ひな祭りと言えば、ひな人形やひなあられが思い浮かびますよね。
そしてもう一つこの行事に欠かせないのが
菱餅
でも、なんで菱餅を飾るの?
そんなふうに不思議に思うかもしれませんが、実はこの菱餅の由来は平安時代にあり、さらにさかのぼると古代中国にも行きつきます。
でも菱餅の色遣いは歴史が浅く、今のようになったのは明治時代と言われているんですね。
そんなひな祭りに欠かせない菱餅について、今回は、
菱餅の由来や色の意味はいったいどのようなものなのか。
また、菱餅の正しい食べ方や菱餅ゼリーの作り方などまとめました。
実は、この菱餅と「ひなあられ」はすごく深い関係があるのですが、関東と関西で事情が少し変わってきます。
そのあたりにも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
菱餅の由来や色の意味は?
3月3日は女の子のお祭りのひな祭りの日ですが、この日は飾ったひな祭りのお人形を楽しんだり、おいしいご飯やひなあられを食べて思い出の深い日として残っている人も多いんじゃないでしょうか。
そんなひな祭りに欠かせないアイテムには、
菱餅
この食べ物が欠かせませんよね。
菱餅は緑・白・ピンクと色がカラフルなので、雛人形と一緒に飾って目で楽しめて、そのあとは食べて楽しむことができます。
でも、どうしてひな祭りの日に菱餅を用意するようのでしょうか?
実はその由来は、古代中国で上巳節に母子草を入れたお餅を食べる風習があり、これが日本に伝わってきたことが始まりのようですね。
上巳節というのは、ひな祭りの由来にも出てくる中国の風習で、これが日本に伝わり、日本の「ひいな遊び」と呼ばれる遊び(おままごとのことですね。)に使われていたお人形などとつながったことで生まれました。
そして、日本ではこの母子草ではなく「ヨモギ」を使って餅に混ぜで食べるようになったのです。
母子草ではなくヨモギを使うようになったのは、母子と名前の付く草を持ちに入れてついてしまうのは縁起が悪いということ。
そして、ヨモギは大変香りが良く、昔から香りの強いものには邪気を払う力があるとされていたので、ヨモギを使うようになりました。
そうして緑色のお餅をひな祭りに食べる習慣が生まれたのが、菱餅の最初になります。
現在の菱餅の由来や色は明治時代から
菱餅と言えば緑・白・ピンクと色がカラフルで3色が基本ですが、最初の緑色だけだったものから時代を重ねて色が増えていったようです。
もともとひな祭りの行事は、平安時代の貴族たちが行っていた風習でした。
これが江戸時代になると、徳川幕府が「五節句の制定」というのを行ったのですね。
人日の節句(1月7日):七草粥
上巳の節句(3月3日):ひな祭り
端午の節句(5月5日):こどもの日
七夕の節句(7月7日):七夕
重陽の節句(9月9日):栗ごはん、菊酒
これによって、ひな祭りの風習が一般的に広まるようになりました。
こうしたこともあって、江戸時代になると「ひしの実」を入れた白い餅が加わって2色の餅になりました。
そして明治時代になると「くちなし」を入れた赤い餅が加わって3色となりました。
これが今の菱餅の原型となっていて、上から順に桃色(赤)、白、緑といった色鮮やかなお餅になっているんです。
そして、それぞれの色や順番にはしっかりと意味があって、
クチナシの実(桃色・赤)
解毒作用。赤は魔よけの色。
赤い餅は、この時期から咲く桃の花を連想させます。
そして赤色は魔よけの意味があって、還暦に着る赤色のちゃんちゃんこや小豆を使った赤飯、こいのぼりの吹き流しの赤色や七夕の短冊の赤色などいろんなところで使われています。
ひしの実(白)
血圧を下げる効果。子孫繁栄や長寿、純潔・清純を意味しています。
この白色は「雪」を連想させるとも言われています。
この白色の雪の下に、緑の若葉が芽生えているといった意味もあるようですね。
よもぎ(緑)
厄除け効果。健康祈願の意味があります。
ヨモギの緑色は新芽をイメージさせる色として、春の訪れを感じさせるようになっているのですね。
菱餅の色使いや順番でもこんな意味が込められていたのです。
また菱餅は「ひし形」ですが、これは「心臓」を意味していると言われ、こちらも「無病息災」「健康祈願」の意味が込められているのです。(他にもいくつか説があります)
ひし形になったのは、江戸時代からと言われていますね。
菱餅に正しい食べ方はあるの?
