冬場に猛威をふるうノロウイルス。
このノロウイルスは感染した人が嘔吐や下痢をした場合、二次感染するケースも多くあり、老人ホームなどで集団感染するニュースもよく聞かれる怖いウイルスなんです。
だから、ノロウイルスが二次感染しないように、嘔吐や下痢があった場合はきちんと消毒をする必要があるのですね。
では、どうやって消毒をすればいいのでしょうか?
そして、こんな二次感染だけでなく、牡蠣などの食べ物からもノロウイルスの感染の危険性があります。
こちらの食べ物の殺菌はどうすればいいのでしょうか?
今回は、この「ノロウイルスの消毒方法」について詳しくまとめました。
その中で、
- ハイターを使った消毒液の作り方
- アルコールなどの薬での消毒はどうなのか?
こういったことについても触れています。
ノロウイルスの特性を知って、確実な消毒方法を身につけておけば安心できる部分も多いので、この機会に家族を守るためにも準備しておきましょう。
ノロウイルスの消毒方法について。
ノロウイルスの消毒方法についてですが、家庭でできる一般的な方法が最も馴染みやすいと思います。
と言っても、家庭でできるノロウイルスの消毒方法はある程度絞られています。
今回はその中でもメジャーな2つの消毒方法である
- 加熱処理による消毒
- ハイターを使った消毒
この2つについて見ていこうと思います。
ノロウイルスの感染経路や、感染してしまった時の症状をまずは確認しておきましょう。
先にこれを知っておくと対策もしやすいです。
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1.加熱処理による消毒
ノロウイルスは
85℃で1分以上の加熱によって、ウイルスの活性を無くすことができる。
と考えられています。
ノロウイルスは二枚貝などの食品から感染する可能性があるので、牡蠣のような貝は加熱処理が必要になります。(二枚貝の場合は中心部が85~90℃以上で90秒以上の加熱が望ましいです。)
とにかく、生で食べるようなものは危ないと思っておかないといけません。
また、それらを調理した調理器具や食器などにも付着している可能性があるため、本来は包丁やまな板も加熱処理したいところです。
そこで一般家庭では、まな板や包丁などきちんと洗ってから沸騰したお湯をかけると言ったやり方が効果的だと思います。
2.ハイターを使った消毒
ハイターは一般家庭でも普通にある塩素系漂白剤で、使いやすい消毒液になります。
あなたもおそらく持っていると思います。
【キッチンハイター】
ハイターを使ってドアノブを拭いたり便座を拭いたりすることで、ノロウイルスの消毒をして予防しようと言う目的がありますね。
それともう一つは、嘔吐物や下痢などの処理の際にハイターを使った消毒をするといった目的で使われます。
一般家庭では、この2つの場合で使うことが多くなると思います。
*ハイターを使った消毒液の作り方は後半に記載しています。
家庭内では加熱をするか消毒液を使うかということになりますが、具体的な例とともに消毒の流れを見ていきたいと思います。
- 牡蠣や生物などを料理した後
- 普段の掃除
- 嘔吐や下痢があった
- 外から帰ってきた
では、これらを順番に見ていきましょう。
1.牡蠣や生物などを料理した後
牡蠣や生ものなどノロウイルスの感染源になりうるものを調理した後に、同じまな板や包丁を使うとそこから広がる場合があるので、
- 生もの専用に使い分けるか。
- 洗剤でキチンと洗った後、熱湯を1分くらいかけるか。
- 消毒液を使って消毒した後洗い流すか。
このどれかで対策が必要になります。
タオル等台所を拭くものは、最後に鍋で煮沸消毒した方がいいですね。
2.普段の掃除
普段の掃除では消毒液を使って雑巾で拭いていくのがいいですね。
ただ、金属部分など腐食の可能性があるところは、アルコール消毒の二度拭きでも大丈夫だと考えられています。
【アルコールスプレー】
特にトイレなど衛生面で気をつけたいところは、気をつけて掃除をしておきたいところですね。
使い終わった雑巾は煮沸消毒が望ましいですが、鍋で煮るなんてちょっと出来ないかもしれないので、熱湯を洗面所に溜めて浸けておくといいでしょう。
そしてきちんと洗濯して下さい。
3.嘔吐や下痢があった
例えば子供が嘔吐してそれを親が処理するといった場合には、二次感染を防ぐことが重要になります。
ノロウイルスは乾燥すると空気感染するので、早めに処理をして感染経路を無くす処理をしないといけません。
