風邪をひくと様々な症状が現れますが、代表的な症状としては
- 熱が出る
- 喉の痛みや咳、声枯れ
- 鼻水
- 頭痛
- 下痢、腹痛
このような症状が現れやすいと思いますが、これら風邪の症状を早く治す方法はあるのか?
その治し方について症状別でまとめてみました。
風邪の治し方の中には、今まで一般的に考えられていたこととは全く違う方法もあるので是非ご覧になって下さい。
風邪の治し方 喉の痛みや咳がある場合は?
風邪をひいて喉の痛みや咳がある場合には、
これが結構重要なポイントの一つになってきます。
咳をすると喉が乾燥状態になりやすく、それによってまた咳が出るので連鎖して喉の環境が悪くなっていきがちです。
それを防ぐためにも部屋の乾燥に気をつけるため保湿は重要な要素になります。
また、インフルエンザウイルスも湿度に弱いことがわかっていますので、風邪に加えインフルエンザ対策にも有効な方法なのですね。
具体的な対策方法としては
- 加湿器などで部屋を加湿する。
- マスクを付ける。
- のど飴などで喉を潤す。
- 鼻呼吸をする。
- のどスプレーや市販薬を使う。
このような方法が、喉を乾燥から守ってくれるため喉の痛みがある風邪の治し方として適していると思われます。
またこれらは、風邪の予防法としても効果が期待できるので、普段から心がけてマスクをしたり鼻呼吸をするなど習慣づけるといいでしょう。
喉の痛みにはうがい!というのは本当?
風邪予防などでよく親から言われていたのが、
「外から帰ったらうがい、手洗いをしなさい!」
おそらくあなたもこのように言われたことがあるでしょう。
しかし、うがいには正確に風邪を予防する効果があるといった科学的根拠はなく、あくまで民間療法のような考えになっています。
インフルエンザ対策においても、厚生労働省の予防ガイドラインには手洗いの項目はあってもうがいの項目はありません。
うがいによる風邪の予防面では、京都大学の川村孝教授のグループが、被験者を「うがいをしない群」「水うがい群」「ヨード液うがい群」に割り付けて、うがいの風邪予防効果を検証したなどの研究結果から、いくらか効果は見られたようです。
アメリカのメイヨー・クリニックなどの研究でフィリップ.T.ハーゲン博士によると、水でうがいをするよりも「塩うがい」の場合では、1日3回食塩水でうがいをすることで、呼吸器感染率を40%まで減少させられることが分かったそうです。
こういった研究の結果もあり、うがいをすることで喉を乾燥から守るといった効果は期待できるので、一概に否定することはできません。
また、紅茶うがいによってインフルエンザの感染率が減少したという研究結果も報告されています。
詳しい内容については、インフルエンザの予防法の中で触れています。>>インフルエンザの時の食事で栄養のあるレシピや予防にいいものは?
どちらにせよ、うがいをして悪い影響はないと思うので、出来るのであれば積極的に行ったほうが気分的にもいいですね。
また、喉の痛みがある場合には喉を優しくいたわってあげなくてはいけません。
そのために刺激の強い食べ物や香辛料、タバコ、お酒といったものは控えるようにして下さい。
また、声を出すことも喉の乾燥、炎症をすすめてしまう可能性があるため、カラオケに行ったりするのも控えたほうが無難です。
風邪の治し方 熱がある場合は?
風邪の症状として熱がある場合、今までの対処法の中には、
「汗をかいたら治る」
というように言われてきたことが多いと思いますし、私も親からそのように言われたと思います。
また、実際に汗をかいたら治った経験があるので、自分でも汗をかいたら治ると信じていました。
しかし、そのためには
布団をかぶり身体を温める
ゆっくりと休息をとる
汗が大量に出る
風邪が治った
このような流れがありましたし、あなたもそうだと思います。
しかしこれは「汗を大量にかいたから治った」のではなくて、
「布団をかぶり身体を温めて、ゆっくりと休息をとっていた。」
から風邪が治ったのであり、「汗を大量にかいた」ということはあくまでそのあおりです。
風邪をひいて熱がある場合には、上で触れたように
ということが重要になってきます。
それには人間の体の免疫システムが関係してくるのですが、体温は1℃下がると30%免疫機能が低下すると言われており、1℃上がると5倍ほど上昇すると言われています。
つまり、体温が平熱よりも1℃ほど高い37.0~37.5℃あたりでは、体の免疫機能が普段よりも上昇している状態になっています。
発熱があるのは体の免疫機能が風邪のウイルスと戦ってくれている証拠なので、体温が37.0~37.5℃の状態が最もウイルスに抵抗するための温度として適しているのですね。(これ以上上がると体がキツくなってくる。)
ですので、この体温を保つために身体を暖かくするということは重要になってくると考えられています。
この理論から、体を温めるというのは免疫力を高めることにもつながるといったことが考えられるため、
「お風呂に入って体を温める」
という方法も風邪の治し方の一つとして挙がっています。
一般的に
「風邪をひいたらお風呂に入ってはいけない。」
という考えが根付いていますが、これは今の時代にはあてはまらないという考えが強くなってきています。
ただ、風邪をひいている時にはお風呂の入り方に十分注意しないと湯冷めして悪化させる可能性もあるため、きちんとポイントを抑えた入浴が必要です。
お風呂に関しては、汗を流すなどのリフレッシュ効果も期待できるのでスッキリすると思いますが、必ず入ったほうがいいというわけではないので、その時のあなたの体調と相談して判断してくださいね。
その一方で、熱が出たら解熱剤を飲んで安静にするといった考えもありますが、微熱(37.0~37.5℃)程度の時には、風邪薬や解熱剤は安易に飲まないほうがいいとの見方が強く、ウイルスと戦っている免疫機能の妨げになる可能性もあるというのですね。
ですので、微熱程度の発熱がある場合に解熱剤を使ってしまうと、せっかく体の免疫機能が上昇しているのにそれを妨げてしまう可能性があるので、かえって長引かせる原因にもなりかねないのです。
ただ、体温が38℃を超えてくると安静にしておかなくてはいけないですし、辛い場合には解熱剤や風邪薬の服用も必要になるかと思いますので、ケースバイケースになります。
風邪の治し方 鼻水が出る場合は?
