夏になると体が暑いけど、冬になると体が冷えて体温も下がってしまう。
こんな風に体温調節がうまくできない人も増えているようで、この原因に自律神経失調症や甲状腺の病気などが言われることがあります。
何か重い病気だったらと心配になりますが、体温調節がうまくできない理由にはどんなことがあるのか。
今回は、この体温調節について、
体温調節できないのは甲状腺の病気などに関係があるのか。
また自律神経の障害による体温調節の影響。
そして自律神経の乱れを改善するための方法として食事や睡眠、運動などをまとめました。
体温調節できないのは病気なの?
体温調節がうまくできない状態で、何か常に寒さを感じるとか、いつも暑くてちょっとしたことですごく汗をかくなんてことがあります。
この体温調節ができない原因に、
ということが主に言われているようです。
自律神経というのは、交感神経と副交感神経2つの神経のことを言います。
自律神経は私たちが活動する上で欠かせない神経で、体温調節をはじめ循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整するために、1日中働いています。
体温のバランスで言うと交感神経は体温や心拍数を上げたり、汗をかかせたりする神経です。
一方の副交感神経は反対に体温や心拍数を下げたりして、リラックスさせる働きがある神経です。
この2つの神経がバランスを保っていることで、私たちの体は正常に動いているわけですね。
でも、この自律神経が乱れて、どちらか一方の働きが強くなったり弱くなったりすると、うまく体のバランスが取れなくなってしまうわけです。
そうなると、自律神経の働きでもある体温調節もうまくできない状態になって、いつも寒さを感じたり暑かったりなどバランスが取れなくなってしまうのですね。
体温調節ができない甲状腺ホルモンの病気
実は私も体温調節がうまくできなかった頃を経験していて、その時は
- ちょっとしたことで汗をかく
- すぐに息切れをしていた
- いくら食べても体重が増えない、痩せていく。
怖かったので病院に行って調べてみると、「甲状腺機能亢進症」という、甲状腺ホルモンの過剰な分泌によるものだとわかりました。
もともとちょっと体重は重かったし脂肪もついていたので、暑さが苦手だったのですが、冬なのにいつも暑くてちょっとしたことで汗がダラダラと出ていました。
この病気にかかっていたとわかったからですが、脈が速かったり体温が高めだったり、イライラすることが多かったというのもこの病気に原因がありました。
こんなふうに体温調節ができない原因が病気であるケースがあります。
この甲状腺機能亢進症とは逆に、甲状腺機能低下症と呼ばれる病気もあるようで、これは反対に甲状腺ホルモンが少なくなる病気です。
こうなると、
- 体温の低下
- だるさを感じる
- 脈が遅くなる
- 低体温になる。
- 精神的うつのようになる
このような症状が出るようです。
そうなってくると体温の低下でいつも寒さを感じたり、免疫力の低下にもつながってくるのでかなり危険な病気ですよね。
もし、あなたにこのような症状を感じたら、病院に行って検査してもらうことをおススメします。
体温調節ができない更年期障害
更年期と言われる45~55歳あたりになると、女性の場合は卵巣機能の低下によって女性ホルモンが減り、これが脳の視床下部にある自律神経中枢に影響を及ぼして自律神経失調症を引き起こすといわれています。
更年期障害は主に女性の障害と言われてきましたが、実は男性にも更年期障害があると言われています。
男性の場合も似たように、男性ホルモンの低下から
また、性欲低下などの性機能の症状などが現れると言われています。
更年期障害によって自律神経失調症が起こってしまうと、こちらも同じく体温調節がうまくできないことにつながる可能性も指摘されています。
体温調節ができない自律神経の障害とは?