まずマスク、ゴム手袋、エプロンをして雑巾やタオル、ビニール袋、新聞紙、キッチンペーパー、消毒液を用意します。
ズボンや履物も後で洗えるもの、できれば捨てても構わないものの方がいいです。
消毒までの流れ
- 窓を開け換気をします。
- 衣類に嘔吐がある場合、捨ててもいい衣類であれば新聞紙でくるんでビニール袋で封をして捨てましょう。
- 後で洗濯する場合は、キッチンペーパーで嘔吐物を取りビニール袋に入れて封をしておき、後で0.02%の消毒液に30分ほど浸けてから洗濯します。
色落ちが気になる場合には煮沸消毒をします。 - 床に嘔吐がある場合は、新聞紙やキッチンペーパーで外側からすくうようにしてくるみ、ビニール袋に入れて消毒液を上からかけて捨てます。
拭きとった後の床を消毒液をかけて雑巾で拭きます。 - 床などに嘔吐などがあった場合、嘔吐物や下痢便は意外と遠くまで広がっているので、広範囲の消毒が必要となります。
カーペットや布団に嘔吐があった場合には、まず嘔吐物を拭き取りビニール袋で封をして捨てましょう。
その後消毒液を使うと色落ちの可能性もあるので、気になる場合には業者に頼んでクリーニングしてもらうことも考えておきましょう。
自分でなんとかしたい場合には、スチームアイロンを使ったりピンポイントで熱湯消毒する方法もありますが、火傷などには十分注意する必要があります。
4.外から帰ってきた
外から帰ってきたらうがい手洗いをキチンと行いましょう。
ノロウイルスだけに限らず、手洗いによって結構ウイルスを洗い流せます。
逆に、手洗いをしないと感染した手でその辺りをベタベタ触ることになるので、帰ったらまずは手洗い、うがいです。
ノロウイルスに感染してしまうと何かと大変です。
食べたいものも食べれないし、熱も出たり嘔吐があったり色んなところで苦しい思いをしないといけなくなります。
かかったときのことは考えたくないですが、時間があればこちらもご覧になってみて下さい。
関連ページノロウイルスの消毒にはハイターが最適なの?
ノロウイルスの消毒には、ハイターのような塩素系漂白剤を使うことが主流ですが、よくある「消毒用アルコール」ではどうなのでしょうか?
今では、飲食店でも殺菌のために手指用の消毒用アルコールを置いているところが多いと思います。
消毒用のアルコールだとすぐに乾くし、普段から使い慣れている人も多いと思うので便利ですよね。
でも、
ノロウイルスに関しては、アルコールでは効果は薄いと考えられています。
*アルコール消毒も二度拭きなどで対応すれば一定の効果は得られるようです。
ノロウイルスは「エンベロープ」という脂質の膜を持っていないためアルコールが効かないウイルスと分類されています。
*簡単に説明すると、
「エンベロープという脂質の膜」
で守られているウイルスは、この膜をアルコールで破壊してやれば活動停止させれます。
でも、エンベローブをはじめから持っていないウイルスには、アルコールをかけても効果が薄いと考えられています。
これは、私たちが「宇宙服で宇宙に出る」ような感じです。
宇宙服が無くなったら生きていけないけど、初めから宇宙服無しで宇宙空間で生きられるような生物には効かないというような感じでしょうか。
そこでノロウイルスのようなエンベロープを持たないウイルスには、次亜塩素酸ナトリウムを含むハイターのようなものが有効になるというわけです。
では、次は、そのハイターを使った消毒液の作り方について見ていきましょう。
ノロウイルスの消毒液の作り方
ノロウイルスの消毒液の作り方ですが、一般家庭で使う
を使います。
*ワイドハイターは酸素系漂白剤なのでダメです。
この消毒液には2つの用途があります。
- ドアノブやトイレなどを掃除する際に使う消毒液
- 嘔吐や下痢などを処理する際に使う消毒液
このように分けるには理由があって、作り方もそれぞれ少し違います。
1.ドアノブやトイレなどを掃除する際に使う消毒液
ドアノブやトイレ、階段の手すりなど普段触るようなところにハイターの消毒液を使いますが、あまりその濃度が濃いと金属部分が錆びてきたりするので、嘔吐物や下痢を処理するときに使うものよりも薄めの消毒液を作ります。
【準備のための知識】
- ここで使う消毒液の濃度は 0.02%(200ppm)以上
- 市販のキッチンハイターの濃度は約5~6%です。
- ペットボトルの蓋に液体を入れると約5mlとなります。
【用意するもの】
- キッチンハイター
