とくに夏場になるとよく熱中症の話を耳にしますが、聞けば聞くほど毎年熱中症にかかっている人が多くなっているように感じます。
実際に昔に比べると熱中症は増加していますが、その原因はいったい何があるのでしょうか?
今回はその傾向をグラフで確認していくとともに、死亡にまで至ってしまう熱中症の怖さを原因とともに見ていきたいと思います。
熱中症が増加している原因をグラフで確認
毎年ニュースなどでも、救急搬送される熱中症患者の話をよく聞きますよね。
そういったニュースを聞いていると、
- 熱中症で救急搬送された人は過去最高
- コンサート会場で熱中症で約○○人救急搬送
- クラブ活動中に意識がもうろうとし~
などなど、夏の真っ盛りの時は一日一回くらいこういったニュースを目にすることがあるくらい増加しているような感じを受けます。
では、年々熱中症患者は増加しているのでしょうか?
それを表すうえで、
これが一つの目安になるのではないかと思います。
そんな熱中症患者の推移を表すグラフが環境省の熱中症マニュアルの中にもあったので、まずはそれを見てみましょう。
熱中症増加のグラフ
参照:環境省「熱中症保健マニュアル2014」より
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
さて、このグラフを見ると急激に2010年(平成22年)から上がっていることがわかります。
これは2013年(平成25年)までしかなかったので、グラフの表し方が違いますがもう一つ消防庁にも同じような表がありました。
参照:消防庁「平成28年の熱中症による救急搬送状況」より
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h28/10/281012_houdou_2.pdf
こちらは2016年(平成28年)までの状況がわかります。
6月~9月の熱中症が増加しやすい時期に、これだけの人が救急搬送されているのですね。
熱中症と気候の関係
この「2010年」にいったい何が起こったの?
こう思いますよね。
実はこの2010年では、記録的な猛暑が観測された年でした。
1988年以降で6~8月の平均気温が最も高かった年がこの2010年だったのです。
全国で35℃以上の猛暑日の日数を更新した地点も多く、8月の平均気温が観測地点のおよそ半分の場所で過去最高の記録を更新しました。
これには大きくラニーニャ現象の影響があると考えられています。
2013年にも同じようなことがあったのですが、この年は高知の四万十川で気温が41℃を超えるというような事もあり、千年に一度の「千年猛暑」などとも呼ばれた年でした。
ここ数年で急激に増加したように感じる熱中症ですが、こうやってグラフを見るとそれも明らかになります。
じゃあ一体どうして、ここ数年で熱中症患者が増加したのか?
次は、その原因について探っていきたいと思います。
熱中症が増加している原因は何なのか?
ここ数年で熱中症になる人が増加している原因はいったい何なのか?
少し不思議に思うところもありますよね。
この熱中症が増加している原因として考えられるのは、一つの事だけじゃなくていろんなことが考えられると、その可能性が指摘されています。
では、熱中症増加の原因として考えられることをピックアップしまとめたのが次のような項目です。
熱中症増加の原因
- 地球温暖化による温度上昇
- 真夏日や熱帯夜の増加
- ヒートアイランド現象による都市の気温上昇
- 高齢化によって体調管理ができない人が増加
- 「熱中症」の認知度が上がり、危機管理が上がった。
- クーラー病や体温調節機能の低下
- ストレス、睡眠不足、食生活の乱れなど生活習慣の悪化
やっぱり気温が上がるにつれて、熱中症での救急搬送数も上がっているようです。
まあそれは自然な流れではあると思いますが、その気温の上がる日というのが多くなったように感じますよね。
真夏日や熱帯夜が増えると、その分熱中症にもかかりやすい人が増えますし、危険度も増します。
そして、現在は高齢化も進み、体温調整がうまくできないお年寄りの方も多くなっています。
高齢者は気温の変化を感じにくく、また、あまり水分を進んで取らない人も多いため熱中症になりやすい人も多くいます。
また、エアコンをつけたくないといった人も多いですよね。
その一方でクーラーを頻繁に付け、外に出なかったり運動しなかったりすると、体が汗をかかないような体質になってしまい、暑くて汗を上手に書けないといった人も増えてきているようです(クーラー病)
熱中症と生活習慣の乱れ
そして、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れた、いわゆる「生活習慣の乱れ」というのは熱中症に対応できる体力もなくしてしまうと言われています。
現代社会では何かと問題にもなっている生活習慣の乱れは、熱中症の原因にもかかわる大きな問題として取り上げられています。
このような熱中症の増加で、ニュースでも頻繁に取り上げられることになったため、その認知度はかなり高くなりました。
昔は「日射病」とか「熱射病」なんて言われていましたが、「熱中症」として知られることで、その対処方法や対策なども広く知れ渡っています。
そういった認知度の高さから、
といった危機管理がそれぞれに芽生えたため、こうやって徐々に数字として増加してきたのかもしれません。
これは、どちらかというと熱中症への危機意識が高まったとして、良いことではないかと思います。
熱中症で死亡してしまう原因は何なのか?
