私たちの普段の生活の中で、文を書く時や話をするときに便利な
それぞれの言葉には、様々な意味が込められています。
あなたも思い浮かぶだけでいくつか出てきませんか。
そんな、四字熟語やことわざ、慣用句の中で今回見ていきたい言葉が、
犬猿の仲(けんえんのなか)
この言葉の意味をご存知でしょうか?
君は犬さんと話すときはいつもトゲのある言い方するよね。
仕方ないよ。彼は僕をバカにしてるんだから、こっちも別にケンカ腰になるよね。
どうしてそんな犬猿の仲になっちゃったんだい?
それは君が「どっちの方が足が速いのか?」なんて言ったからじゃないか
すいません・・・。
「知っていて当たり前だ!」と、思われる人もいれば、「意外と知らなかった・・・。」と、感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、この「犬猿の仲」という言葉の意味についてまとめました。
また使い方や例文などと一緒に見ていきますので、一つここで賢くなっていきましょう!
犬猿の仲の意味とは?
犬猿の仲とは、
という意味で使われます。
犬猿は犬と猿のことで、仲は仲が良い・悪いの仲の事です。
犬猿の仲の語源
犬猿の仲の語源にはいくつか説がありますが、有名なのは干支のお話ではないでしょうか。
干支では
この順番になり
「申(さる)酉(とり)戌(いぬ)」
といった並びとなって猿の方が先になっています。
これは神様のもとにたどり着いた順番で決められたという話なのですが、最初一緒にゴールしようといっていたのに、猿が犬にいたずらして猿の方が先にゴールしたんだとか。
そして犬と猿が喧嘩して神様の下へ辿り着いたんですね。
それが由来となって犬猿の仲というように呼ばれたと言われています。
また、仲の悪い猿と犬の間に入って喧嘩の仲裁をしたのが、挟まれている「酉(とり)」だと言われています。
そして、十二支のお話でいうと昔話の桃太郎にも出てくる
これは「鬼門」の方角の鬼に対抗して、「裏鬼門」に位置する十二支の猿・キジ・犬を引き連れたという解釈がされているようです。(曲亭馬琴「燕石雑志」など)
曲亭馬琴「燕石雑志」によると、本当は鬼門の反対には羊がいるんですが、羊は弱者なので省かれて猿・鳥・犬が選ばれたようなんですね…。
鳥の中でも雉(キジ)が選ばれたのには、よく闘う鳥だからなんだそうです。
犬猿の仲の語源と西遊記
他には中国のお話で有名な西遊記
この西遊記では猿をモデルにした孫悟空がいますが、彼が天界に辿り着いたときに暴れ回って、それを天界の神様がひきつれていた犬と共に孫悟空を退治したそうです。
その時に孫悟空に犬がかみついて、犬と猿は仲が悪いというようになったとも言われています。
この西遊記から来た犬猿の仲の語源以外にも
猟師がひきつれた犬と猿のうち、犬だけが熊と戦って猿が逃げ出したから。
猟師が連れて行った犬と野生の猿が喧嘩したから
親友だった豊臣秀吉と前田利家の別名がそれぞれ「猿」と「犬千代」であり、汚い言葉で会話をすることから周りが「二人は仲が悪い」と勘違いしたから。
いろんな説が言われています。
犬猿の仲の使い方や例文は?
さて、この犬猿の仲という言葉の使い方と、その例文についてみていきたいと思います。
犬猿の仲という言葉の使い方は、
- 何をするにも仲が悪いとき
- ちょっとしたことでいつもすぐケンカになったりするとき
- 「○○と●●は犬猿の仲だ」といったような使い方が多い
こういったシーンで使いたい言葉です。
では、こんな場面を思い浮かべてみて、例文をいくつか作ってみました。
犬猿の仲を使った例文は
- 隣の家と一度トラブルが起こってからは犬猿の仲になってしまった。
- 山田君と田中君は犬猿の仲で、ちょっとしたことでいつも口喧嘩をしている。
- テレビでも共演NGとなっている二人は、どうやら犬猿の仲らしい。
このような感じでしょうか。
仲の悪い感じが文章からも感じ取ることができますね。
犬猿の仲の類義語は?
さて、この「犬猿の仲」という言葉の意味とその例文について見てきましたが、この言葉と似ている類義語もいくつかあります。
水と油
犬と猫の間
このあたりでしょうか。
実は西洋では猿ではなく「猫」と犬の仲が悪いというように言われているようで、これが犬猿の仲と同じ意味を持つようです。
あとがき
犬猿の仲とはどんな意味があるのか。
その語源や使い方、例文や類義語などを見てきましたがいかがでしたか。
さて、まとめとして犬猿の仲を簡単にまとめますね。
意味仲の悪いものの例え
類義語や補足水と油
犬と猫の間
隣の家と一度トラブルが起こってからは犬猿の仲になってしまった。
今回紹介した以外にも、本当にたくさんの「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」があります。
こういった言葉を使うことで、表現がしやすくなりますよね。
普段よく聞く言葉や初めて聞いた言葉も、改めてその意味や使い方を確認すると面白い発見があるものです。
そんな「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」を、こちらでまとめて一つにしていますので、またよかったらのぞいて見て下さいね。
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