自律神経失調症と呼ばれる自律神経の障害は、体温調節ができないことなど様々な症状が現れると考えられています。
その症状には、
- 不安や抑うつ、動悸がしたり落ち着かない
- 冷え性やほてり、不整脈
- 多汗や倦怠感、微熱など体温調整がうまくできない
- 生理不順、生理痛などの婦人科系疾患
- 不眠なるなどの睡眠障害
- 頭痛やめまい、吐き気
- 肩こりや手足のしびれ
など、他にも様々な症状があらわれます。
先ほど自律神経の説明を簡単にしましたが、この自律神経が体のバランスを保っているので、これが乱れることは本当に体のいろんな場所に問題が生じてしまうのですね。
ですので、体温調節ができないといったことも十分考えられるようです。
その体温調節も、夏の暑いときに体温が暑くなったり、逆に冬は体温が低下したり、夏の冬も体温が低いままだったりなど様々なパターンがあるようなんですね。
その自律神経の障害の原因にも、いろんなことが考えられています。
体温調節ができない自律神経失調症の原因
自律神経失調症の原因も、実ははっきりとしたものがないとも言われています。
ただ、その中でも「ストレス」は大きな原因を与えているだろうと言われていて、かなり感情の影響や周辺の出来事に左右されるとも言われています。
ただ、すべてがストレスというわけではなく、その原因も様々あるようで、大きく分けて4つに分類がされているようです。
本体性型自律神経失調症 | ストレスと関係なく、体質的に自律神経のバランスを崩しやすい。 |
心身型自律神経失調症 | ストレスが原因 |
神経症型自律神経失調症 | 神経質な方に多く、悩みや不安などのコントロールが苦手 |
抑鬱型自律神経失調症 | 几帳面・完ぺき主義の方がなりやすい。 |
これで見ても色んなタイプがあって、日常生活の中での音や光、温度でも場合によってはストレスになりますよね。
仕事での不安や人間関係など様々な部分で影響がありそうですね。
これらは精神的なストレスによるものですが、身体的なストレスによっても自律神経に障害が生まれ体温調節ができない場合があります。
例えば、夏場のクーラーです。
クーラーがものすごく効いたデパートなどから、炎天下の外に出るとくらくらしたことないですか。
これは、体が急激な温度変化についていけず、自律神経が乱れてしまって混乱しているような状態です。
こんな激しい温度変化が何度も続いてしまうと、正常な体温調節ができなくなって体に異常をきたしてしまうこともあるのです。
これも一つのストレスの一種です。
体温も上がったり下がったりする原因に、このような日常生活のストレスや睡眠などのことが影響することが一つ言われていますね。
他にも昼夜逆転するような不規則な生活なども影響する可能性があります。
今は仕事の形態も様々で、夜に働いて昼に寝るといった生活をされている方もいるでしょう。
でも、体内時計というのがあって、それと行っている行動に大きな差があると体がおかしくなってきます。
他にも食生活が影響していることも指摘されていて、バランスの悪い食事で十分な栄養が取れていないと、それも体温調節ができない原因へと変わっていくかもしれません。
他には、私がかかってしまった甲状腺の病気や更年期障害のように、病気が関係するケースですね。
この場合は、病院に行って診察してもらうなどの治療が必要になると思います。
そんな自律神経の失調症ですが、あまりに症状が多いし、しかもその原因となることも非常に多いし、さらに人によって症状が違う。
なんとも言いづらい病気ですし、原因もバラバラなので治療法も「この薬さえ飲めば大丈夫」といった方法なども確立されていません。
だから、特にものすごくしんどいというわけではないけれど、何か体がだるかったりやる気が出なかったりすると、自律神経失調症が疑われるので内科や心療内科への受診が必要かもしれません。
では、自分ではどうやって改善していけばいいのか。
家でできることなど、体温調節ができない状態の改善についてみていきましょう。
体温調節ができない状態を改善するには?
