年末になると年賀状の作成で慌ただしくなる時期だと思います。
友達に向けての年賀状は気軽にふざけたものも取り入れて書けますが、ビジネスとして会社に送る年賀状や上司、お世話になった先生などに送るときはマナーが必要になります。
そんな年賀状の失礼のない書き方や例文についてまとめてみました。
出した相手に失礼のない年賀状の書き方の参考にして下さい。
年賀状の書き方 会社に送る場合は?
取引先などの会社に送る場合には、相手に関係なく無難な表現で作成することが多くなると思いますが、その文面の中にも「アクセントや心のこもったメッセージ」などがあると、受け取った側も悪い気はしませんね。
そんな会社に送る場合の年賀状のポイントを見ていきましょう。
年賀状の書き方の基本的な流れは次のようになります。
- 賀詞(新年の挨拶、少し大きめの文字で)
- 昨年のお礼
- 新しい年の先方とのお付き合いや、幸せを願う言葉
- 年号・月日
- 添え書き(一言メッセージを書く場合は手書きで。)
友人に送る場合などは近況報告も入れるのもいいと思いますが、会社に送る場合には特に入れる必要はないと思われます。
この基本的な流れを抑えた上で会社、取引先に送るといったビジネスの場面で使える年賀状の文例をいくつか紹介したいと思います。
ビジネスの場面で送る年賀状の文例1
謹賀新年
旧年年はひとかたならぬご用命を賜わり厚くお礼申し上げます
本年も社員一同 社業発展に専心する所存でございますので 何卒変わらぬご愛顧の程よろしくお願い申し上げます
皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈り申し上げます
令和○○年 元旦
ビジネスの場面で送る年賀状の文例2
謹んで新春のお慶びを申し上げます
旧年中は格別のご愛顧にあずかり厚くお礼申し上げます
弊社はお蔭様で本年創立50年を迎えることができました
これもひとえに皆様のご支援とご協力の賜物と感謝いたしております
本年もサービス向上に専心して参りますので 今後ともご愛顧を賜りますようお願い申し上げます
令和○○年 元旦
ビジネスの場面で送る年賀状の文例3
あけましておめでとうございます
旧年中は絶大なるご愛顧を賜り誠にありがとうございました
年頭に際し貴社益々のご発展をお祈りいたしますとともに 本年も倍旧のお引き立てのほどどうぞよろしくお願い申し上げます
令和○○年 元旦
どれもある程度テンプレート化してPCで印刷して使うといった会社が多いと思います。
ですので、テンプレートだと受け取った側は少し味気ない感じがしますが、その中にも一言メッセージとして添え書きがあると、その印象はずいぶん変わってきます。
ですので、印刷しただけの年賀状ではなく、できれば手書きで一言添えて送ることをオススメします。
そうは言っても、
どのようなメッセージを添え書きしたらいいのか?
ちょっと考えてしまいますよね。
ビジネスの場面はもちろんのこと友達や親戚、恩師などのに送る場合も含め、様々な場面で使える一言メッセージ集をこちらでまとめています。
ぜひ参考にしてくださいね。
年賀状の書き方 上司に送る場合は?
年賀状を上司に送る場合には、基本的に上で説明したような流れになります。
そして、内容としても「目上の人に送る年賀状」の文章構成にするのが無難です。
では、会社に送る場合と上司に送る場合の違いは、どこなのかというと
- 年の抱負や目標などについて。
- さらなる指導や力添えのお願い。
- 昨年の仕事のエピソードなどを交える。
このようなポイントを抑え、上司に向けて書いた文例をいくつか用意しました。
上司に送る年賀状の文例1
謹んで年頭の御祝詞を申し上げます
旧年中はいろいろとお心遣いをいただき 誠にありがとうございました
本年もご期待に添えるよう精進いたす所存です
ご家族の皆様には ご健康で幸多い一年でありますよう祈念いたしております
令和○○年 元旦
上司に送る年賀状の文例2
謹賀新年
旧年中は公私共にお世話になり 心より感謝いたしております
入社二年目の今年は 一つでも案件を多く成功させることが出来るように 積極的な姿勢で業務にあたりたいと思っております
本年もご指導とご鞭撻の程 何卒宜しくお願い申し上げます
令和○○年 元旦
上司に送る年賀状の文例3
新年おめでとうございます
昨年は○○の企画において貴重なアドバイスをいただき 本当にありがとうございました
今年は私も部下を持つ立場となりますので 先輩のように後輩たちの手本となるよう業務に励む所存でおります
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
令和○○年 元旦
これも、相手上司との関係性にもよるところはありますが、割と歳が近く話しがしやすかったりプライベートなどでも付き合いがある場合には、すこし冗談も交えることも出来るかと思います。
ただ、年配の上司についてはきちんと失礼のないように書くほうが無難ですね。
年賀状の書き方のマナーとは?
