あまり馴染みがないかもしれませんが、日本の暦には
という日があります。
今でこそ薄れてしまったこの半夏生は、大きな意味を持っていました。その半夏生の意味と今年2018年ではいつになるのか?
そして、実はこの半夏生の日に「タコ」を食べることが風習となっています。それはどうしてか?知っておくとちょっと面白いですよ。
地域によっても食べるものがうどんや鯖、餅などにかわったりもするのですが、そうなった理由や、花の「ハンゲショウ」との関わりも含めて見ていきましょう。
半夏生の意味とは一体何なの?
半夏生は二十四節気・五節句などの暦日のほかの「雑節」とよばれる日にあたります。
有名なところでは、
- 節分
- 彼岸
- 土用
などと同じ扱いの暦日ですね。
ですので、わりとメジャーな暦日なのですが、とりわけ最近は行事として重要視されていない部分もあるので認知度は低くなっています。
半夏生は、夏至から数えて「11日目」を言い、そこから「五日間」も半夏生といいます。そして、その意味には田植えの目安ということが含まれています。
ということわざもあり、
「夏至の後は、半夏生に入るまでに田植えをするといい。」
とされ、田植えを終えた農家の人々が、半夏生の日の天候でその年の収穫を占っていたというくらい大切な意味があったのです。
半夏生(ハンゲショウ)と呼ばれる理由
どうして、半夏生(ハンゲショウ)と呼ばれるようになったのかというと、それには2つの説があります。
- 漢方薬にもつかわれる半夏(カラスビシャク)が生える頃だから。
- ドクダミ科の【半夏生】という花がこの時期に咲くから。
この2つは全くの別物ですが、どちらも「半夏」という文字が入っており時期も重なっていることから2つの説が生まれました。
2024年の半夏生はいつ?
半夏生というのは、夏至から数えて11日目を言います。
そこから五日間も半夏生といいます。
ですので、
2024年は7月2日(~7月7日)
この期間にあたります。
夏至の日は毎年同じ日とは限らないのですが、実はこの半夏生というのはほとんど毎年7月2日~7月7日頃になります。
半夏生にタコを食べる理由とは?
といったように、
「半夏生の日にはタコを食べる。」
と言った風習があります。
どうしてタコを食べるのかというと、先ほどの半夏生の意味に話がつながっています。
半夏生というのは農作物を育てる上での大切な時期なので、農家の人はもちろん豊作を願っていました。
その上で、
という願いをこめてタコが食べられていたんですね。
これも理にかなっていたというか、タコには疲労回復効果のある
- 「タウリン」
が多く含まれているので、農作業で疲れた体には持ってこいの食材といえるんです。「タウリン」といえば、栄養ドリンクのCMなどでもよく聞きますよね。
その他の地域での風習
この、タコを食べるという風習は主に関西が中心ですが、他にも鯖やうどん、餅を食べるといった風習のある地域もあります。
うどん
うどんは香川県で見られる風習です。
この地域でうどんは盛んに作られていたので、この時に収穫された麦を使って、農作業で疲れた人たちに振る舞われていたのが始まりとされています。
鯖
鯖は福井県で見られる風習です。
この時期に食べる鯖は「半夏生鯖」とも呼ばれるくらいですが、本来、鯖の旬は秋です。
しかし、この地域では鯖の収穫が多かったので農作業で疲れた人たちに鯖が振る舞われていたのですね。
お餅
お餅は奈良県で見られる風習です。
この時期に食べられる餅は「半夏生餅」とも呼ばれていました。
半夏生餅は、もち米と小麦を同量ずつあわせてつき、きな粉をまぶしたお餅で、6月の旬の小麦を使ってお餅を振る舞われていたとされています。
似たような風習で「だんご」を振る舞われていた地域もあります。
今でも、
といったように販売されているものもあります。
河内は大阪ですが、京都にもこういった風習の地域があるようで、各地で様々なものが振る舞われていたことがわかります。
あとがき
2024年の半夏生はいつなのか。
また、半夏生の意味や食べ物など紹介しましたがいかがでしたか。
半夏生という言葉は聞き慣れない方も多いと思います。
しかし、昔は田植えの時期や、農作物の良し悪しを占う上でも非常に重要な意味があったことがわかります。
でも、一度この半夏生という言葉を知ると、意外とその辺でこの言葉が使われていることに気づきます。
先ほどの「河内名物半夏生だんご」のように、兵庫県の明石市では半夏生の日に「明石ダコ」を振る舞ったり、日本発の水着ブランド「HANGE SHOW(半夏生)」などが誕生したりしてます。
*これはお花の半夏生がブランド名の由来のようですが。
半夏生の日はこういったタコや鯖などを食べて、行事として楽しむのもいいかもしれませんね。