お風呂でよくのぼせる・疲れる。
こう感じている人は、実は、お風呂の入り方や温度に問題があることが多いです。
とくに高齢者の方になると風呂の事故も多くて、それは単に滑ったりなどではなく、立ちくらみや貧血が影響することもあるんですね。
お風呂も入り方次第で怖い場所になってしまうことがあるんです。
そこで今回は、本来の気持ちのいいお風呂を取り戻すために、
お風呂でのぼせたり疲れる原因はいったい何なのか。
お風呂の適温や、立ちくらみ・貧血の原因にはどんなことがあるのかまとめました。
快適で安全にお風呂に入るためにも、最後までご覧になってください。
風呂でのぼせる、疲れる原因は?
お風呂に入ったらのぼせる、疲れたりすることってありますよね。
私の場合は長時間お風呂に入るとのぼせることが多いです。
長時間と言っても、20分程度でもうしんどくなってきます。
いったいこのお風呂でのぼせる、疲れるというのはどんな原因でこうなってしまうのか?
人によっても個人差がありますよね。
お風呂でのぼせるというのは、体がお湯で温まり血管が拡張し、血液の流れが増加することが原因と言われています。
だから、まずは熱すぎるお湯につからない。
そして、長時間お風呂に入らない。
これがお風呂でのぼせないための方法で、最初に思いつくことですね。
でも、この場合はお風呂に入ったことで一時的にのぼせただけなので、しばらく時間がたつと元に戻ってきます。
だからお風呂でのぼせた、疲れたと感じたら、まずはお風呂から上がりちょっと体を休めましょう。
お風呂でのぼせたり疲れるのは危険な状態
お風呂でのぼせるくらいまで入っていると、当然体は熱いし疲れます。
このとき体の中でどのようなことが起こっているのかというと、体温を調整する自律神経の「交感神経」がかなり活発に働いている状態なんですね。
交感神経は体が活動的な時に働く神経なので、脈拍や心臓の働きも活発になります。
するとそこで体温や血圧の上昇が起こります。
体温が上がりすぎると当然体は調整機能が働くので、汗を出す指令を出して体を冷やそうとするんですね。
それにもかかわらず、お風呂に入っているから、いくら汗をかいても体温が下がらない。
すると「もっと汗を出さないといけない!」と体が頑張って働くわけです。
これが悪循環になって続いてしまうと、脳からいくら指令を出しても体温が下がらないので、
ってなってしまって、のぼせたりして吐き気がしたり、血圧や血流の上昇、発汗などのために体が疲れたりしてしまうんですね。
お風呂ののぼせは熱中症のようなもの
これと似たような状態なのが熱中症です。
熱中症は夏の炎天下で長時間いると起こるような症状ですが、これも大量の発汗があるのに水分補給できていなかったりすると発症します。
また、気温の急激な上昇で体温調整がうまくいかず、熱が体にこもってしまい熱中症にかかったりするケースもあります。
関連ページ>>熱中症の原因と症状 頭痛めまいふらつき吐き気等の応急処置は?
お風呂でのぼせるのも長時間熱いお風呂につかっていたりすることで、熱をうまくい逃がせず体にこもってしまう原因も一つあります。
また、大量の発汗も促されてしまいます。
お風呂でのぼせることも、一種の熱中症と言えるくらい近いものがあるのではないでしょうか。
風呂でのぼせないための適温は?
お風呂でのぼせないためには、
- 長い時間お風呂に入らない
- 熱すぎるお湯にはつからない
この基本的なことを守ればのぼせる可能性も低くなると思いますが、ではどのくらいの温度が適温なのでしょうか。
よく健康のためにいいお風呂の入り方で言われるのは、
半身浴をすることで美容や健康にもいいと言われていますが、半身浴をするときの適温と言われるのが、
このくらいのお湯の温度が良いと言われます。
このくらいの温度で半身浴をすることによって、
じんわりと体の芯まで温まることで血流をよくし、冷え性やむくみなどの改善を目的とすること。
副交感神経を優位にし、リラックス効果を高め疲れを癒す。
こういった効果が期待できると言われています。
この半身浴の温度を参考にすると、多少時間が長くてものぼせることは少なくなります。
熱いお湯につかるとすぐに体表面は熱くなりますが、短時間では体の芯まで温まるまでには至りにくいそうです。
でも、熱いお湯に長時間使っているとのぼせてしまいますよね。
そこで38℃くらいの温度にして、じんわり体の芯まで温まって効果を得ようというのが半身浴の狙いです。
だからお風呂でのぼせない、疲れないようにと思うのなら、38~40℃くらいの少しぬるめの温度が適温でしょう。
消費者庁が推奨するお風呂の適温
このお風呂の適温については、消費者庁からも一つの提案で適温が発表されています。
消費者庁が 55 歳以上の消費者を対象に実施したアンケート調査によると、持病が無い普段元気な人でも入浴事故が起こることを知っている人は34%にとどまる等、入浴事故のリスクが十分に周知されていませんでした。
また、安全な入浴方法の目安である
「41度以下で10分未満に上がる」
これを守っている人は42%にとどまり、浴室等を暖める対策を全く実施していない人も36%存在する等、消費者の安全対策が不十分であることが分かりました。
こうした中で約1割の人が、入浴中にのぼせたり、意識を失ったりしてヒヤリとした経験をしていました。
安全に入浴するために、以下の点に注意しましょう。
- 入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。
- 温度は41℃以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょう。
- 浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。
- アルコールが抜けるまで、また、食後すぐの入浴は控えましょう。
- 入浴する前に同居者に一声かけて、見回ってもらいましょう。
参照:消費者庁 高齢者の入浴中の事故への注意喚起
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/160120kouhyou_2.pdf
55歳以上の高齢者を対象に注意喚起された文書ですが、普通に成人にも当てはまることも多いと思います。
さて、ここでお風呂の適温として、
- 38~40℃
- 41℃
という数字が出てきましたが、おおよそこのくらいの温度が適温だと言えそうですね。
でも、冬場とかだと42℃以上じゃないとは言った気にならないし、ぬるいから風邪ひきそう、なんて思ってしまう人も多いんじゃないでしょうか。
でも実は、この42℃というお風呂の温度が
だということが言われています。
一体どういうことなのか?
