お汁粉って粒あんでもこしあんでもおいしいよね!
こんなふうに考えているならあなたは関東地方の人でしょうか。
こしあんがお汁粉で、ぜんざいは粒あん!
こう感じるのなら、あなたは関西地方の人かもしれません。
実は、お汁粉とぜんざいではこのような「地方による違い」というのがあって、それぞれで呼び方や文化が変わってくるようなんですね。
そしてなんと、沖縄のぜんざいは「かき氷」なんだそうです。
そこで今回は、
お汁粉とぜんざいの違いとはいったい何なのか。
また関東と関西、そしてその他の地方の文化はどうなっているのか。
そして、お汁粉とぜんざいの名前の由来はどこからきているのかなどまとめました。
各地方のお汁粉とぜんざいの違いと、その特色がいっぺんに見れて面白いのでぜひ最後までご覧ください。
おしることぜんざいの違いは何なの?
お汁粉とぜんざいってありますよね。
どちらも甘くておいしいし、寒い季節には体もあったまるおいしい食べ物ですが、
お汁粉とぜんざいって、あまり違いがよく分からないし、どっちがどっちなんだろう?
こんなふうに思ったことはないでしょうか。
自販機とかでも缶入りのお汁粉は売ってるし、カップ入りとかもスーパーで売ってますよね。
【ぜんざい】
【おしるこ】
このぜんざいとおしるこのどこがどう違うのか?
なかなか難解な問題です。
私が認識している「お汁粉」と「ぜんざい」の違いは、
「粒あん」か「こしあん」かの違いですね。
ぜんざい:粒あん
お汁粉:こしあん
このように思うのですが皆さんはどうでしょうか?
ここで、私のように感じる人は、関西地方の人ではないでしょうか。
と思う方は、関東地方よりの方ということが言われています。
実は、この関東と関西では「お汁粉」と「ぜんざい」の意味が違うというのです。
それはどういうことなのか、関東と関西のお汁粉とぜんざいの事情についてみていくと、とても面白いことがわかりました。
おしることぜんざいは関東と関西で違う?
私は関西の大阪の人間なので、ぜんざいは粒あんで、おしるこはこしあんのものだと思っていました。
これが「おしるこ」
これが「ぜんざい」
私も含めた関西の人って、みんなこんなふうに思っていましたよね? 違います?
まあ、そのあたりの認識は地域別などもあるかもしれませんが、一方の関東の「お汁粉」と「ぜんざい」はどうなっているのか。
関東地方のお汁粉とぜんざいの違い
では関東地方のお汁粉とぜんざいの違いですが、
これが「おしるこ」
これが「ぜんざい」
関東地方では、
お汁粉は「汁気があるもの」
ぜんざいは「汁気がないもの」
このような分け方がされているのですね。
だから、関東では粒あんでもこしあんでも、どちらでも「おしるこ」なんです。
ただし全く同じというわけではなく、
- 粒あんのお汁粉:田舎汁粉
- こしあんのお汁粉:御膳汁粉
このように名前が違うようですね。
関東のぜんざいは関西では亀山
関東の汁気のない「ぜんざい」は、関西では全く別物になっています。
それを関西では
このように呼ばれます。
どうして亀山というのかですが、2つの説があって
- 大阪の天満に「亀山屋」で、「かめやま」という名前で売っていたから。
- 京都丹波の亀山で作られる上質な小豆の事から
このように言われていますね。
でも、わたしは関西人ですが、恥ずかしながら亀山という物を知りませんでした。
たぶん今までこういったものを食べたことはないですが、友達に聞いても知らない人は何人かいましたね。
さて、そんなお汁粉とぜんざいの違いですが、関東と関西以外ではどのようになっているのか、その地域差というものを調べてみました。
関東と関西以外のお汁粉とぜんざいの違い
北海道のぜんざいとおしるこ
さて、北海道では十勝地方の小豆とかって有名ですよね。
北海道では、粒あんもこしあんも汁ありを「おしるこ」と呼ぶようです。
関東に近い感じでしょうか。
北海道ではお汁粉にカボチャを入れた「かぼちゃ汁粉」というものが食べられるようで、だいぶ前の「秘密のケンミンSHOW」でも紹介されたようです。
東北地方のぜんざいとおしるこ
東北では粒あんでもこしあんでも、汁気のある小豆で作った汁に餅などを入れたものを「しるこ」と呼ぶようです。
汁気のないものが「ぜんざい」といいます。
こちらは「あんこ餅」とも呼ばれるようです。
