おたふく風邪という言葉を聞いたことがあると思いますが、正式な名称は
と呼ばれる病名で、おたふく風邪のウイルス(ムンプスウイルス)に感染することでその症状が現れます。
一般的には子供の時にかかりやすいとされるおたふく風邪ですが、実は大人になって感染する方も増えてきています。
そんなおたふく風邪は、
子供と大人でその症状に違いはあるのでしょうか?
どんな特徴があるのか気になりますよね。
そこで今回は、そんなおたふく風邪の症状で、
- 子供と大人でどのような違いが出るのか?
- 熱のない軽い場合もあるのか?
- 男女によって違いはあるのか?
これらの「おたふく風邪にかかった時の症状の特徴」についてまとめました。
すると、その症状には意外な部分で違いが見られました。
おたふく風邪の症状 子供の場合
おたふく風邪に子供が感染した場合、流行性耳下腺炎という名前からもわかるように、
というのが最大の特徴だといえます。
その他の症状も併せて見ると次のようになります。
- 耳下部の腫れ(耳の付け根、頬、顎)
- 発熱(38℃ほど)
- 頭痛
- 腹痛
- 首の痛み
- 倦怠感
おたふく風邪の初期症状として首の痛みがあったり、食べ物をかんだり飲み込んだりする時に痛みを伴います。
片側から腫れだし、1~2日後ほどして両方が腫れるといった場合が多いようですが、片側だけの場合もあります。
腫れ始めてから2~4日ほどが最も痛みが激しくなり、そこから一週間ほどで症状はおさまってく流れになります。
*片側だけしか腫れなかったとしても、一度おたふく風邪にかかったのであれば免疫ができるため、もう片方が後で腫れることはありません。
もし腫れが出た場合は、おたふく風邪以外が原因と考えられるので、一度病院を受診されたほうが良いと思います。
おたふく風邪はウイルス性のものなので、保育園や幼稚園などで流行すると空気感染によって周りに広がる可能性があるため、近くにおたふく風邪にかかった子供がいた場合には注意が必要になります。
おたふく風邪の感染経路や潜伏期間については、こちらで詳しくまとめています。
気になる点があるときは、一度ご覧になって予防に役立てて下さい。
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色んなところからの感染経路が考えられるし、妊婦さんとかは特に注意したいところです。
できるだけ知っておくことでいろいろ対策も取れると思いますが、それでも感染してしまうことはあるでしょう。
ただ、おたふく風邪に感染することもそうですが、実はそれ以上に怖いのは合併症の存在です。
おたふく風邪の合併症とは?
上で説明した症状に加え、おたふく風邪に感染している間には合併症にも注意が必要になってきます。
主な合併症と注意点は次のようなものです。
髄膜炎
おたふく風邪の症状が現れてから3日後以降に高熱(38℃以上)、嘔吐(1日に3回以上)、激しい頭痛などが見られれば髄膜炎の可能性があります。
難聴
ムンプスウイルスが「有毛細胞」と呼ばれる聴神経への電気信号に変換する細胞を破壊してしまうことで、耳が聞こえにくくなってしまう可能性があります。
両耳だけでなく、片方だけ聞こえないといった場合もあるので、声掛けをして聞こえるかどうかの確認が必要になります。
また、おたふく風邪の症状が現れていなくても難聴になる可能性もあるため、安心ができません。
そして、2000件に1件ほどの確率で発症するといった報告もあり、
発見が遅れ、一度難聴になると元に戻らない。
と言われています。
子供の場合は
- 自分から言い出せない。
- 気づかない。
- 子供自身、どういう状況かわからない。
といった場合もあり、周りの人がきちんと気にかけてあげることが大切ですので、必ず両耳の聞こえ具合の確認をして下さい。
脳炎
脳に炎症が起き、痙攣や意識障害が起こる場合があります。
この場合速やかに医師の診断を受けて下さい。
発達障害やてんかんなどの後遺症が残る場合もあるとされています。
これらの症状が見られた場合、もしくはあまり症状が良くない場合は、すぐに医師の診察を受けて重症化しないように注意してください。
おたふく風邪の症状 大人の場合
おたふく風邪は子供の頃にかかりやすく、
とされているので、子供の頃にかかっておいたほうがいいという意見もあります。
また、大人になっておたふく風邪に感染すると、子供の場合と違い、その症状が強く現れてしまうことにあります。
主な症状は子供が感染した時のように、発熱、耳下部の腫れといった症状が現れますが、大人がおたふく風邪に感染した際には40℃を超える高熱になる場合もあるとのことなので注意が必要です。
また、大人になって感染した場合には、子供の時にはなかった合併症も現れる場合があります。
精巣炎
こちらは男性がおたふく風邪にかかった場合の合併症です。
主に思春期(15歳以上)以降におたふく風邪に感染した場合に起こり、約10~30%ほどの確率で合併症が現れると言われています。
その症状には、
- 精巣に痛みを伴う炎症が起きる。
- 発熱がある。
このような症状があらわれると言われています。
卵巣炎
こちらは女性がおたふく風邪にかかった場合の合併症です。
成人女性の約7%が卵巣炎を引き起こすとされていますが、症状として
下腹部に痛みがある。
といった症状があらわれます。
心筋炎
主に大人になってから起こる合併症とされていますが、ケースとしては稀なようです。
症状としては
- 胸の痛み
- 呼吸困難
などが現れますが、場合によっては突然死することもあるため注意が必要です。
おたふく風邪の症状で熱のない軽い場合はあるの?
実はおたふく風邪にかかったのに、
- 熱がない
- 特にしんどくない
といったような場合があります。
おたふく風邪の症状は上でまとめたように、発熱や耳下部の腫れが特徴的なのですが、これは感染した人の
だと言われており、
このようなケースもあるようです。
ですので、
ちょっと頬が腫れてるかな?
この程度の症状の場合もあり、おたふく風邪にかかったのかどうかわからないといった人もいるほどです。
また、おたふく風邪には予防接種が任意で受けられるため、予防接種を受けた場合は症状が軽くなる可能性が十分考えられます。
ただ、子供の頃に受けた予防接種で、大人になって感染して症状が軽い場合があるかどうかは疑問視されています。
おたふく風邪の予防接種をすることで、重症化や合併症の割合を減らす効果が期待できたりします。
そんなおたふく風邪の予防接種については、こちらの記事も参考にしてくださいね。
あとがき
おたふく風邪は通常の場合、見ただけで頬や顎の周りが腫れているのでわかりやすい特徴がありますが、中には見ても判断がつかないケースも有るため、
と感じる場合には、周りの流行具合を見るといったことも必要になるでしょう。
おたふく風邪には合併症などもありますが、症状が現れた場合には基本は安静にしておくことで治るとされています。
症状が悪くなっていたり長引いていると感じた場合は不安だと思うので、医師の診察を受けてきちんと今の状態を知って、適切な処置を受けてくださいね。