年の暮れになると、お歳暮の時期が近づいてきます。
お世話になった人や会社に一年間の感謝の気持ちを込めて贈るお歳暮ですが、その際に相手に対して失礼があると、せっかく感謝の気持ちを込めて贈ったことが相手を不快にさせてしまう場合もあります。
そんなお歳暮の基本的なマナーとして、
ということでまとめました。
あなたも疑問に思っていることや、やってしまいがちなマナー違反、忘れてしまってマナーが悪くなるといったことなど知っておくと役に立つポイントです。
その3つのポイントとして今回取り上げるのが、
2.のし紙について
3.送り状について
では、順番にこれらのポイントについて見ていきましょう!
お歳暮のマナー 喪中について
お歳暮の時期に近い年賀状などは、喪中の時には避けるようにしていますが、お歳暮についてはどうなのでしょうか?
何となく、
「喪中だからお歳暮を贈るのはマナー違反なのでは?」
あなたもこんなふうに思われているかもしれませんが、
お中元もそうですがお祝いの品ではないため、喪中であっても相手にお歳暮を贈ることはマナー違反ではありません。
しかし、そうは言ってもあまり早い時期は避けるようにした方がいいですね。四十九日の法要が終わる時期あたりが無難だと思います。
もし喪中でお歳暮の時期にまだ四十九日法要が終わっていなかった場合、お歳暮としてではなく「寒中御見舞い」という形にして贈るといいと思います。
*注意
ただし、1月7日までの年始の時期以降に贈るようにしましょう。
この場合のし紙ではなく、無地の掛け紙や白短冊を使って配慮しましょう。
あなたが喪中の場合には
贈る側が喪中の場合は、上のマナーを参考にしていただければ大丈夫だと思いますが、あなたが喪中の場合もあると思います。
その場合に関しても相手にお歳暮を贈っても特にマナーが悪いというわけではありませんが、逆に相手が気を使ってしまう場合もあります。
ですので、こちらも四十九日の法要が終わって、心も落ち着いてからでいいと思います。その場合にも時期がずれたら寒中お見舞いとしてや、今回は間をとって夏にお中元を贈るといったことでもいいのではないでしょうか。
お歳暮のマナー のし紙について
贈答品の上面に掛けられるのし紙ですが、白の掛け紙に水引、「熨斗(のし)」をつけたものを「のし紙」と呼びます。
このような感じですね。
「熨斗(のし)」は右上に入り、基本はこの形になります。
のし紙の書き方としては
水引の下に名入れとして「あなたの名前」
上の図のようにすれば大丈夫ですね。
一点注意ですが、贈答品の中身が魚介類やお肉など生モノの場合は熨斗は付けず、水引きだけにするのが本来の姿です。その理由としては熨斗の由来が関係しているのですが、ちょっと説明しますね。
熨斗の由来として簡単に説明すると、
「熨斗は、日持ちする熨斗鮑(のしあわび)がルーツとなっています。」
魚介類やお肉など生モノを贈り物とすることはめでたく、その象徴がアワビでした。これらを贈答品に添えるようになったのですが、なにせ高級で頻繁に贈れなかったので「熨斗」という形に姿を変えて今のように掛け紙に添えられるようになりました。
魚介類やお肉など生モノの場合はこの熨斗と意味がかぶってしまうので、水引きだけで大丈夫ですよ、ということになるのですね。
とはいっても、今ではあまり気にされている方も少ないようですので、通常のままでも特に問題無いようです。
お歳暮のマナー 送り状について
最後にお歳暮を贈る際の「送り状」についてのマナーになりますが、送り状は品物が相手に届くよりも先か、品物に同封しておくことがマナーとなります。
送り状についてもお礼状と同様に、その書き方というのがあるのでいくつかの文例とともに見ていきましょう。
送り状の書き方
送り状の書き方のマナーもお礼状の時と基本的に同じような流れになります。
- 頭語(拝啓など)
- 時候の挨拶など、季節を表す言葉とともに相手の状態をうかがう。
- 贈り物の内容
- 相手の健康を気遣う言葉
- 結語(敬具など)
大きくお礼状の時と違うのは、
というところですね。
送り状については「贈らさせていただきました」ということで、あまり押し付けがましい文章にならないようにするのがポイントです。
それでは、これらを踏まえて送り状の文例を用意しましたので参考にして下さい。
送り状の文例
ビジネスでの送り状の文例
拝啓
師走の候 貴社におかれましては益々ご清祥の事とお慶び申し上げます。
平素は格別のご愛顧賜りまして誠に有り難うございます。
本日は、日頃のお礼と歳末のご挨拶といたしまして、以前のお話の中に出てきました○○百貨店のロースハムをお送りしましたのでご賞味下さいませ。
略儀ながら書中を持ちまして御礼申し上げます。 敬具
知人、友人への送り状の文例
拝啓
年の瀬を迎えあわただしくなってきましたが、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
私どもも何かと忙しくしておりますが、元気に過ごしております。
本日は日頃の御礼として○○産のワインをお送りしましたので、ご笑納いただければ幸いです。
これからはまだまだ寒くなるようなので、どうか体調にはくれぐれもお気をつけ下さいませ。
それでは、よい新年を迎えられますことをお祈り申し上げます。 敬具
先生、恩師への送り状の文例
謹啓
寒冷のみぎり、○○様にはますますご活躍のこととお喜び申し上げます。
日頃は、公私に亘り多大なるご配慮にあずかり、心より御礼申し上げます。
つきましては、本年の感謝の気持ちを込めまして、○○の蟹のセットを別便にてお送りいたしました。ので、ご笑納いただければ幸甚に存じます。
これから寒さも本格的になりますので、十分ご自愛下さいませ。
略儀ながら、書中にてお礼申し上げます。 敬白
このような感じで送り状を書くと、特に失礼ではないと思うので参考にしてくださいね。
あとがき
今回は知っておきたいお歳暮のマナーとして3つのポイントを取り上げましたが、なんとなくで理解していたことや今まで忘れていた、知らなかったことなどもあったかもしれません。
今一度マナーについて確認し、お互いに気持のいい関係性が保てるといいですね。
*ちなみにお歳暮を贈る時期やお礼状については、マナーも含めこちらのページに収まりきらなかったものがあります。贈る時期とお礼状の書き方については、別で詳しくまとめているのでこちらも是非ご覧になって下さい。