なぜだかわからないけど、蚊に刺されやすい人っていますよね。
そんな蚊に刺されやすい原因を
血液型が関係しているんじゃないのか?
ここに注目して調べた研究者がいます。
そしてその研究で蚊に刺されやすい人の血液型ランキングなるものが発表されたのですが、1位がO型という結果が出ました。
でも、果たしてこれは本当なのか?
この研究について様々な意見があるんですね。
そして、血液型と蚊に刺されやすいかどうかの因果関係について、改めて調べられた研究などもあったりします。
そこで今回は、
蚊に刺されやすい血液型ランキングとは何なのか。
また、O型の血液型の人が蚊に刺されやすい1位となった理由やA型B型の人はどうなのかなどまとめました。
世間で言われているこの噂の真相について探ってみました。
蚊に刺されやすい血液型ランキング
夏になると毎年のように悩まされるのが「蚊」の存在ですよね。
特に寝ているときに蚊に刺されたりすると、そのあと蚊を探したりして寝れなくなったりする事もよくあります。
そんな蚊に全然刺されない人っていますよね。
なぜか自分の方だけ蚊が寄ってきて刺していく、なんて悩みを抱える人も多いようです。
そんな蚊に刺されやすい人とそうでない人に、何か違いがあったりするのかちょっと気になったりしますよね。
もし自分で直せる部分があるのなら改善させたいところですが、その蚊に刺されやすい原因の一つに、
こんなことが言われていますが本当なんでしょうか?
なぜ血液型と蚊に刺されやすいことが関係しているのでしょうか。
その話題のキッカケになったのは、1972年にイギリスのWood et alという研究者によって、マラリアを媒介するガンビアハマダラカの腸内の血液を調べた研究が行われたことにあると言われています。
この蚊の体内には、O型の血液を持った蚊が一番多く採取されたようです。
そしてその血液型のランキングは、
この順番で血液がより多く検出されたという研究論文が発表されました。
そのことから今も
O型の血液型の人が一番血を吸われやすい。
こんなふうに言われていたわけなんですね。
ここで過去形にするには理由があります。
蚊に刺されやすい血液型がO型の理由
じゃあ、なぜ血液型がO型の人は蚊に刺されやすいのか?
この血液型と蚊の刺されやすさに関してはいろいろなことが言われていて、
汗に含まれる「血液型物質」のニオイをかぎ分けていて、O型の血液型物質は花の蜜と似た分子構造をもっているため蚊を引き寄せる?
こんなことが言われていますが、O型の血液型の人が刺されやすいという大きな確証はないようです。
また、この蚊に刺されやすい血液型ランキングが発表されたのちに、これを否定する論文も発表されています。
Thorntonら(1976)は、Wood et al.と同じガンビアハマダラカを用いて、腕にとまる蚊の数で血液型による刺されやすさの違いを検討したところ
血液型による差は全くなく分泌型、非分泌型も刺されやすさには、何らの影響も及ぼさなかった。
またWood(1976)の結果は統計的に誤っている。
引用先:害虫防除技術研究所の「ABO式血液型、分泌・非分泌型と蚊の嗜好性について」
http://www.gaityu.jp/syosaibloodtype.html
このように、
と言ってるわけですね。
蚊に刺されやすい事と血液型との因果関係
結局どっちなのッて感じですが、その後害虫防除技術研究所の白井氏による研究からいろいろなことが進んだようです。
そこでは
- O型の血液型物質
- A型の血液型物質
- B型の血液型物質
これらが含まれた物質を腕に塗って、刺されやすさを試したんです。
その研究からこんなことが発表されていますね。
確かに何らかの傾向がみられるようで、O型が刺されやすいなど血液型が蚊を引き寄せる違いもありますが、性格や体質など他の要因の違いも関係しています。
血液型と混同して刺されやすさが議論されているにすぎなくて、蚊が血液型物質の違いを感覚器で感じとって吸血選択しているとは考えにくい。
血液型物質は不揮発性物質の糖鎖であることから、蚊が皮膚に降り立つ前にはそれはわからないでしょう。
だいぶ要約しまとめましたが、このようなことを言われています。
つまりはO型の血液型の人が刺されやすいのは何かあるかもしれないけど、蚊がそれを皮膚につく前から感知するのは無理でしょう。
と言っているわけですね。
蚊に刺されやすい血液型ランキングは不明瞭
さて、このような流れで血液型ランキングが発表され、O型の血液型の人が蚊に刺されやすいなんてことが出ました。
でも、それについての否定的な意見も多く、結局のところその因果関係はよくわかっていないようです。
また、こういった情報はテレビなどでは非常に取り上げやすいコンテンツですよね。
そういった中で番組が作られて広く「O型は刺されやすい」なんてことが広まってしまったために、いろいろと誤解も広がっているようです。
そんな中で、さきほどもちょっと触れましたが、
汗に含まれる「血液型物質」のニオイをかぎ分けていて、O型の血液型物質は花の蜜と似た分子構造をもっているため蚊を引き寄せる?
