようになったんですね。

その鏡餅の由来や意味について、別の記事でもっと詳しく触れているので、ぜひこちらもご覧になってください。

関連ページ

>>鏡餅の意味や由来とは?みかんや干し柿、台や紅白の紙の意味は?

 

そんな歳神様へのお供え物である鏡餅は、

お正月が過ぎた1月11日

この日に「鏡開き」として鏡餅を割り、

 

家族の円満を願いながら、ひとかけらも残すことなく食べる

というのが、この鏡開きの意味なんですね。

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鏡開きの由来と歴史とは?

 

では、鏡開きがどうして行われるようになったのか?

この鏡開きの由来にはいくつか説があって、しっかりとした起源は不明のようです。

ただ、平安時代の頃からすでに鏡餅というのはあったようですね。

その様子は、源氏物語にも鏡餅の記述があったようです。

 

その鏡餅が今のような形でお正月に備えられるようになったのは、家に床の間が作られるようになった室町時代以降とされています。

 

ただ、鏡開きの風習は江戸時代にならないと行われなかったようです。

 

その鏡開きの由来は、

  • 江戸時代に武家で行われていた「刃柄(はつか)」を祝う風習
  • 女性が鏡台に供えた鏡餅を開く「初顔」を祝う風習

 

補足

刃柄祝い:正月に鎧兜などの甲冑の前に供えた具足餅(ぐそくもち)を下げ、槌などで割って食べる行事。

 

この武家社会の風習が一般に浸透したものが鏡開きの元だとされていて、江戸城では汁粉などにして食べられていたようです。

 

鏡開きが1月11日の意味とは?

この鏡開きが行われるのは、一般的には1月11日となっています。

歳神様へのお供えは松の内(1月7日)までというのが、おおよその地域の日付となっているので、この日を境にしています。

もともとは1月15日(小正月)までが松の内でしたが、江戸時代に1月7日までとするようになったことが始まりのようですね。

1月7日に変えたのは、明暦の大火(めいれきのたいか)または振袖火事・丸山火事とも呼ばれる江戸の大半を焼いた大火事を教訓に、

 

燃えやすい正月飾りは早めに片付けようという教訓から、松の内の期間が短くなった。

と言われていますね。

そんな松の内が終わった後に鏡開きを行ったわけです。

 

そして江戸幕府では、1月11日が「蔵開きの日」となっていました。

蔵開きとは、

商売をする家で、新年初めて蔵を開き商売繁盛を祈る。

といった風習のことで、これに合わせて鏡開きも行うようにしたという説があります。

ただ、もともと鏡開きは1月20日に行われていたようですが、徳川三代将軍家光の忌日が20日であったため、大名家が米蔵などの蔵開きの日の1月11日に変更し現在に至っているようです。

 

鏡開きにはこのような由来があり、1月11日に行われるものとして定着したわけなんですね。

 

そして実は、この鏡開きの日にちは関東や関西など地方によって少し違いがあるようです。

どうして鏡開きの日にちが地方で違うのかなど、それぞれの特色があるので興味のある方はこちらも読んでみてください。

関連ページ

>>鏡開きの日にちはいつ?関西や関東、東北など地方で違う?

 

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鏡開きで結婚式の酒樽と鏡餅を割る違いは?

鏡開き 酒樽

さて、この鏡開きは正月の鏡餅を割る儀式ですが、婚式の時などで酒だるを割ってお酒をふるまう儀式のことも鏡開きと言います。

プロ野球で優勝したときや電車の開通があったりなどでも、酒樽のフタを割るシーンをよく見ますよね。

 

この2つの違いっていったい何なのでしょうか?

 

実は、祝い事の時に振舞われる樽酒のフタを「鏡」と呼びます。

それを木づちなどで割ることから、鏡開きと言います。

この時に樽の中にあるのは日本酒ですが、日本酒はお米からできるお酒ですよね。

お米というと日本人には切っても切れない食べ物です。

そんなお米からできる日本酒は、昔からとても神聖な物とされてきました。

 

この神聖な日本酒でお祝いをし、それを参列者でお酒を酌み交わし祈願成就を願う風習があります。

ですので、

酒樽のフタを割ってお酒をふるまう儀式の鏡開き

お正月に鏡餅を細かく砕いて食べる鏡開き

この2つは全く違うものですが、どちらも健康や幸福を願うという根本的な精神は共通のものがあるのですね。

 

鏡開きという名前の由来とは?

鏡開き 結婚式

酒樽のフタを割る鏡開きと、鏡餅を砕いて食べる鏡開きと違いはありますが、どうして鏡開きという名前で「開き」という表現を使うのか?

