お正月には鏡餅を飾ってお供えしています。
門松やしめ縄なども正月飾りにありますが、この鏡餅を供えるだけでお正月の雰囲気が出ますよね。
そんな鏡餅ですが、
いったいなぜお正月には鏡餅を供えるの?
ちょっと不思議に思ったりしませんか。
実は、この鏡餅には神様を宿す意味があり、一家の健康や円満を祈願するものだったんです。
そして鏡餅や一緒に飾られるみかんや干し柿などにも、様々な意味が込められています。
そこで今回は、
鏡餅の意味や由来にはどんなことがあるのか。
また、みかんや干し柿、台や紅白の紙などの飾りつけにはどんな意味があるのかまとめました。
鏡餅の名前の由来や「どうして丸型なのか」など、すべて意味ある事だったのがわかるのでぜひ最後までご覧ください。
鏡餅の意味や由来とは?
お正月にはしめ縄や門松に代表されるように、お正月前にはいろんな飾りつけをしますよね。
そんな正月飾りの中でも、ほとんどの家でお供えするのが
鏡餅
鏡餅を備えると、正月を迎えるんだなっていう気持ちが一気に高まります。
そんな鏡餅ですが、
- どうしてお餅をお供えするの?
- あの形は何なの?
- なぜ鏡餅って呼ばれるの?
- 鏡餅になぜみかんが乗ってるの?
- お餅以外の紅白とか干し柿の意味って?
いろいろと不思議に思うことがあると思います。
実はそれぞれにすべて意味があって、とても大切なことなんですね。
では、この鏡餅の意味や由来とはどんなことがあるのでしょうか?
鏡餅は平安時代からあった
この鏡餅はいつからあったのか、その歴史をさかのぼると、平安時代の源氏物語の一節に
『歯固めの祝ひして、餅鏡をさへ取り寄せて』
このような文があり、この時代には既に存在していたのではないかと言われています。
そして、今のようにお供えをするという形になったのは、室町時代以降と言われていますね。
それが鏡開きのように一般的に広がりを見せたのは、江戸時代になってからという歴史があるようです。
そして、この鏡餅は三種の神器の一つである、「八咫鏡(やたのかがみ)」を形取ったものとも言われています。
鏡餅の名前の由来や意味とは?
そんな鏡餅ですが、どうして
というような名前なのか不思議ですよね。
鏡餅の由来とは、昔から「鏡には神様が宿る」とされていて、丸い餅の形が銅鏡の形に似ていることなどから、鏡餅と呼ばれるようになったんですね。
そんな鏡餅をお正月に供える意味もきちんとあります。
この鏡餅の意味というのは、
とされています。
歳神様というのは元旦に各家に訪問して、1年間家族を災いや不幸から守ってくれるとされる神様の事なんです。
この歳神様を家にお迎えするために、その依り代として鏡餅がお供えされているんですね。
また、この鏡餅という名前は、丸い餅の形が銅鏡に似ていることから、その鏡に自分をうつし「鑑みる(かんがみる)」ということから、
このように変化したとも言われています。
鏡餅の2段重ねの意味は?
鏡餅って、丸形のお餅が2段重ねになって積まれていますよね。
どうして2段重ねのスタイルなのかというと、それぞれが陰と陽、月と太陽を表していると考えられています。
月と太陽は私たちの生活には欠かせないものであり、暦を見る上でもとても重要な存在ですよね。
また、あの丸い形は鏡を表していることもありますが、「円満」という意味も込められていると言われています。
また、丸形は「心臓」をかたどったものとされ、それを食べることで元気な活力を得ることができると信じられてきました。
そんな2つが重なることで、
このような願いが込められていると考えられています。
鏡餅のみかんや干し柿の意味は?