この42℃のお風呂の温度について探っていきますね。
42℃というお風呂の温度の境目とは?
お風呂の温度は夏場はそこまで高くないですが、冬場になるとちょっと熱めのお風呂に入りたいですよね。
でも、お風呂の温度も高すぎると、実は逆効果になってしまうことがあると考えられています。
そのお風呂の温度というのが、42℃を境に効果が大きく変化すると考えられています。
42℃以上の熱いお湯に入ると、自律神経の交感神経が活発に活動をはじめ、お風呂に入っているのにリラックスできない状態になるようです。
すると体は興奮状態になるため、血圧や脈拍の上昇、発汗が大きくなって休まらなくなります。
また、42度以上で長湯すると、深部体温が2℃以上上がって、血栓ができやすくなるとも言われていますね。
42℃以上のお風呂に入る人も多いと思いますが、その場合は10分以内に出ると大丈夫だと言われています。
42℃以上の温度では、入浴後は気持ちいかもしれませんが、交感神経が刺激され興奮状態になりやすく寝つきが悪くなります。
また血圧や脈拍の上昇が激しく心臓に対する負担も増えるので、高血圧や心臓病の人には危険です。
ですので、
- サッと入る程度なら42℃くらい
- 少し長めにお風呂につかりたいなら38~40℃
このくらいがお風呂の適温ではないでしょうか。
風呂での立ちくらみや貧血にならないために
お風呂でのぼせてしまい、立ちくらみや貧血のような状態になって倒れてしまうケースもあります。
こうなるくらいまでお風呂に入るのは危険ですし、ちょっと体の不調があったら入らないくらいでも構わないと思います。
まず、お風呂で立ちくらみや貧血にならないためには、先ほどから何度も出ているように、
これを守りたいですよね。
実際に55歳以上のアンケート調査で、お風呂でヒヤッとしたときの状況で、長くお風呂に入っていた事が影響していると答えた人が多かったようです。
参照:消費者庁 高齢者の入浴中の事故への注意喚起
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/160120kouhyou_2.pdf
あまり長くお風呂に入りすぎて、立ちくらみや貧血につながるようなことは避けたいですね。
また、体の調子が悪い人や持病を持っている人や、お風呂の入り方がおかしかったりすると、血圧の動きが激しくなったりして立ちくらみを起こしてしまう場合があったりするのです。
先ほど消費者庁からの注意喚起も引用しましたが、その注意点で、
- 入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。
- 温度は41℃以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょう。
- 浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。
- アルコールが抜けるまで、また、食後すぐの入浴は控えましょう。
- 入浴する前に同居者に一声かけて、見回ってもらいましょう。
このようにありますね。
この中でのぼせてしまう理由にお風呂の温度がありましたが、それ以外にも立ちくらみや貧血の原因になることがあります。
まず、その一つが浴槽からの出方にあるんですね。
浴槽から急に出ると貧血を起こすワケ
ここにもあるように、浴槽から急に立ち上がることで立ちくらみを引き起こす場合があります。
これは浴槽の中では水圧がかかっていて、その状態から急に立ち上がると体にかかっていた水圧が無くなります。
すると圧迫されていた血管は一気に開いて、脳に行く血液が急激に減るので脳が貧血をおこしてしまうのですね。
だから浴槽から一気に出ず、まずは上半身を湯船から出して、しばらくしたら浴槽から出ると貧血も起きにくくなります。
これも実際にアンケートを取ったデータが掲載されていますが、お風呂でひやりとしたタイミングで答えている人が多くなっています。
急に立ち上がって立ちくらみを起こすことと、水圧の減少によるものが重なると、クラっとするので注意してください。
高血圧の人は入浴時に注意
熱いお湯につかったりすると、正常な状態の人でも血圧が上がります。
さらに普段から高血圧の人で特に高齢者の人だったりすると、さらに注意が必要になりますよね。
また、他にも持病によって血圧が上がる人は、入浴もあまり熱い温度は避けた方が良さそうです。
立ちくらみをして浴槽で転倒すると、なかなか誰も気づかないことも多く、それが湯船の中だったら溺死する可能性もあるので注意したいですね。
あとがき
お風呂でのぼせたり疲れる原因はいったい何なのか。
お風呂の適温や、立ちくらみ・貧血の原因にはどんなことがあるのかまとめましたがいかがでしたか。
もし自分がのぼせやすいと感じたら、まずはお風呂の温度を調整し、そして入る時間もほどほどにして済ませれるのが一番でしょう。
特に高齢者になると、お風呂での事故が非常に多く死亡事故につながるケースも高くなっています。
お風呂の温度や時間に関することと言えば、やはり冬場ですよね。
冬場に温かいお風呂に長い時間は言っていたい気持ちはわかりますが、それで事故になっては意味がないのでしっかり注意するようにしてくださいね。
普段お風呂に入らない人の理由の一つに、
というのがありますが、もしかしたらお風呂の温度が熱すぎるのかもしれません。
お風呂にはいろんなプラスの効果もあるので、うまく最適なお風呂の入り方をしたいですね。
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