実は、これにも大きな理由があるんですね。

「鏡割り」とも言われそうですが、これらの儀式は「お祝い事」でするものなので、

  • 割る
  • 切る
  • 砕く

こういった表現は「忌み言葉」となるので縁起が悪いわけなんですね。

これは、年賀状を書くときにも出てきました。

関連ページ

>>年賀状の書き方!会社や上司へのマナーとは?

そこで、こういった言葉は使わず縁起のいい「開き」という言葉で表現したわけなんです。

 

補足

「開き」という言葉は「末広がり」を意味するので、数字の「八」などと同じく、

いつまでもその家が繁栄する、子孫繁栄

といったように縁起がいい言葉なんですね。

数字の「八」のように、下に伸ばしていってもずっと広がっていきますよね。

またちょっと異なりますが、「8」も永遠につながっている数字で終わることがありません。

末広がりという言葉はもともと狂言の曲目の一つで、そこからきているようです。

 

ですので、鏡割りや鏡切りなどではなく

 

「鏡開き」

 

こう呼ぶのですね。

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鏡開きのやり方や包丁の使用は?

さて、この鏡開きのやり方ですが、基本的には木づちなどを使って割るようにします。

そこで「包丁」の扱いなのですが、お餅を切ってわけるのは包丁を使うのが便利で早いですよね。

でも、鏡開きのやり方で木づちなどを使うのは、

鏡餅には歳神様が宿ったものだから、包丁で切るというのは縁起が悪い。

このようにされていて、包丁は使わないんです。

 

先ほども忌み言葉として「切る」という言葉をピックアップしましたが、お祝いの時に「切る」というのは、

  • 縁を切る
  • 手を切る
  • 家族が離れ離れになる

こんなことを連想させるので、包丁で切るというのはしないんですね。

 

鏡開きとお汁粉のふるまいの様子

https://youtu.be/FjU90qTD-H0

ただ、大きなイベントなどではすることがあるかもしれませんが、今ではなかなか木づちで砕く家庭は少ないと思います。

 

お餅ってメチャメチャ固いですしね。

いったんお湯にくぐらせて、ふやけさせてから分けたりするのが楽なやり方だと思います。

包丁を使うと言っても硬いままだと危ないですし、どの道使えないです。

 

この鏡開きで分けられたお餅は、端っこの部分もすべてお雑煮やお汁粉などにして食べるようにしましょう。

その鏡餅を使っていろんなお餅の料理ができますが、お汁粉など小豆を使ったものは「小正月」でも食べられるものでとても縁起のいい食べ物です。

小豆は邪気を払う食べ物として、昔から赤飯などおめでたいときに使われてきました。

そのお汁粉の作り方は、別の記事でもまとめています。

関連ページ

>>鏡開きのお餅を使ったおしるこやぜんざいの作り方は?料理のレシピ

こちらもぜひご覧になってください。

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鏡開きのお餅とお年玉の関係とは?

お年玉と鏡餅

さて、鏡開きとはその由来や意味についてみてきましたが、鏡餅というのは実はお正月には欠かせない

お年玉

これと非常に深いつながりがあると言われています。

 

結論から言うと、実はお年玉というのはこのお餅のことを言ったのです。

 

鏡餅というのは「歳神様」が宿っているお餅として「縁起のいいもの」という説明をしてきましたよね。

その縁起物のお餅を家長が家族に分け与えたことが、お年玉の由来となっているようです。

この供えられたお餅がお下がりとして家族に分け与えられる際には、歳神様の魂が宿っているものと考えられ、

「御年魂」

として、家族に振る舞われたんです。

今ではお雑煮などの正月料理に代表されるように、お餅はお正月の代名詞のようにもなっていますが、この歳神様へのお供えから来ているものだとされています。

 

お雑煮は、

お年玉としていただいたお餅を食べるための料理

とも言われていますね。

このお餅を食べることで「魂を体の中に取り入れる」という意味があります。

 

じゃあ、それがどうして今のようにお金を渡す習慣になったの?

 

こんな疑問がわくと思いますが、そのお年玉の由来や意味については別の記事でまとめているので、ぜひこちらもご覧になってください。

関連ページ

>>お年玉の由来や意味とは?何歳から何歳まであげる?

 

あとがき

鏡開きとはその意味や由来は。

また、結婚式で行われる酒樽を割る鏡開きとはどう違うのか。

そして鏡開きのやり方や包丁の扱い、お年玉との関係についてみてきましたがいかがでしたか。

お正月に行われる行事も、この鏡開きとお年玉のように一つ一つに繋がりが見えてくると面白いですよね。

その鏡餅ですが、どこにどのようにして飾るのか、その飾り方や置く場所にもいくつか候補があります。

どこに鏡餅を置くのか迷ったら、こちらの記事も読んでみてください。

関連ページ

>>鏡餅を飾る日はいつからいつまで?飾り方や置き場所は?置物もアリ?

 

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