一年の締めくくりとして大晦日に食べる
年越しそば
子供の頃から当たり前のように食べていますが、どうして年末の大晦日にそばを食べるようになったのでしょうか?
あなたは年越しそばを食べたり作ったりするときに、
⇒ 誰が最初に年越しそばを食べるようになったんだろう?
⇒ いつからこの風習って続いてるんだろう?
こんなことを思ったりしませんでしたか。
そこで、これらの疑問に答えるために、今回は次の4つのテーマでまとめてみることにしました。
- 年越しそばを食べる意味や由来
- 本来はいつ食べるのが正しいのか?
- 英語ではなんて言う?
- 年越しそばのレシピは?
今回は、このような年越しそばの疑問について考えてみました。
この年越しそばについて調べていくうちに、じつはその由来にはたくさんの説があり、面白いものもたくさんあることがわかったんです。
そして実は、本来年越しそばというのは、
なんてことまで飛び出してきました。
何やら不思議なことが多そうで、色んな由来や意味が込められた、
年越しそばの秘密
こちらについて深くまとめましたので、どうぞ最後までご覧ください。
年越しそばの由来ってなに?
年越しそばを食べるようになったのは、江戸時代に始まったと言われていて、
といったことが由来となっているようです。
そのため、1年の最後である大晦日の夕食に年越しそばとして食べるようになったのですね。
大きいくくりでは「厄払いや運気上昇」とまとめましたが、これを細かく分けるといくつもの由来に分かれます。
そんな年越しそばの由来を細かく分けたものが、次の8つです。
- 健康を祈願するため。
- 長寿を祈願するため。
- 金運を祈願するため。
- 運気を上げるため。
- 昨年の苦労や借金を切り捨てるため。
- 江戸時代の商家の「晦日そば」が広まった。
- そばの逞しさにあやかった。
- 室町時代の歌から。
このような由来がそれぞれ説としてあります。
では、簡単にそれぞれの説について説明していきますね。
1.健康を祈願するため。
そばは、
ということが流行しており、年越しにそばを食べることで、
「翌年も健康ですごせますように。」
という祈願を込めて食べられるようになったと言われています。
2.長寿を祈願するため。
そばは細く長く伸びることから、
「長く生きることができる。」
という祈願を込めて食べられるようになったと言われています。
3.金運を祈願するため。
金細工をする職人が散った金粉を後片付けのために、そば粉を丸めたものを使って集めていたたので、
「そばは金を集める。」
と言われ、金運を上げるために食べたと言われています。
4.運気を上げるため。
鎌倉時代に博多の承天寺で、弁円というお坊さんが貧しい人たちにそば餅を振る舞ったところ、翌年にそば餅を振る舞われた人達に運が向いてきたことから、
「そばを食べると運気が上がる。」
と言われ、食べるようになったと言われています。
5.昨年の苦労や借金を切り捨てるため。
そばは切れやすいため、
「今年1年の苦労や災い、借金などを切る。」
ということを願って食べられるようになったと言われています。
6.江戸時代の商家の「晦日そば」が広まった。
江戸時代に商家では
「晦日そば(三十日そば)」
というのを、月末には必ず使用人に振る舞って労をねぎらっている習慣がありました。
年越しそばはこの習慣が広まって、食べられるようになったと言われています。
7.そばの逞しさにあやかった。
そばは非常に強い植物で、
「雨風で倒れても、起き上がってくるような逞しさがあった。」
ですので、それにあやかって年越しそばを食べるようになったと言われています。
8.室町時代の歌から。
室町時代の増渕民部が、大晦日に無事息災を祝って、
世の中に
めでたいものは
蕎麦の種
花咲みのり
みかどおさまる。
このような歌を詠んでそばがきを食べたことが、年越しそばの始まりという説があります。
こんなふうに、年越しそばの由来にはたくさんの説があるのです。
どの説も、その多くはそばに秘めている力にあやかって、次の年も良い年になるよう願うために食べていたことがわかりますね。
では次に、
年越しそばを食べる意味とは何なのか?
ということについて見ていきましょう。
年越しそばの意味ってなに?
