最近では結納の形にも変化が生まれ、略式結納といった形が多くなってきました。
- では、その略式結納とはいったいどのようなものなのか?
- そして、それはどんな流れや口上で進められていくのか?
今回はそんな時代と共に変化してきた、略式結納の形についてまとめました。
略式結納とは普通とどう違うの?
結納というと、男性宅と女性宅を仲人が往復して、結納品などを取り交わすといった儀式が正式な結納の形で、『正式結納』と呼ばれています。
ただ、現代では、仲人を立てなかったり、両家が離れた場所にあるなどの場合に、ホテルや料亭などの場所で両家の家族が一箇所に集まり行ったりする
『略式結納』
というのが主流になってきています。
その略式結納とは、正式結納とは違い、ある程度自由度が高いです。
略式結納といってもその形は様々で、どこまで簡略化するのかは自分たちで決めていいので、そのスタイルも千差万別です。
地域性や家柄、経済力や時間などによっても左右されるので、略式結納をする場合でも両家でよく相談する必要がありますね。略式結納とは仲人を立てない場合もあるので、そのときには男性の父親が進行役を務めることが多いようです。
ただ、ホテルや結納プランなどで進める場合には、そこの担当者が進行役を行ってくれることもあるので、どういった結納をしたいかによっても変わってきますね。
このように略式結納とは、正式結納と比べていくつか異なるポイントがあるのですが、それを整理すると次のようになります。
略式結納をする際に抑えたいポイント
- 仲人は立てるのかどうか。
- 場所はどこで行うのか。(ホテル、料亭、両家のどちらかの自宅など)
- 結納品の数。
- 食事会、心づけ、お土産などの用意や費用はどうするのか。
- 進行役は誰が務めるのか。
このようなポイントを確認したうえで、どこをどのように簡単な形にしていくのかが略式結納をする上でポイントとなりますね。
略式結納の場合、どんな流れになるの?
略式結納とは、上で見てもらったようなポイントを押さえた上で進行が進められていきますが、実際にはどのような流れになるのでしょうか?
略式結納にもそれぞれの地域や家柄によってのスタイルがあるので、一概には言えない部分は多いですが、一般的な「関東式」での略式結納のモデルスタイルとしてどのような流れになるのかを参考にしてもらえればと思います。
*略式結納では基本的には仲人を立てることはあまり無いと思うので、仲人はなしの場合での流れについて見ていきましょう。
略式結納の流れ(関東式の本人主体で仲人なし)
- 結納品を準備する。
- 挨拶・着席
- 男性側の父親からの初めの挨拶
- 結納品を女性側に納める
- 女性側が目録に目を通す
- 女性側から受書を男性側に渡す
- 結納品を男性側に納める
- 男性側が目録に目を通す
- 男性側から受書を女性側に渡す
- 結びの挨拶
これが略式結納の大きな流れになります。
略式といってもこのような項目があって進行していくので、時間はそれほどかからないと思いますが、何をするのかといった順番は抑えておかないといけません。
そして、この流れの中で、それぞれ「口上」を述べて結納品を納めたりしていきます。
そこで次は、
略式結納の流れとあわせて口上は誰がどのように述べるのか?
という点について見ていきましょう。
略式結納の口上は誰がどんなふうにするの?
さて、上のような流れで略式結納が進んでいくのですが、その流れの中で口上がいくつか出てきます。
では、略式結納では、
誰が
どのように
どのタイミングで
口上を述べる必要があるのか?