こちらも関東地方と同じような感じですね。
東海地方のぜんざいとおしるこ
東海地方というと名古屋の小倉トーストとか人気ですよね。
そんな愛知周辺の東海地方は、関東と関西の境界にもあるので何やら両方が混ざったような感じみたいです。
おしるこは汁気があり「こしあん」
ぜんざいは汁気がなくて「粒あん」
おしるこの「粒あんタイプ」がなくなったような感じでしょうか。
これも地域によって違いはあると思いますが、やはりこの地域辺りからいろいろと文化が変わってくるようです。
雑煮も
- 関東の澄まし汁
- 関西の白みそ
というように分かれますが、テレビでもこの検証が行われて、三重県のあたりで雑煮の文化が混ざっているということが言われていましたね。
中国・四国・九州地方のぜんざいとおしるこ
中国・四国・九州地方のぜんざいとおしるこの違いは、関西地方のものとほぼ同じ感じのようですね。
そして島根や鳥取県では、雑煮として正月にお汁粉を食べる風習があるとされており、なんとお正月の雑煮がお汁粉も含め4種類もあるようです。
また沖縄になると、かき氷の上に粒あんやクリームをのせて「ぜんざい」と呼ぶようです。
これは何とも沖縄ならではといった感じですね。
夏場私もよく食べる「ミルク金時」のような感覚なのでしょうか?
こうやってまとめてみると、ぜんざいとおしるこの地方の特色が出てきますね。
おしることぜんざいの由来とは?
さて、このように地方によってお汁粉とぜんざいの違いがありますが、
- おしるこ
- ぜんざい
どうしてこのような名前になったのでしょうか。
これをそれぞれ漢字で書いてみると
- お汁粉
- 善哉(ぜんざい)
このように表されます。
お汁粉となった由来ですが、お汁粉は江戸時代にうまれました。
もともとの名前は餡汁子餅(あんしるこもち)と呼ばれていたようです。
小豆の餡の汁の中に、子(実)として餅を入れるので餡汁子餅となり、これを略して汁子となりました。
それが転じてお汁粉になったといわれています。
善哉の名前の由来は?
善哉(ぜんざい)というように名前がついたのには、2つの説があります。
一つは「善哉説」があります。
善哉という言葉は元は仏教語で、
という意味のサンスクリット語「sadhu」の漢訳といわれています。
仏さまが弟子を褒めるときに「それで良い」といった意味で使われていました。
そして室町時代に臨済宗大徳寺派の僧であった一休宗純(一休さん)が、この食べ物を食べたときに「善哉此汁 」と言って、善哉となったことが由来とも言われています。
善哉とは「よきかな」とも言えるので、よく時代劇とかでも良いものを見たお殿様とかが、
などと言葉を発するシーンを見た人も多いのではないでしょうか。
善哉の名前の由来:神在餅説
善哉のもう一つの由来には、出雲地方の神事「神在祭」で振る舞われた「神在餅」を由来とする説があります。
10月の別名を「神無月(かんなづき)」といって、神様がいない月ということを表していますが、出雲地方にその神様が全員集結します。
なので、出雲地方だけ「神在月(かみありつき)」と呼ばれています。
そんな出雲地方では「神在祭(かみありさい)」という神事が執り行われ、そこで振舞われたのが
ということなんですね。
この「神在餅」の「じんざい」が訛り、
このように変化したと言われていますね。
あとがき
お汁粉とぜんざいの違いとはいったい何なのか。
また、関東と関西、そしてその他の地方でぜんざいとおしるこの文化はどうなっているのか。
また、その名前の由来はどこからきているのか、などなどまとめましたがいかがでしたか。
お汁粉とぜんざいというと、関東の人にとっては同じようなものだったと考えていた人も多いと思います。
私は関西の人間ですが、こうやってまとめると地方によっていろんな違いがあるんだなとわかりましたね。
そんなお汁粉やぜんざいに似たような違いに、
この違いはご存知ですか?
実はこちらも違いがあるのですが、現在ではかなりごちゃごちゃになっています。
そんな「おはぎ」と「ぼたもち」は、春分の日と秋分の日に食べられる行事食としても有名です。
その「おはぎ」と「ぼたもち」事情についても別の記事でまとめているので、ぜひこちらもご覧になってください。
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