子供の頃から大晦日に年越しそばを食べていましたが、親からもこんな言葉を聞かされながら食べていたものです。
あなたも言われたことはないですか?
何となく子供心に、
そんなふうな意味があるのだと思っていました。
でも、年越しそばには上でも見てもらったように
というのがわかると思います。
つまりまとめると、年越しそばは、
縁起のいい食べ物
という意味が込められているわけですね。
そんな縁起のいい年越しそばは、いつ食べるのか?ということを知っておかないと、せっかくの縁起物なのに逆に縁起が悪くなってしまいます。
ということで次は、
年越しそばはいつ食べるものなのか?
ということについて見ていきましょう。
年越しそばはいつ食べるものなの?
縁起物の年越しそばですが、いつ食べると言ってもご存知のように
大晦日に食べる。
というのが答えですよね。
という意味を含む年越しそばですが、上で紹介した由来にもあるように
- 今年1年の苦労や災い、借金などを切る。
- 翌年も健康ですごせるように。
- そばを食べると運気が上がる。
など、翌年の運を上げようと祈願しているので、当然、年を越してから食べるのは縁起が悪いですね。
だから大晦日であれば、実際には食べる時間やタイミングなど気にして食べる家庭はほとんど無いと思います。
年をまたぐ前であれば、好きな時間でいいでしょう。
ただ、地方によっては大晦日ではなく、元旦など年をまたいでから食べるといった風習が残っている地方もあるようです。
年越しそばは節分に食べられていた。
そして、実は、
ということも言われています。
では、いつ食べるものだったのかというと、
というのです。
今でこそ節分は恵方巻きや豆などを食べる風習が根付いていますが、元々は
といってそばを食べる習慣があり、今でも残っている地域があります。
出雲地方では節分には「節分そば」を食べるといった風習があり、今で言う「年越しそば」と同じような意味があったと言われています。
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節分とは立春の前日にあたります。
旧暦では
とされていたので、立春を「新年」とすると、その前日である節分は「大晦日」と同じような扱いをされていたのですね。
ですので、
ということで、年越しそばを節分に食べていた!ということなのです。
今で考えるとなんとも不思議な感じですね。
年越しそばのレシピを紹介
年越しそばといっても色々なレシピがあると思います。
私の家でも年越しそばは、毎年同じように普通の温かい出汁のおそばです。
今までで一度だけ、友達と過ごした時に「緑のたぬき」だった時もあります。
そもそも年越しそばでは、
- 温かいそば
- 冷たいそば
どちらでも構わないとされてますが、季節柄やっぱり温かい年越しそばを食べたいですよね。
年越しそばのレシピと言っても、あまり変わったレシピではなくて、トッピングをいろいろと変える程度で楽しめると思います。
トッピングとして候補に上がるのが
かまぼこ、しいたけ、エビの天ぷら、かき揚げ、天かす、鶏肉、牛肉、鴨肉、油揚げ、ほうれん草、ねぎ、のり、卵、もち、ニシン、とろろ昆布など
どうですかね。
これだけでも、なんとなく美味しそうな年越しそばの組み合わせのイメージが湧きますよね。
そのベースとなる年越しそばのレシピは
- そば:1玉
- めんつゆ:50cc
- 水:300cc
お汁の濃さは微調整してもらえればこれだけで大丈夫です。
あとはトッピングに好きなものを入れれば完成といった感じですね。
他にも変わったところでは、カレーうどんならぬカレー年越しそばや、ざるそばをあえて食べるといった方もいるようです。
あとがき
こんなふうに年越しそばには面白い由来や意味があったり、いつ食べるのかというのも歴史があったのですね。
そんな年越しそばですが、英語では
- そば:buckwheat noodle
- 年越しそば:the buckwheat noodles eaten on New Year's Eve.
英語圏の人には「そば」というのは馴染みのない方も多いようで「buckwheat」というのがわからない人もいるようです。
それよりも今では
「soba」
と言ったほうが逆に通じるようですね。
実はこんなにたくさんの由来や意味が込められた年越しそば。
昔の人はよく考えたものですね。
さて、今年の最後も年越しそばを食べて、お互いに良い年越しを迎えたいものですね。