鏡餅にはお餅のほかにも、みかんや干し柿、紅白の紙などいろいろとセットでお供えしますよね。
全部飾りつけしない人も多いですが、みかんはほぼ乗せているところが多いんじゃないでしょうか。
あのみかんって「何となく見栄えがいいから」とか、そういう意味で乗っけられているのではなくて、実はあのみかんは、
と言って、
家が代々栄えるように。
との願いが込められてお供えしているものなんです。
実際に「ダイダイ」というオレンジがあるのですが、なかなか手に入らないので、一般的なみかん(温州ミカン)で代用しているというわけなんですね。
鏡餅の干し柿は串柿
鏡餅には干し柿を串にさして連ねたものをお供えすることもありますが、あの干し柿は
このように呼ばれていて、実は三種の神器の剣を表しているとも言われています。
鏡餅:鏡
みかん:玉
串柿:剣
このような関係ですね。
柿は長寿の木とされ、
といわれ、喜び幸せが来るという考えもあるようですね。
鏡餅の台や紅白の紙の意味は?
鏡餅と言えば「台」を用意してその上に置きますよね。
また、紅白の紙やお餅をのせるときに「葉っぱ」の上に置いたりしますが、これらもすべて意味が込められています。
まず、鏡餅を置く台は、
こう呼ばれる台で「三宝」とも書きます。
三方は供物を載せるための台で、三方向に穴があいていることから「三方」と呼ばれています。
この三方は、お正月前にも一度使っているかもしれません。
実は、鏡餅を置く事に使いますが、月見団子を置くときにも台があったのを覚えていませんか?
あれも実は三方なんです。
関連ページこんな意外なところでつながっていたんですね。
鏡餅の紅白の紙は御幣(ごへい)
鏡餅を供えるときに紅白の紙と一緒にお供えしますが、あの紅白の紙は
このように呼びます。
御幣とは四方に手を広げて、繁盛を願うものなんですね。
また、紅白をしているのは、赤色に魔よけの意味が込められていると言われています。
これらのほかにも飾り付けはいくつかありますよね。
鏡餅の飾り付け:裏白(ウラジロ)
シダの一種で表面は緑色で裏面が白くなっています。
裏が白いので
つまり清廉潔白を表しています。
また、葉の模様が対になっているので、「夫婦ともに白髪になるまで長生きする」という意味も込められているようです。
鏡餅の飾り付け:四方紅(しほうべに)
三方の上に置いて、鏡餅をのせるときに敷く紅白の紙が
四方を紅でふちどる事で、天地四方の災いを払って一年の繁盛を祈願するものだそう。
四方紅がない場合は、奉書紙で代用してもいいようです。
鏡餅の飾り付け:昆布 (こぶ)
昆布 (こぶ)は四方紅と鏡餅の間に昆布を置き前に垂らしたり、2枚を横に広がるように飾ったり、橙の下に昆布を敷いたりするなど、いろいろ飾り方があるようです。
昆布は「よろこぶ」という意味が込められ、語呂合わせで飾り付けがされるようですね。
地方や家によって飾り方もいろいろあり、他には伊勢エビや松を加えて飾るなど、縁起ものを一緒に盛るところもあります。
鏡餅以外の門松やしめ縄の意味
また、お正月には鏡餅以外にも、門松やしめ縄といった正月飾りをしますが、簡単にこれらの意味を説明すると、
門松:歳神様が迷わないよう目印にするため。
しめ縄:しめ縄で家の内と外の境界をはっきりさせて、清浄な場所であると示し邪気を払っている。
このような意味があるんですね。
あとがき
鏡餅の意味や由来にはどんなことがあるのか。
また、みかんや干し柿、台や紅白の紙などの飾りつけにはどんな意味があるのか見てきましたがいかがでしたか。
鏡餅の中にもこれだけいろんな意味が込められていたのかと思うと、とてもありがたいお供え物だったのですね。
その鏡餅は、歳神様が宿る依り代としてお供えされるというお話でしたが、そんな神様が宿った鏡餅を割って食べる
という風習があります。
こちらも鏡餅のお供えの後で大切な行事になるので、どんなものなのか、いつ行うのか?
いろいろ知りたいことがあると思うので、こちらの記事もご覧になってください。
関連ページ>>鏡開きの日にちはいつ?何日なのか関西や関東など地方で違う?