熱中症はめまいや頭痛、吐き気など、様々な症状をもたらしますが、重症化すると意識がなくなったり40℃近くの高熱が出たりなど、とても怖い状態にもなりかねません。
そして最悪の場合、多臓器不全などで死に至ることも少なくないのでとても注意しないといけないのです。
そんな熱中症の死亡者数は、2010年の猛暑だった時、6~9月で1700人を超えた死亡者が出たようです。
参照:環境省「熱中症保健マニュアル2014」より
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf
熱中症で死亡してしまう原因にもいろいろ考えられますが、やはり熱中症にかかってしまった場合にそこから回復できる体力がないとなかなかしんどくなります。
というのも、熱中症にかかる人の約半分ほどは高齢者になっています。
新生児:生後28日未満
乳幼児:生後28日以上満7歳未満
少年:満7歳以上満18歳未満
成人:満18歳以上満65歳未満
高齢者:満65歳以上
参照:消防庁「平成28年の熱中症による救急搬送状況」より
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h28/10/281012_houdou_2.pdf
高齢者の方は熱中症になりやすく、また危険度も高くなりがちなので、周りの人が注意をして見守ってあげなくてはいけません。
また、小さな子供も注意してあげなくてはなりませんね。
そんな熱中症にかかりやすく重度化もしやすい人が周りにいる場合、自分から訴えないといったことも多いので、気づいた時には重症化しているなんてことも起こりえます。
そうなってくると熱中症で死亡する原因にもなってしまうので、
しんどそうなサイン
というのを見逃してはいけません。
そのサインにも、いくつか具体的な知らせというものがあるんですね。
早めに気づいて重症化を避けるためにも、ぜひご覧になって下さいね。
熱中症が重症化するワケ
熱中症が重症化すると死亡するケースがありますが、どうして熱中症が重症化するのか、その原因も抑えとかないといけませんね。
そんな中で、重症化に多い原因をピックアップしました。
- 自分が熱中症だと気づかず無理をしている。
- 熱中症の後の対処がうまくできていない。
- 高齢者や小さな子供の熱中症に周りが気づかない。
- 仕事がら熱中症にかかりやすい環境が整っている
- 持病がある
このようなところでしょうか。
熱中症になりやすい原因はもっとたくさんありますが、そこから重症化となると、
- 「無理をしてしまう」
- 「熱中症をよく理解できていない」
- 「体力がない」
こういったことが重症化や死亡に繋がりやすいのではないかと思います。
自分の体のことを理解し、無理はしないようにするのが大切ですね。
あとがき
熱中症が増加している原因は何なのか。
グラフで確認するとともに、死亡にまで至ってしまう理由も一緒に、熱中症の怖い流れについて見てきましたがいかがでしたか。
熱中症は特に7~8月の暑い時期に急激に跳ね上がりますが、5~6月といった時期もすでに熱中症の報告はよく目にします。
とくに、気温の変化が激しくなるので、急激に暑くなった日は危険ですので、着る服で調整したり水分補給をこまめにするなどで自己管理しましょう。
夏は熱中症や夏バテなど、体に負担のかかる悩みが多いです。
そんな夏場の気を付けたいことを、こちらのページでまとめています。
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