その菱餅ですが、正しい食べ方のようなものはあるのか気になりますよね。
ただ、特に食べ方に関しては「こう食べる」というのはなさそうです。
そのまま食べるのもいいですし、焼いて食べてもいいですが、形がそこそこ大きかったり、焼くと変な形になることもあります。
一番食べやすいのは、一口サイズくらいの小さな形にカットして食べるという方法でしょう。
また、菱餅の角をちぎりながら食べると、
と言うような意味もあるようなので、そのようにしてもいいでしょう。
ただ、硬い菱餅ではきつい食べ方ですけどね。
ひなあられの原型は菱餅だった!
ひな祭りにもう一つ欠かせない食べ物が「ひなあられ」ですよね。
実はこのひなあられは菱餅が由来となっていて、菱餅を細かく刻んで焼くことで持ち運びをしやすくしたものと言われています。
だから、菱餅の食べ方の一つには、細かく菱餅を切って焼き上げることでひなあられとしても食べることができるんですね。
これは関西のひなあられの由来になりますが、実は関東と関西ではひなあられの形が全く異なるのです。
そんなひなあられの由来になった菱餅と、関東と関西の違いなどは別の記事で詳しくまとめています。
関連ページ>>ひなあられの由来や色の意味は?関東と関西の違いや作り方レシピは?
ひなあられの作り方なども紹介しているので、興味ある方はぜひ読んでみてください。
菱餅ゼリーの作り方は?
さて、この色鮮やかな菱餅ですが、これを「菱餅ゼリー」といったかたちで家で作ると、お子さんと一緒に楽しむこともできます。
菱餅ゼリーを作る方法もいろいろあると思いますが、手軽に簡単で、お子さんとも一緒にできそうな方法をピックアップしてみました。
【乳飲料で簡単ひし餅ゼリー】
用意するものが、
牛乳・イチゴミルク・抹茶ミルク・ゼラチン・砂糖・バニラエッセンス・ホイップクリーム
これで簡単に色鮮やかな菱餅ゼリーが作れちゃうんですね。
牛乳プリンのような感じですね。
動画にもあるように、ひし形に切って盛り付けをすると本当にひな祭りらしいデザートが出来上がります。
透明のカップに入れて作るのも見た目がきれいでいいですね。
こちらも固まるまでには時間が必要になるので、昼間にお子さんと作って、夜のデザート用にしておくのもいいと思います。
それか時間があるなら、前日やお昼前に作って3時のおやつにするというのもアリですね。
この菱餅ゼリーをはじめ、ひな祭りのデザートについて別の記事でたくさん集めてみました。
お子さんとも一緒に作れそうなお菓子やデザートを中心にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
関連ページ>>ひな祭りのデザートやお菓子は何がいい?菱餅ゼリーや桜餅、甘酒は?
あとがき
菱餅の由来や色の意味はいったいどのようなものなのか。
また、菱餅の正しい食べ方や菱餅ゼリーの作り方などまとめましたがいかがでしたか。
ひな祭りに欠かせない菱餅ですが、その由来や歴史には結構深いものがあったのですね。
何気なく用意していた菱餅かもしれませんが、こうやって意味が分かるとちょっと気持ちも変わってきますよね。
そんなひな祭りでは、今回触れた菱餅をはじめ、やっぱり食事も大切な思い出になりますよね。
そんなひな祭りのご飯は何にするかもう決まりましたか?
ひな祭りご飯には、ちらし寿司やハマグリのお吸い物などありますが、この他にもこの日にピッタリと合いそうなメニューはないものか?
もうちょっと品数を増やしたいなど考えている人は、別の記事でひな祭りのご飯についてもまとめています。
関連ページ>>ひな祭りの食事はどんな食べ物が人気?行事食やお吸い物などの料理は?
定番メニューからひな祭りに合いそうな食べ物をいくつかまとめたので、ぜひこちらも参考にしてください。