- 2Lの空のペットボトル
【作り方】
- 2Lの空のペットボトルに半分くらい水を入れます。
- ペットボトルキャップ2杯分のキッチンハイターを、先ほどのペットボトルに入れます。
- よく混ぜます。
- あとは、ペットボトルがある程度一杯になるまで水を入れたら完成です。
正確には約8mlなので、ペットボトルキャップ2杯分よりも少し少ないくらいでも大丈夫です。
5(%)×8(ml)/2000(ml)=0.02%
2.嘔吐や下痢などを処理する際に使う消毒液
ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や下痢などには、ノロウイルスがたくさん含まれている可能性があります。
また、次亜塩素酸ナトリウムは有機物(この場合には嘔吐物や下痢便)などに接するとその濃度が低下するので、普段の掃除などで使うものよりも濃度の濃いものを用意します。
【準備のための知識】
- ここで使う消毒液の濃度は 0.1%(1000ppm)以上
- 市販のキッチンハイターの濃度は約5~6%です。
- ペットボトルの蓋に液体を入れると約5mlとなります。
*さっきと違うのは「消毒液の濃度」ですね。
【用意するもの】
- キッチンハイター
- 2Lの空のペットボトル
【作り方】
- 2Lの空のペットボトルに半分くらい水を入れます。
- ペットボトルキャップ8杯分のキッチンハイターを、先ほどのペットボトルに入れます。
- よく混ぜます。
- あとは、ペットボトルがある程度一杯になるまで水を入れたら完成です。
ペットボトルキャップ8杯分で40ml
5(%)×40(ml)/2000(ml)=0.1(%)
ちなみに500mlのペットボトルで作る場合は、ペットボトルキャップ2杯分のハイターでつくれます。
作り方はそれほど難しくないですね。
市販のキッチンハイターの濃度はだいたい約5~6%ですが、たまに10%のものもあるようなので確認はしておいて下さい。
いちいち作るのが面倒だという人には。
ハイターを使っても消毒液は作れるのですが、水道水と反応したり塩素が抜けたりするので長期間の保管はできません。
基本的にはその場での使い切りになるので、再び必要になった場合は新しく作り直す必要があります。
だから、
- 何度も作るのがめんどくさい
- 薄め方がよくわからない
- ペットボトルがない
こんなケースもあると思います。
そんなときには、
という便利なスプレーも販売されています。
それがこちらの「ウィルバス200ppm」です。
【ウィルバス200ppm】
保存期間が最大2年と長いのでいちいち作らないでいいし、食品にも使えるくらいなので安心して使えると思います。
ウィルバスは、食品にも直接使用できる「食品添加物殺菌料」です。
厚生労働省の許可を得るために衛生管理の整った食品添加物製造許可工場で希釈充填を行っています。
普段の掃除に使うのはこういったものを使うと便利ですね。
あとがき
ノロウイルスの消毒には、ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムが含まれる消毒液を使うのが基本です。
ただ、研究も進んでおりマウスによる実験ではアルコール消毒でも一定の効果が得られることもわかってきました。
だから、普段の掃除で消毒をしたいといった場合にはアルコールで消毒することも効果があるようですね。
ただ、アルコールを使う場合には一度拭いて、その後15~20秒位したらもう一度拭く、「二度拭き」が大切だとされています。
アルコールなら金属部分の腐食も心配ないしニオイも少ないので、あなたの生活環境や用途によって使い分けるといいのではないでしょうか。
しかし、嘔吐物や吐瀉物の処理の際には上で説明したように、ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムを含んだ消毒液で対応してくださいね。
また、普段の予防では手洗いは有効な手段ですので、外から帰ったら必ず手洗いするようにして下さい。
ハイターやアルコールも含め、それ以外での予防、対策についてはこちらでバッチリわかりますので、あわせてご覧ください。
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とくに、高齢者の型や乳幼児など、ウイルス感染に弱い人たちを守るのはあなたなので、しっかり読んで対策しておけるように準備はしておきましょうね。