結納を行う際に必ず必要になるのが結納品ですが、準備を進めようとしていくうちに、
この結納品はいったいどんな意味があるんだろう?
といった疑問が出てくると思います。
そりゃそうですよね~。
でなけりゃ、いったい何のために結納品を用意してんだろうってなります。
そこで今回は、結納品のそれぞれの意味を中心に、
- 略式で揃える場合の一般的な結納品について。
- 結納品の相場について。
- 結納が終わった後の結納品の処分について。
これらの項目についてまとめました。
結納品とはどんな意味があるの?
さて、結納のときに必要となる結納品。
では、いったい結納品にはどんな意味があるのでしょうか?
この意味をちょっとでも知っているか知っていないかだけでも、結納への姿勢や理解も深まるのではないかと思います。
そもそも結納品とは、
結納金に縁起物を添えた一式のこと
を指します。
まず、結納品の意味を見ていく前に、結納品にはどういったものがあるのかをまとめてみました。
正式結納の結納品(関東式)
目録(もくろく)
長熨斗(ながのし)
金包(きんぽう)
勝男節(かつおぶし)
寿留女(するめ)
子生婦(こんぶ)
友白賀(ともしらが)
末廣(すえひろ)
家内喜多留(やなぎだる)
これらをすべて白木台に乗せて結納品とするのが一般的ですね。(関東式)
婚約によってこれから両家が繋がるといったことで、それをお祝いするための祝いの席に用意される「酒肴」がルーツとなっていて、その結納品にはそれぞれに意味を持っています。
でも実は、結納品は地方によっても種類が違う場合があるし、数も違う場合もあります。また、同じ結納品でも名前(呼び方)が違ったりする場合もあります。
上で見てもらったのは関東式の一般的な結納品ですが、関西式では目録は一品とは数えないんですね。
また、一品ずつ台に乗せるといったことも違います。
では、関西式ではどんな結納品になるのかというと次のようになります。
正式結納の結納品(関西式)
小袖料(こそでりょう)
柳樽料(やなぎたるりょう)
松魚料(まつうおりょう、しょうぎょりょう)
熨斗(のし)
寿恵広(すえひろ)
高砂(たかさご)
結美和(ゆびわ)
寿留女(するめ)
子生婦(こんぶ)
この9つで結納品とします。
意味は同じようなものがほとんどですが、書き方や読み方が全く違うのがわかりますね。
- 関東式は贈りあうので、結納品を「交わす」
- 関西式は男性側だけが贈るので、「納める」
このように呼び方も違ってきます。
そして、それぞれの結納品にはきちんと意味があるので、それぞれについて簡単に解説していきますね。
【目録(もくろく)】
結納の品名と数を記したもの。
【長熨斗(ながのし)】
長く伸ばした干しアワビのことで、長寿の象徴とされています。
*関西式の「熨斗」も一緒の意味です。
【金包(きんぽう)】
結納金のことです。
表書きには男性からは「御帯料」、女性からの結納返しでは「御袴料」とします。
*関西式の「小袖料」も結納金の意味ですね。
【勝男節(かつおぶし)】
かつお節です。
男性の力強さの象徴とされています。
【寿留女(するめ)】
スルメです。
するめは長期保存が利く、噛めば噛むほど味が出るということで、いつまでも仲の良い夫婦でいられるようにといった願いが込められています。
【子生婦(こんぶ)】
昆布です。
子宝に恵まれるようにと願いが込められています。また、「よろこんぶ=喜ぶ」といった言葉にもかけられていて、縁起の良い食べ物とされています。
【友白賀(ともしらが)】
白い麻糸です。
夫婦がお互いに白髪になるまで仲睦まじく、といった願いが込められています。
【末廣(すえひろ)】
白無地の扇子一対のことです。
末広がりの繁栄の意味が込められていて、幸せがいつまでも続くようにといった願いが込められています。
【家内喜多留(やなぎだる)】
祝い酒のことです。
現金に換えるのが一般的ですね。
*関西式の「柳樽料」も同じような意味ですね。
【松魚料(まつうおりょう、しょうぎょりょう)】
お食事代のことです。
昔は鯛などを贈っていまいしたが、今では現金が一般的ですね。
【高砂(たかさご)】
尉(じょう)と姥(うば)の人形のことです。
ともに白髪になるまで夫婦仲良くといった願いが込められています。
*関東式の友白賀のようなものですね。
【結美和(ゆびわ)】
婚約指輪です。
「優美和」とも呼ばれることがあります。
おめでたい字をあてていますね。
この他にも、地方によって違った結納品がありますが、このように結納品は縁起物としての意味を持つものが多いことがわかります。
こんな風に一つ一つの意味を知ると、結納に対しても見方がちょっと変わりますね。
結納品は略式の場合、何をそろえればいいの?