これについて害虫防除技術研究所では苦言を呈されていますが、それをちょっと引用させてもらいたいと思います。
2001年某番組が血液型と蚊の嗜好性について、
「O型の糖鎖は花の蜜の糖分と良く似た分子構造をしており、花の蜜と同じく甘いと感じるのでO型を好む」
「この糖鎖は皮膚の常在菌により分解されて、飛び、蚊に達する」
などのストーリーで番組を構成したようですが、このような流れに至った根拠を示して欲しいところです。
まず、吸血行動と単にエネルギー源として、水や花の蜜を摂取する行動とは異なり、この2つは全く別物です。
また、吸血選択は吸血前に行うものであり、実際に吸血している血液によって吸血選択するわけではありません。
糖鎖は不揮発性で超低濃度でしか皮膚上にはなく、糖鎖が飛んで飛行中の蚊が感じることもあり得ないことと考えます。
また、血液型による刺されやすさの実験をして、必ずダントツにO型が刺されやすくなることはありません。
テレビ番組はあらかじめコンセプト、ストーリー、結論まで決めてから制作していることが多いのを実感しました。
取材を受けても研究者の意図が十分に反映されずに制作されることが多いことを知っていただきたく思います。
制作会社が強引に結果に結びつけることも多いと考えます。
「O型の血は花の蜜に近い」という調べ方で来る制作会社があって困るところです。
引用先:害虫防除技術研究所の「ABO式血液型、分泌・非分泌型と蚊の嗜好性について」
http://www.gaityu.jp/syosaibloodtype.html
ということですね。
蚊に刺されやすい血液型ランキングとして
O型>B型>AB型>A型
こういうことが言われているのは、将来的に間違いではないことが証明されるかもしれないけれど、現時点では根拠に乏しい。
こんなふうに考えておくくらいがいいと思います。
だから「わたしO型だから蚊に刺されやすいの。」とかは、まだちょっとわからないところがあったりするのですね。
蚊に刺されやすい人の特徴や対策
さて、血液型によって蚊に刺されやすいということよりも、もっと現実的で効果の高い対策をした方が手っ取り早いです。
蚊に刺されやすい人の特徴には、血液型よりももっと確証の高い事がいくつもあるんですね。
そんな蚊に刺されやすい人の特徴には、
- 汗をよくかく
- 太っている人
- 体温の高い人
- 黒色の服を着ている
- 色黒の人
- お酒を飲んだ後
こういった人が蚊によく刺されやすいといった傾向があります。
また、足の常在菌を調べて、その種類が多い人は蚊に刺されやすいということを発見したなんていう話もあります。
普段の生活の中でもいくつか治せるところもあったりするので、ぜひ一度は読んでみてください。
あとがき
蚊に刺されやすい血液型ランキングとは何なのか。
また、O型の血液型の人が蚊に刺されやすい1位となった理由やA型B型の人はどうなのかなどまとめましたがいかがでしたか。
血液型によって蚊に刺されやすいことがあるのかもしれませんが、現時点ではちょっと根拠に乏しいところがありそうです。
だから血液型の事はあまり深く考えずに、それよりももっと対策できる部分でいろいろと試した方が良さそうですね。
そんな蚊の対策のためには、やっぱり蚊取り線香とかリキッドタイプの蚊取り器とかいろいろ使いますよね。
蚊対策ではこういった専用アイテムを使うのが手っ取り早いので、ぜひこちらも今年の夏の参考に読んでみてください。