先ほどの上で記した略式結納の流れの中で、必要な口上についてタイミングなども交え詳しく見ていきましょう。
略式結納の流れ(関東式の本人主体で仲人なし)
- 結納品を準備する。
- 挨拶・着席
- 男性側の父親からの初めの挨拶
- 結納品を女性側に納める
- 女性側が目録に目を通す
- 女性側から受書を男性側に渡す
- 結納品を男性側に納める
- 男性側が目録に目を通す
- 男性側から受書を女性側に渡す
- 結びの挨拶
これが略式結納の大きな流れになります。
それぞれの中でどういった行動の流れになるのかをまとめました。
1.結納品を準備する。
和室:床の間や床の間の前に。
洋室:テーブルの上に。
2.挨拶・着席
席次は図のように、一般的には男性が入り口から遠い上座の位置に座り、女性側が下座に座ります。
今回は本人主体の席次で流れを見ていこうと思うので、床の間側から本人、父親、母親といった順番に座ります。
*席次は地方などによっても変わるため、確認は取っておいてくださいね。
洋室の場合は席の脇に立ち、和室の場合はこの席次で着席し、「本日はお世話になります。よろしくお願いいたします。」と本人同士の挨拶の後、両親も同様に挨拶をして着席します。
3.男性側の父親からの初めの挨拶
男性側の父親が、
といった挨拶を行います。
4.結納品を女性側に納める
男性側の母親が飾り台までいき、結納品を持って女性の前へ行きます。
そして席に戻った後、男性の父親から
といった口上を述べ深く礼をします。
女性側からは軽く礼をします。
5.女性側が目録に目を通す
女性側は結納の中の目録に目を通しますが、
女性、父親、母親の順に目を通します。そしてその後に女性が、
といった口上を述べ、一同が深く礼をします。
6.女性側から受書を男性側に渡す
女性の母親が結納品を飾り台に戻した後に、受書を男性の前に運び席に戻ります。そして女性の父親から、
と、口上を述べ深く礼をします。
男性側からは軽く礼をします。
7.結納品を男性側に納める
女性の母親が、男性側に贈る結納品を男性の前まで運びます。そして席に戻った後、女性の父親から、
といった口上を述べ、一同が深く礼をします。
8.男性側が目録に目を通す
男性側は目録に目を通しますが、
男性、父親、母親の順に目を通します。そしてその後に男性が、
といった口上を述べ、一同が深く礼をします。
9.男性側から受書を女性側に渡す
男性の母親が結納品を飾り台に戻した後に、受書を女性の前に運び席に戻ります。そして男性の父親から、
と、口上を述べ深く礼をします。
女性側からは軽く礼をします。
10.結びの挨拶
男性の父親から、
と挨拶をします。
その後、女性の父親から、
と挨拶をし、一同が深く礼をし結納は終了です。
略式結納とはだいたいこのような流れと、その節々で口上を述べる機会がありますね。
また、さらに受書や目録も省略してしまうといった考えもあります。
どこまで簡略化するかはそれぞれで決めていただければと思いますが、大まかな流れはこのようなことだとつかんで置いてくださいね。
このように、結納に関しては色々な意味やマナーといったものがあって、気をつけておきたいことや、知っておきたいことが他にもたくさんあります。
もしあなたが結納を考えていたり、結納とはどういうものなのか知りたい場合は次の記事も参考になるので、ぜひご覧ください。
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あとがき
正式結納とは違って略式結納ではこのように流れがだいぶ簡略化されます。また、これも準備などが面倒だと感じる場合にh、結納プランといったホテルなどのサービスがあったりします。
この口上についてもホテルのほうで担当者が行ってくれるなどのサービスがあったりするので、気になるものがあればまたチェックしてもらえたらと思います。
また今ではこの略式結納も色々な事情があって、しなかったりできなかったりするケースもあって、それに変わって顔合わせ食事会で済ます人も非常に多くなってきています。
そういった事情についてや、それに変わる食事会についてのことは別のページで詳しくまとめています。
>>結納しないのはどういう理由が多いの?その場合の結納金は?
>>顔合わせ食事会のおすすめの服装は?挨拶や流れはどんな感じ?
この理由には、昔とは違う現代の様々な事情が複雑に絡んでいます。
では、結納しない場合やその際の結納金の取り扱いなどの疑問についても触れているのでこちらもまた良かったらご覧になってください。