さて、上のように結納品を9品目揃えた結納は、正式結納のときに準備されることが多いですが、今のスタイルでは仲人を立てない「略式結納」で済ますケースも多いです。
その略式結納の場合では、結納品の数も9品目ではなく、「7品目」「5品目」「3品目」といったように簡略化されます。
品数はそれぞれのスタイルによって変わると思いますが、減らす数は必ずこのように奇数で揃うようにしなくてはいけません。
陰陽五行説では割り切れる偶数ではなく奇数のほうが縁起がいいとされているので、このような習わしがあります。
それで、略式結納の場合、上の9品目からどれを減らしてどれを揃えればいいのかという事ですが、
勝男節(かつおぶし)と家内喜多留(やなぎだる)を外して7品目とする。
というのが一般的です。
もし、5品目にする場合では、ここからさらに寿留女(するめ)と子生婦(こんぶ)を外して5品目とする。
というようになります。
ただ、略式の結納品も地域性や家柄で大きく変わるようですね。結局のところどれを選ぶかは話し合って決めることになるか、結納プランなどに丸投げしてしまうかといったところが現実的な話だと思います。
結納品の相場はいくらくらいなの?
さて、正式でも略式でも結納品をそろえるとなると必要なのが、お金。
結納金に関しては別のページで相場なども含めまとめていますが、
>>結納金とはどんな意味がある?相場や使い道は?結納金なしの場合は?
結納金は結納金で全く別物なので、それ以外のお金ということになります。
そんな結納品の相場についてですが、皆さんいったいいくらくらい用意する気でいるのか?何となく参考程度ででも知っておきたいですよね。
これも関東と関西で若干の相場の違いもあるようで、
- 関東の場合は1~5万円程度
- 関西の場合は3~20万円程度
関西式は上でもお話したように、1品目ごとに台に乗せるのでその分費用もかさむようです。
他にも、
- 結納品を包む風呂敷(3,000~20,000円)
- 結納品を飾る毛氈(2,000~5,000円)
- 婚約指輪を飾る台(5,000~10,000円)
- 家族書、親族書(3,000円)
- 婚約指輪(プライスレス)
といったことにもお金が必要になります。
このように、色々と準備しないといけないことは多いので、なんだかんだで相場は3~10万円ほどになるのではないかと思います。
これに加えて、酒肴料(食事代)、場合によってはホテルや料亭などの場所代、お土産代などなどかかる費用は更に増えるので、どちらがどのようにお金を用意するのかは、両家が揉めないためにも話し合いが必要になりそうですね。
*結納品は男性側で用意するものなので、それを迎えるための場所代などは女性側で用意するというのが一般的です。
あとがき
このように結納で用意される結納品にはそれぞれにきちんとした意味があるので、それを知ることはとても大切なことだと思います。
地域性や家柄によっても結納の形は様々ですが、大きく見るとやっぱり縁起のいいものが揃えられていたわけです。
でも、これだけ揃えるとなると、結納品の相場を見てもらってもわかるように大変ですよね。
だから、最近ではこの結納事態をしないといったケースも増えてきており、7~8割がたはもう結納は行っていないと言われています。
それについては別ページで詳しくまとめていますが、
関連ページ>>結納しないのはどういう理由が多いの?その場合の結納金は?
現代の結婚のスタイルや、経済状況の理由などから結納の様子は大きく変化しています。
結納するかどうかは話し合って決めていただければいいと思いますが、後でやっておけばよかったというように後悔しない様に、きちんと話だけはしておきたいですよね。
このように、結納に関しては色々な意味やマナーといったものがあって、気をつけておきたいことや、知っておきたいことが他にもたくさんあります。
もしあなたが結納を考えていたり、結納とはどういうものなのか知りたい場合は次の記事も参考になるので、ぜひご覧ください。
関連ページ>>結納返しの相場はいくらくらいで時期はいつまで?人気の品物は?
>>結納の意味とは?結納金や結納品、結納返しとは?
>>略式結納とは普通とどう違うの?式の流れや口上
>>顔合わせ食事会のおすすめの服装は?場所や挨拶や流れは?