お彼岸というと、
- 春分の日
- 秋分の日
この日を中日として、一週間の期間を「彼岸」といいますが、この期間が「彼岸」と呼ばれるには、ある仏教の信仰が元になっています。
その歴史を紐解いていくと、
彼岸とはどういう意味があるのか?
ということが自然とわかるようになってきます。
また、それによってお墓参りをする意味や、おはぎを食べたりお供えしたりする意味も見えてきちゃうんですね。
- どうして、私はいま墓参りしているんだろう?
- どうして、お供えにおはぎが多いのかなぁ?
- お彼岸って何なんだろう?
こういった疑問も、歴史を振り返りながら見ていくとお彼岸について理解が進んでいくので、お墓参りなどにもより気持ちが入っていきます。
何も考えずに、ただ行事だからおこなうのか?
それとも、
きちんと意味を知って、何のためのお墓参りなのか考えながらするのか。
この二つでは大きく違いますね。
今回は、そんなお彼岸のさまざまな意味についてまとめました。
お彼岸はどういう意味があるの?
お彼岸というのは、元々は
「彼岸(ひがん)」
と呼ばれる仏教用語で「向こう岸」という意味です。
つまりこれは「極楽浄土」のことを指しています。
その「彼岸」と相対するのは
つまりこれは、「娑婆(シャバ)」のことを指しています。
そして仏教では、極楽浄土が西の彼方にあると考えられています。
- 春分の日
- 秋分の日
これらの日は太陽が真西に沈むので、極楽浄土の方角がはっきりわかります。
太陽が真西に沈む「春分の日と秋分の日」
まずはこの天球の図を見てください。
- 天球:地球を中心として取り巻く球体
- 黄道:天球上における太陽の見かけの通り道
- 天の赤道:地球の赤道面を天球にまで延ばし、天球上と交差してできる大円
- 春分点:黄道と赤道の交点のうち、太陽が赤道を南から北へ横切る点
春分の日の説明ですが、春分の日というのは、この図にある『春分点』をスタートとして、
というように考えられていて、
- 太陽が真東から昇って真西に沈む日
- 昼と夜の長さがほぼ同じ日
という特別な意味を持った日なのですね。
秋分点も同じような理由で、真西に沈むといったことになります。
ですので、この2つの日を中日とする「お彼岸」の期間には、ご先祖さまの供養が盛んに行われるんですね。
お彼岸には、このように仏教の思想が関係していることがわかります。
まあ、わかりやすく言うと、春分と秋分の日はご先祖様のいる方向(極楽浄土の方角)がとても分かりやすいので、
そしてこのことから、春分の日は、
つまり、亡くなられたご先祖様とあなたの距離が最も近づく日というように考えられていたのですね。
そして、これはお墓参りをする意味にもつながってきます。
では次に、お彼岸でお墓参りをする意味について見ていきましょう。
お彼岸で墓参りをする意味は?
お彼岸でお墓参りをする意味は、上で触れたように、
極楽浄土が西の彼方にあると考えられているため、「春分の日」と「秋分の日」は太陽が真西に沈むので、極楽浄土の方角がはっきりわかります。
このことから、
「この世とあの世との距離が最も近づく日」
と考えられていました。
ですので、お彼岸にはお墓参りをしてご先祖さまを供養し、お祈りをすることで故人を偲ぶという風習が残っているのです。
お盆とお彼岸の違いって?
ご先祖様の供養というと、お盆が思い浮かびますね。
このお盆も、ご先祖さまへの供養をする日となっていますが、実は、お彼岸とお盆では意味合いも変わってきます。
簡単にお盆のことについてまとめると、お盆はご先祖さまや肉親の精霊が帰ってきて下さる期間で、
「ご先祖さまがあの世から帰ってきて、家族と共にひとときを過ごし、再びあの世に帰っていくという、1年に一度の期間のこと。」
ということでに、生前のご恩に対しての感謝の気持ちを込めて供養するのがお盆なんですね。
しかし、大きな意味でご先祖さまを供養するという心に変わりはありません。
また、お彼岸の期間でなくともお墓参りすることは大切です。
あなたもご先祖さまを供養し、偲ぶ時間を大切にしてくださいね。
お彼岸でおはぎを食べる意味は?
お彼岸の時期にはおはぎを食べるといった風習が残っています。
では、どうして「おはぎ」を食べるようになったのでしょうか?
それにはおはぎに使われている
「あずき」
が関係していると言われています。
あずきには元々【邪気を払う】とされており、昔から日本では赤色に魔よけ効果があるとされていました。
東洋思想の五行では赤色は「火」を表します。
例えば、小豆粥(あずきがゆ)を食べる習慣は、『土佐日記』にも書かれているほど歴史があります。
ですので、あずきを使ったおはぎは邪気を払うとされていたのですね。
また、当時は高価なものとされていた「砂糖」や「もち米」を使うことから、ご先祖さまを大切に思う気持ちが表れているのです。
そして、
『あずきともち米を合わせる(ご先祖さまと心を合わせる)』
という意味が込められていたと言われています。
お彼岸でおはぎをお供えしたり食べたりする意味には、このようにご先祖さまを思う気持ちが込められていたのですね。
あとがき
お彼岸にはお盆とはまた違った意味が込められています。
このようにお彼岸の意味を理解することで、お墓参りする際にも少し違った思いも生まれてくるのではないでしょうか。
お彼岸にお供えしたり食べたりする
「おはぎ」
これにはもうひとつ
「ぼたもち」
を、お供えしたり食べたりするといった事も言われています。
お彼岸の春分の日と秋分の日についてはコチラで詳しくまとめています。
それぞれの共通点や違いがわかるといろいろ面白いですよ!