菖蒲湯といって、体を温め疲れを取る効果が期待できるお風呂があります。
冬至には「ゆず湯」、10月には「生姜湯」なんていう季節風呂があったりしますが、この菖蒲湯はいつの時期に入るお風呂かご存知ですか?
今回はこの「菖蒲」を使った菖蒲湯や、どうして菖蒲が使われるのか?
菖蒲湯の意味や由来、そして菖蒲を頭に巻いたりするなど、菖蒲の使い方と一緒に見ていきたいと思います。
菖蒲湯に入る時期はいつなの?
菖蒲湯に入る時期はいつなのか?
この菖蒲湯に使われる「菖蒲」は端午の節句、つまり「5月5日のこどもの日」になります。
ですので、この菖蒲湯は端午の節句に行われる季節風呂の事なんですね。
5月5日のこどもの日というと、ゴールデンウィーク最後の祝日になります。
そのころになると、この菖蒲がスーパーなどでもよく置かれるようになると思うので、いつだか忘れていても思い出せるのではないでしょうか。
菖蒲湯の作り方はそれほど難しくはなく、購入してきた菖蒲を10本ほど束にした状態でそのまま入れれば大丈夫です。
こうすると、菖蒲湯に入っている気分も味わえるのでいいですね。
菖蒲湯に入る意味や由来とは?
菖蒲湯はいつの時期に入るのかがわかったところで、では、どうして入るようになったのか?
菖蒲湯の意味や由来も気になると思います。
菖蒲は端午の節句(こどもの日)に使われるものですが、この日に菖蒲という植物が使われる由来を知ると、とても分かりやすくなるんですね。
菖蒲が5月にちなんでいるのは、菖蒲が「魔除け」の意味を持つ植物だからなんです。
菖蒲は昔から漢方薬として、様々な効果を期待し使われていました。
その一方でこどもの日である5月は、古く中国では「物忌みの月」というように呼ばれ、様々な厄払いの行事が行われていた月でもあったのです。
また、そんな旧暦の5月は田植えの時期でもあり、魔除けの意味で
「菖蒲(しょうぶ)の葉」や「ヨモギ」
を軒にさして、厄払いをしていたという時代背景があるのですね。
もともと菖蒲湯は中国から伝わった風習ですが、奈良~平安時代に伝わり宮中行事として天皇が入浴したのが始まりといわれています。
その菖蒲は時代の流れとともに、鎌倉時代の武家社会では、生まれてきた男の子が立派に家を守っていって欲しい。
という思いも込めて、「菖蒲(しょうぶ)の葉」で邪気を払うようにしたのです。
また、菖蒲(しょうぶ)は
- 「尚武(しょうぶ):武を尊ぶ」
- 「勝負」
- 「菖蒲の葉が剣のようだった」
ということにも通じているとされ、この5月5日を
このようにしたのですね。
菖蒲自体はこのように長く親しまれていたようですが、一般的に庶民が菖蒲湯に入るようになったのは江戸時代からとされています。
菖蒲を頭に巻く意味は?
5月5日のこどもの日には、この菖蒲をいろんな使い方をし手行事が行われます。
例えば、
菖蒲を頭に巻く
菖蒲をこどもの頭に巻くことで、賢く強い子供に育つ
このように考えられていました。
菖蒲湯に入るときに一本取って、頭に巻くといいですね。
他にも菖蒲には、いろんな意味で様々な使われ方があります。
その菖蒲の使い方について有名なものをいくつかまとめました。
菖蒲の使い方
菖蒲枕
菖蒲を枕の下において寝ると邪気が払われる、といったおまじないですね。
菖蒲枕は5月4日の夜に敷いて、その菖蒲を5月5日の菖蒲湯に使ったようです。
そのまま置いちゃうと布団が汚れちゃうんで、ビニール袋か何かに入れたほうがいいですね。
もともとは菖蒲の上に頭を置いて寝たり、菖蒲で枕を作ったりもされていたんだとか。
菖蒲を吊るす
軒先や窓に吊るして厄除けを行う地方があるようです。
軒菖蒲(のきしょうぶ)とも言われ、こちらも邪気を払う、また、火事にならないように願うためにも使われていたようです。
先ほど由来でも出てきた「よもぎ」も一緒に吊るしたんだとか。
これと似たような行事に、節分の「柊鰯(ひいらぎいわし)」という風習もありますね。
菖蒲酒
菖蒲は漢方薬としても重宝されていて、その菖蒲の茎を刻んでお酒に入れ厄除けを願う風習もあります。
その菖蒲には解毒作用があり、胃の働きを助け血行促進の効果が期待できます。
ただ、販売している菖蒲には、葉っぱだけの場合も多いので、その場合は葉を刻んで入れるのが良いようです。
菖蒲打ち
菖蒲を束ねて、それで地面を叩くようにして音を立てます。
この音が邪気を払うとされていて、音が大きければ大きいほどいいようです。
菖蒲打ちをすると傷んでしまうので、やるなら最後ですね。
あとがき
菖蒲湯に入る時期はいつなのか。
また、その意味や由来、頭に巻くなど地域によってある風習も含め、菖蒲のいろんな使い方を見てきましたがいかがでしたか。
5月5日のこどもの日には、こういった菖蒲を使った色んな楽しみ方があるのですね。
さて、このこどもの日には他にもたくさんの風習があったりします。
「鯉のぼり」や「鎧兜」、「柏餅やちまき」などですね。
端午の節句を堪能する意味でも、こどもの日の由来や意味を知っておくのもいいと思います。
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