体温調節ができない原因が自律神経失調症だった場合、自律神経のバランスをしっかり正常な状態に戻す必要がありますよね。
でも、原因がバラバラで、改善すると言っても何から始めていいのかわからないということも多いと思います。
その自律神経失調症ですが、精神的なストレス面での影響が強いこともあって、そこから改善していくことから始めるのがいいようですね。
そのためにはどんなことができるか、いくつか提案という形でその改善方法についてまとめてみました
リラックスできる時間を作る
仕事に行って帰ってきても、まだやることが多くて忙しいと体が休まりませんよね。
体がしんどいと身体的なストレスが溜まっていきます。
家でもしなければいけないことはいくつもあると思いますが、それらを早く済ませたり別の日に移したりなどしても、ゆったりできる時間を作ることが必要だと思います。
例えば、
- 部屋でアロマなど使ってリラックスする。
- お風呂で音楽を聴きながらリラックスする。
- 映画などを見て落ち着く時間を作る。
いろんな方法がほかにもたくさんあると思いますが、忙しい中でもこういった時間がない一日はしんどいです。
毎日「しなければいけないことばかり」だと気が休まらないので、1日1時間でも体を休められる時間を作りたいですね。
リラックスできる時間には、自分の中のストレスを発散できることがあるといいです。
趣味があると一番わかりやすいですが、休日にストレスを発散できるような趣味は仕事と休日でメリハリもつくし力が抜けていいですね。
生活習慣の改善
生活習慣の中に自律神経失調症の原因があることも多いので、普段の生活習慣を見直すことも大切になってきます。
特にその中でも大切だと言われているのが、
- 食生活
- 睡眠
- 運動
この3つは特に私たちの活動において関係性が深いものばかりです。
しっかりとした食事を最近取れていない人も多いんじゃないでしょうか。
レトルトやコンビニなどに頼って、脂肪や油ものばかりの食事やお菓子類やジャンクフードなど欧米型の食事は問題になっています。
偏った食生活のいけませんし、偏った食事量というのもしんどいですね。
睡眠不足による影響
また、睡眠にも大きな影響があって、寝不足は体の回復にも大きく影響します。
寝不足になっている原因に、スマホやゲームなども取り上げられてますし、それによって夜更かししてしまうことも多いですよね。
そんな睡眠不足の改善方法について、別の記事でも詳しくまとめています。
関連ページ>>睡眠不足解消の方法とは?食べ物や飲み物は?レシピグッズツボ吐き気
食べ物や飲み物、また少しの昼寝の効果などもまとめているので読んでみてください。
運動による体温調節への影響
後は運動も自律神経失調症の改善に必要だと考えられています。
今回のようにストレスを抱えている時こそ、運動がいいと言われています。
運動を取り入れると自律神経の「交感神経と副交感神経の切り替え」が強制的に行われるので、自律神経を鍛えるといった意味でも有効だと考えられているのですね。
だから運動をすることで、自律神経の乱れを正常な状態に戻すようにトレーニングすることにもなるわけです。
運動することで体温調節も鍛えられるし、汗腺の活動にもつながります。
汗をかく器官の汗腺が衰えていると、うまく汗を出せず熱がこもったりすることがあります。
そうなると熱の放出がうまくできなくて、熱中症にかかりやすくなったりすることもあります。
また、汗腺の衰えは体臭にも影響があると考えられているため、運動することは体の様々な部分に好影響があるわけです。
ただ、そうはいっても息が切れるくらいの運動ではなく、ウォーキングやジョギング、筋トレなどでそこまで苦痛でないくらいの負荷でするのがいいと思います。
あまりキツイと長続きしないので、習慣化できるくらいの負荷で続けてやることが大切だと思います。
あとがき
体温調節できないのは病気に関係があるのか。
また、自律神経の障害による体温調節の影響やその状態を改善するための方法として食事や睡眠、運動などをピックアップしましたがいかがでしたか。
体温調節ができないときには、この自律神経失調症が疑われることが多いので、自分の中で心当たりがないか思い返してみましょう。
ただ、何か体の不調があるときは、病院に行って病気でないかも確かめてもらうことも必要かもしれません。
どちらにせよわからないときは内科や心療内科などで確認するのがいいかもしれませんね。
そんな体温ですが、あまり低いといろんな体の問題が出ることが指摘されています。
特にいつも34~35℃台の人は注意が必要かもしれません。
その体温の低い状態でのリスクについて別の記事でまとめています。
関連ページ>>体温の正常値ってどのくらい?35度や34度の時のリスクとは?平熱平均
自分の体温がいつも低いと感じる人は、一度読んでみてください。
特に冬場は暖房をつけたり加湿したりする必要がありますよね。
でも、どの暖房器具や加湿器がいいのか?冷え対策はどうしたらいいのかわからないことも多いと思います。
そんな「冬場のお悩み」について書いた記事をこちらでまとめています。
たくさん参考になることがあると思うので、ぜひご覧になってください!