友人に送る場合と違い、取引先の会社に送るビジネスでの場合や恩師に宛てる年賀状の場合などはマナーが必要になります。
そんな年賀状の書き方のマナーとして知っておきたいポイントは4つあります。
- 賀詞で「迎春」や「賀正」などは書かない。
- 忌み言葉は使わない。
- 句読点は入れない。
- 意味の重複する言葉を使わない。
このようなマナーがあります。
それではそれぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
1.賀詞で「迎春」や「賀正」などは書かない。
1文字、2文字の賀詞は「目下の人向け」とされているので、取引先の会社に送る場合や先生などに送る場合には使わないようにしましょう。
例えばどのような賀詞かというと、
- 1文字「寿」「福」「賀」「春」「慶」「禧」など
- 2文字「賀正」「迎春」「賀春」「頌春」「初春」「寿春」など
こういった言葉ですね。
例えば、
- 「寿」や「賀」:『おめでたいことです。』
- 「賀正」:『正月を祝います。』
- 「迎春」:『新年を迎えました。』
このような意味の言葉を年賀状の賀詞として使うことになるので、目上の人に対して使う言葉ではないのですね。
賀詞を使う場合は「謹賀新年」のような言葉が望ましいですね。
ただ、使える期間が決まっていたりするので注意は必要です。
関連ページこちらで詳しくまとめているので、マメ知識として頭に入れておくといいと思います。
2.忌み言葉は使わない。
年賀状では、
といった言葉は避けたほうがいいですね。
去年「去」にも「別れる」「離れる」といった意味があるので
「去年はお世話になりました。」
ではなく、
「昨年はお世話になりました。」
というような書き方がいいと思います。
3.句読点は入れない。
結婚式の招待状のメッセージなどでもそうですが、句読点をつけることで縁起が悪くなるといった考えがあります。
この年賀状に関しても似たような部分があり、
年始の挨拶として『区切り』を付けないために句読点は使わない。
ということで、年賀状では一般的には句読点は入れないものとされています。
ですので、見やすくするためには改行したり、少しスペースをあけるなどして工夫するといいでしょう。
4.意味の重複する言葉を使わない。
年賀状の挨拶でよく書いてしまうのが、
何が悪いの?
と思われるかもしれませんが、
「新年」
という言葉にはすでに「年が明けた」という意味が込められているため、
こんなふうに意味がかぶってしまうのですね。
他にも、
これも、
という意味なので、
「2000年 1月1日 1月1日の朝」
こういうことになってしまうのです。
これらのマナーのポイントに注意しながら、あとは誤字脱字などがないように仕上げれば失礼のない年賀状が完成すると思います。
あとがき
年賀状といっても、気にしていないとこのようなマナーについて学ぶ機会もなかったのではないでしょうか?
友達同士ならこんなことは一切気にしなくても良いとは思いますが、会社の上司や先生など目上の人に対しては、きちんとした年賀状を送りたいですね。
ただ、個人情報保護の観点から仕事仲間の住所も知らないといった人も多いですし、今では年賀状を書くといったこと以外にも、メールやLINEなどで簡単に済ませるといったことも増えてきました。
実物を手に取ることが出来る
というのもあれば、それとは別にまさに今、送られてきたという
を感じるといった人もいるようで、どちらがいいのかというのは意見が分かれ始めてきているようです。
こんな年賀状のマナーも、いつの間にか「年賀メール、LINEでのマナー」といったものが出来始めるのかもしれませんね。