鼻水が出るということは咳の場合と同じように、ウイルスを外に追いやろうとする機能が働いているために起きます。
鼻水が透明の時は鼻風邪(鼻の症状だけの風邪)で、これが黄色、ネバネバの鼻水になってくると本格的に風邪をひいた状態に近いということになります。
ですので、まだ鼻風邪の段階で対処できれば、悪化する前に治すことが出来ると思います。
この場合でも、あまり安易に風邪薬に頼るのは好ましくないとされており、体の免疫機能に任せるのがベターだと考えます。
また、鼻詰まりがしんどくて呼吸が苦しいといった場合があるとは思いますが、この場合も喉が痛い時と同じように、加湿することで症状が楽になりやすいです。
蒸しタオルを鼻周辺にかけてあげるのも効果が期待できますので、試してみてください。
他にも「ヴィックスヴェポラッブ」を塗るというのも症状緩和にいいと思います。
薬局でも売ってます。
塗る風邪薬で、鼻づまりやクシャミの緩和に効果が期待できます。
頭痛が出る場合には?
あと、風邪の症状として現れるのが頭痛や腹痛ですね。
頭痛がある場合には鎮痛剤を飲まれる方も多いと思いますが、これも先ほどまでと同じで、風邪による頭痛であれば風邪を治すほうを重視したほうがいいです。
つまりきちんと栄養のある食事をして、睡眠をきちんととって休息するということですが、我慢できない場合は鎮痛剤で痛みを和らげるといったことも必要かと思います。
風邪が原因で熱が出て、それにより肩や首筋が張ってしまい、そこから頭痛を引き起こすといったことも考えられるようなので、マッサージや身体を伸ばしたりすることで解消される場合もあるようですね。
腹痛が出る場合には?
風邪で腹痛の症状が現れるのは、
胃腸風邪
とも呼ばれていますね。
特に冬の風邪で腹痛の症状が出るのは、ノロウイルスの可能性も考えられます。
他にも、ロタウイルス、アデノウイルス、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、病原性大腸菌といった原因が考えられます。
腹痛の他に吐き気をもよおすかもしれません。
このウイルスにかかってしまった場合には下痢症状が現れると思いますが、下痢止めなどは使わずウイルスを排泄するようにしたほうが、早く治す方法だと考えられています。
また、この場合には水分補給も大切なポイントになります。
しかし、胃腸は弱っている状態なので、
- 温めたポカリ(もしくは常温)
- 白湯
基本的には温かくて優しい飲み物です。
冷たい飲み物やコーヒーなどのカフェイン入り飲料、炭酸水などは刺激が強いのでやめておきましょう。
また、水分をとってもすぐに吐いてしまったり、尿が出ない、下痢が止まらないなどの場合は一度病院にいって診察してもらったほうがいいと思われます。
また、吐瀉物、排泄物にはウイルスが含まれているため、看護する側もマスクをする、直接触らないなど注意する必要があります。
胃腸風邪についての症状や原因、治し方や予防などについては別のページで詳しくまとめているので、お腹の症状が出ている場合にはこちらの記事を参考にして下さい。
関連ページ>>胃腸風邪の症状が出てる期間の長さは?下痢や嘔吐の治し方は?食事熱
>>胃腸風邪の感染とは?原因や潜伏期間は?感染経路と予防!対処うつる
あとがき
このようにそれぞれの風邪の症状によって早く治す方法は若干変わってきますが、例えば保湿や睡眠については、風邪を引いてしまった場合にどんな症状が出ても気をつけたいポイントになります。
また、風邪を早く治す何よりの方法は、
「風邪気味だと感じたら、すぐに対処する。」
これが一番大切でしょう。
大丈夫と思って無理をしていると、本格的に風邪をひいたり重症化して肺炎を起こしたりする可能性もあります。
そうなってしまってからでは、早く治せたものも時間がかかってしまいますし、何より長引いてしまうのでしんどいですよね。
風邪は引き始めの時だと、まだ体にウイルスと戦うエネルギーが残っている時なので、その間にきっちりと治すように心がけましょう。
そして最後にもう一つは、
「無理に薬などで症状を抑えこもうとしないこと」
熱や咳などを薬の力で抑えることは、体の免疫機能の妨げとなる場合があり、かえって風邪を長引かせることにもつながってしまいかねません。
解熱剤や風邪薬はどうしてもしんどくなった場合や、今日は大事な仕事があってこの時だけは何とかしたいといった場合などに使うほうがいいと思います。
通常はあなたの体の免疫機能に任せるのが一番でしょう。
その手助けのために、今まで紹介したような方法を参考に試してみてくださいね。
ただ、あなたがしんどいと思ったら医師に診察してもらうのが何より確実でしょう。
くれぐれも無理はしないようにしてくださいね。